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INTERVIEW

Japanese

ザ・ビートモーターズ

2011年03月号掲載

ザ・ビートモーターズ

Member:秋葉正志(Vo&Gt)

Interviewer:伊藤 洋輔


-恋つながりで「ガールフレンド」は逆に従来の持ち味を活かした爽快なナンバーですね。この曲のエピソードはありますか?

これはけっこう前に作った曲なんですけど……パブ・ロックの影響があるんですよ。確か、Bram Tchaikovskyのアルバムを聴いてたら思い浮かんだような曲で。他にもNick LoweとかIan GommとかDavid Edmundsとか、あのBrinsley Schwarz周辺にあった気さくな感じでメロディの活きた軽快なロックっていうようなものを、RAMONESのアレンジでやってしまった(笑)、そんな感じですね。

-昔から“恋”に関する歌がありますが、やはりインスパイアされやすい要素ですか?

その~、恋を歌っているというか、男女のシチュエーションのおもしろさなんです。時間とか天気とかちょっとしたシチュエーションに起こる、お互いの微妙な心情の移り変りだったり、ささやかな変化ですね。それを普通の恋愛模様として歌うんじゃなくて、あえて「くそったれ!」とか汚い言葉を入れて、そこを際立たせて対比させてみたりしながら表現したり。恋ってなんとなく軽い感じで表現してもそこに深みが生まれるような拡がりを持っているので、そういった意味で表現のサジ加減がいかようにもできるテーマ、と思うんでいろいろ歌ってきてるんじゃないですかね。

-恋に関係なく日常のささやかな瞬間をささやかな言葉で切り取ったような、ともすれば何も感じないような瞬間までも掬い素晴らしい表現にしてしまう、そんな魅力をザ・ビートモーターズの音楽から感じたんですが?

そうなのかな……そうなのかもしれないです。

-「ちくちくちく」はアイゴンこと會田茂一さんのプロデュースですが、いかがでしたか?

アイゴンさんにはいろんなアイデアを頂きましたね。きっかけは新しい試みとして1曲誰かにプロデュースしてもらおうと思って、それで依頼したんですよ。何でアイゴンさんかと言うと、ミュージシャン過ぎるプロデューサーの人や完全にプロデューサーの人ではない、その中間に位置付けられるミュージシャンとしての曲作りもプロデューサー気質も持ち合わせた人と感じたので、アイゴンさんに頼んだんですよ。とても微妙な感覚ですけど(笑)。で、実際アレンジの巧さはもちろんですけど、ピリピリしそうな空気を和ます上手さがホント素晴らしくて(笑)、けっこう冗談言い合いながら作業してましたね。

-昨年は『素晴らしいね』のリリースやあらゆるフェスの出演など忙しい1年でしたが、その中でアルバム制作していくのは大変だったのでは?

はい。やっぱりライヴの本数も増えたんで、それに向けてしっかりと準備や練習をしていくと同時に新曲を作るのはなかなか難しいなぁと思いましたね。でも、どんな状態であったとしても、自分の中で新しいものをイメージしてストックしておくことが大事だなとも理解しましたね。個人的にはスランプみたいな時期もあったんで、そう理解した夏ぐらいから地に足着けて頑張ろうって思えるようになりました。

-初のフル・アルバムを完成させたという経験は、大きな自信になったのでは?

そうですね。でもそれだけじゃなくて、もっと自分の意見をみんなにぶつけたいという意識も見えてきましてね。バンドなんで、僕ひとりで成立するものじゃないけど、もうちょっとわがままになってもいいかな?なんて、少しだけですけどね……。

-では、自分にしかない個性とは、何だと思いますか?

う~ん……なんでしょうね……。あたりまえのことですけど、自分の頭の中に理想像を持っている、ということなのかもしれません。こういった曲順でこういった流れで持ってひとつのアルバムにする、というような明確なものが。だからこそバンドや現場スタッフの意見とぶつかってしまう部分が出てきてしまうかもしれないけど、それでも僕の個性を考えるとそういうことなのかもしれません。

-秋葉さんが想う理想的な“良い歌”とはどのようなものですか?

う~む……パッとは出てこないし、説明しづらいものでもあるんですけど……さり気なくある素敵な曲……うん、そんな感じです。

-わかりました。では、最後に今後の目標を聞かせてください。

いろんな人たちに聴いてもらいたいということです。ライヴの1本1本を地道に頑張り、そこでみんなの心をバシっと掴めるようなパフォーマンスを披露したいですね。やっぱりアルバムとライヴはまったく別物だし、ライヴにこそ歌の真価がみえる楽曲もありますんで。さらに言えばライヴは一期一会なんで、僕らも気を抜かないでやらないといけませんね。だからホント多くの人に来てもらいたいです。

-「ザ・ビートモーターズはライヴ・バンドだ!」っていう声もありますしね。

そう、僕たちは然るべきことをきちんとするまで。

-頑張ってください!今日はありがとうございました。