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INTERVIEW

Japanese

おとぎ話

2010年01月号掲載

おとぎ話

Member:有馬和樹(Gt/Vo)

Interviewer:佐々木 健治


-今まで、ライヴでそういう感覚はなかった?

なかったですね。あ、こういうのをお客さんは待っていたのかなと思いましたね。・・・まあ、裏切りますけどね(笑)。

-(笑)「ロードムービー」は?

朴訥とした曲、タンタンと流れて行くような曲を作りたかったんですけど、バンドで合わせていくうちに、イントロのコード進行だったり、アウトロのコード進行がどんどん出てきてくれて。壮大な曲ではなくて、ちっちゃな曲だと思っていたんですけど。いろんな景色を見せてくれるというか。一貫して夜というテーマはあるんですけど、光が差し込んできて、それが朝ではなくて夜に見える光というか。抽象的ですけど。これから、大事になっていくんじゃないかんと思いますね。まだ分からないですけど。

-これから先、変わっていきそうな曲ですか?

うん、変わっていく曲かもしれないですね。こういう曲が大事ですね。真っ当にラヴ・ソングなんですけど、一筋縄ではいかない感じですよね。

-じゃあ、最後の「青春」を。これは、シングルとは違うヴァージョンですね。

そうですね。これはシングルとは違って、上音を削ぎ落として、一つのバンドとしてスタジオで練習しているような音に近い感じですね。そこに意義があるというか。「GALAXY」にするか、両方入れるかっていう議論があったんですけど、最終的には二つを聞き比べて断然「青春」を入れようと。「GALAXY」はシングルで単体である曲のようにも思えたので。

-学校のチャイムのアイデアっていうのは、誰のアイデアなんですか?

あれは僕ですね。皆、知ってるじゃないですか。キンコンカンコンって。皆知っているけど、歳をとってくるといつの間にか忘れるから、入れたいなと思って。「青春」っていうタイトルで学園ものだし。最初は全然違うアイデアでイントロとかやってたんですけど、キンコンカンコンってやってたら、面白くなっちゃって。これはヤバイなと皆で興奮しながら作りましたね。

-ありそうで、あんまりないですよね。

そんなにないですよね。僕もそんなに知らないですしね。チャットモンチーが「さらば青春」って曲でやってましたけど、それくらいしか思い浮かばないですよね。

-青春ってバンドのテーマとしてあるんですか?

ないですね。ないけど、皆が言うんですよ。

-やっている側の意識としては全くないんですか。

全くないですね。考えたことはないけど、皆が言うし、謳い文句としてそれでとっつきやすいならいいんじゃないですか(笑)。青春パンクって言われたら、それは違うだろって全力で否定しますけどね。

-分かりました。それで、ブログで2009年のベスト・アルバムみたいに挙げられていたじゃないですか。チェックしてるなと思って。

聴きまくってますね。やっぱり音楽が大好きなんですよ。

-あの中から3つくらい挙げると何ですか?

DIRTY PROJECTORS「Bitte Orca」が凄く好きですね。あと、Jay Reatard「Watch Me Fall」。精神が病んでいないDaniel Johnstonというか。もっとガレージ・ロックで、革ジャンを着たDaniel Johnstonって感じですね。アルバムもガーッと30分くらいで終るし、今一番なりたいですね、Jay Reatard になりたい。日本中をかき回したいですよ。日本人の琴線にバッチリ触れる人だと思うんですけど、誰もちゃんとプロモーションしてライヴを日本でやらせようとしないので、俺が呼ぼうかと思ってますよ。ガレージでジャンクだし。GRIZZLY BEAR「Veckatimest」も好きですね。

-ああ、なるほど。GIRZZLY BEARですか。

僕は凄くあれがよくて。ライヴを観たのもあるんですけど。

-SUMMER SONICですか?

そうです。

-あのライヴはよかったですよね。

ライヴ、よかったですよね。ただ、日本人が好きなコーラスとは違うから。難しいんですよね。何か、広いというか・・・侘び寂びがないし。マイナー・コードの使い方も違うし、曲の構築の仕方も違うから、日本ではあんまり流行らないだろうとは思って聴いていますね。WEEZERとかとは違う曲の作り方というか。全然違うところに言っちゃうと、Robert Wyatt的というか(笑)。

-(笑)なるほど。それは分かりますね。

アート志向のブルックリンの人達は凄く盛り上がっていると思いますね。あ、それとCONVERGE「axe to fall」。これは絶対入れておいてください。めちゃくちゃいいんで!

-(笑)分かりました。