Japanese
LEEVELLES「ヨルヲカケル」MV撮影密着レポート
Writer : 藤坂 綾 Photographer:Kanda Yukiya
現状打破したからこその景色がここにはある
未来型のエンターテイメントをコンセプトに2019年8月に結成、今年3月29日にはプレデビュー・デジタル・シングル「Step&Step!」をリリースしたLEEVELLESが、8月30日にメジャー・デビュー1stデジタル・シングル「ヨルヲカケル」でメジャー・デビューを果たした。そのミュージック・ビデオの撮影が8月某日、都内の撮影スタジオで行われた。この撮影現場の様子をレポートしながら、いくつもの新たな挑戦により生まれたこの楽曲について掘り下げていきたい。
全国で例年にない暑さが続いた今夏。この日も朝から気温は容赦なく上がり猛暑日に。広いスタジオ内は空調がなく、スタッフがハンディファンを持ち歩き、汗だくでの撮影が続く。そんななかでも、メンバーとスタッフの顔には、ひとつのものを共に作り上げることへの情熱と喜びしかなく、清々しいほどに明るい空気が漂っている。モニター・チェックやちょっとの待ち時間も笑顔で談笑したり、本誌撮影カメラマンがカメラを向けるとピースをして応えてくれたりと、非常にアットホームな雰囲気。
もちろん撮影中はその空気もいい具合の緊張感に包まれる。メンバーのソロ・カット・シーンの撮影が進み、ヴォーカル 小川紘輔のリップシーンの撮影に。スタジオ中央に用意された車の前に座り、曲に合わせ様々な表情を見せる小川。撮り終わるとモニターを見つめ、監督といくつかの言葉を交わす。このやりとりをほんの数回重ねただけで、彼の表情はどんどん豊かになっていく。テイクを重ねるごとにエモーショナルになっていくのだ。隙を狙い小川に話を聞くと、"緊張しました。でも、この曲に込めた想い、この曲の世界観を監督と話すことでうまく表現できたんじゃないかと思います"と、満足気な笑顔を見せてくれた。
"現状打破"をテーマに、メンバー全員での作詞に初チャレンジしたという今作。その初チャレンジに加え、作詞にヤマモトショウ、作曲編曲に大西省吾(agehasprings)を迎えることで、これまでメンバー4人で完結していた楽曲制作に変化を与え、新たな息吹を吹き込むことに成功した。夢を追い掛け、がむしゃらに駆け抜けるというまるで自分たちの心情をリアルに描いたかのような歌詞は、もがき苦しみながら生きるすべての人の勇気となるだろう。ロック色の強いサウンドとそれぞれのプレイからは、バンドとしての自信が窺える。そして小川が描き下ろしたジャケットには、必死に夜を駆け抜けた人にしか見ることのできない、素晴らしい光が描かれている。
その世界観をより強く表現し、より多くの人に届けたい想いが強かったからだろうか――これまでバンドの演奏シーンが中心だったMVも、今回はジェンダーレス・モデル/タレントの井手上 漠を起用。井手上の生き様にメンバーももともと強く共感し、同年代を生きる象徴、そして楽曲の持つ"現状打破"というテーマに合っていることからメンバーが正式にオファーし出演が実現。ストーリー性のある構成となった。控室で打ち合わせをする監督と小川と井手上。もともとリスペクトしてやまなかったというメンバー全員喜びを通り越し、この日初めて緊張した面持ちを見せた瞬間。そのリスペクト具合がこちらにもしっかりと伝わり、これからの撮影への期待値が上がるとともに、メンバーのその姿が微笑ましかったというのもほんとのところ。
初対面とはいえ、ものを作るという目指すところが同じというだけで、その距離は一気に縮まるのだろう。前述した車の前にメンバー4人と井手上が並び、夢を追い掛ける想いを表情だけで表現したときの5人の美しさといったら、写真を見てもらえればわかると思うが、到底言葉で言い表すことなどできるはずがない。オフショット撮影で見せてくれた笑顔もまた格別だ。
井手上との撮影を終え、控室に戻ったメンバーに感想を聞くと、"クールでかっこ良くて感動しました"(川﨑 純/Gt)、"立ち振る舞いがかっこいいし、もうとにかく嬉しかったです"(髙木皓平/Dr)、"リスペクトしていたので、出演していただけで嬉しい気持ちでいっぱいです"(宮地正明/Ba)と、興奮冷めやらぬといった状況。小川と井手上ふたりでのシーンの際、何やら話している姿が目に入ったので小川に尋ねてみると、ポージングについてアドバイスを貰っていたとのこと。"重心を片方に置くとかっこ良くなりますよ"と教えてもらったそうなのだが、"もう、漠さん、かっこ良かったですよね"と、こちらも興奮気味。新たな挑戦とともにこの日の撮影で得た刺激は、彼らに大きな何かを残したことは間違いない。何より革新的なエンターテイメントを作っていきたいと理想を掲げる彼らにとって、若い世代を背負う井手上との共演は何かのきっかけになったことも間違いないだろう。
撮影が中盤戦のところで恐縮ではあったが、見どころについて聞くとすかさず"僕の駐車シーンです(笑)"と川﨑。"車の運転をしているんですけど、緊張しました。ギター・ソロは1発でOKだったんですけど、駐車する場所を2回も間違えて。なのでそこが見どころなんですけど、やっぱりギター・ソロも見てほしいです"(川﨑)、"4人のバンド・シーンもかっこ良く撮っていただいたし、車の前のリップシーンもかっこ良く撮っていただいたし、さらには漠さんにも加わっていただいて、どれもすごくいい画が撮れていると思うので......もう全部です、全部見どころでしかないです"(小川)、"演奏シーンがすごくかっこ良くできたんですよ。前作の「Step&Step!」は明るめで楽しい感じだったんですけど、今回はロック・バンドのかっこ良さをガツンと前面に出したものになると思うので、そこを観てもらえたら嬉しいです"(髙木)、"まだ全部撮り終わってないのに、さっきからわくわくが止まらないんですよ。ベース・ソロ・カットもいい感じにできたし、これから撮る漠さんのソロ・シーンも絶対見どころになると思うし。僕たちが目指していることのひとつとして、新しいシーンを作りたいという想いがあって、漠さんはまさにシーンを作る先駆者で、今日はこの撮影を通してたくさんの刺激を貰っているので、完成を楽しみにしていてください"(宮地)と、メンバーが誰よりもこの作品の完成を楽しみにしている様子だ。4人の表情からは、これまでの撮影に対する手応えと、これからの撮影へ向けての意気込みがひしひしと感じられた。
LEEVELLES - ヨルヲカケル [OFFICIAL MUSIC VIDEO]
メジャー・デビューという節目のタイミングで見せてくれたLEEVELLESの数々の挑戦。挑戦しなければ新しい景色を見ることはできないし、現状打破したからこその景色がこの「ヨルヲカケル」とこのミュージック・ビデオには描かれている。それでもまだまだここで止まるわけにはいかない。新しい音楽シーンの開拓を目指し、いくつもの夜を駆け抜けてきた彼らの物語が、ここからまた始まる。
▼リリース情報
LEEVELLES
MAJOR DEBUT 1st DIGITAL SINGLE
「ヨルヲカケル」
NOW ON SALE
[ユニバーサルミュージック]
Lyrics:LEEVELLES、ヤマモトショウ
Music:LEEVELLES、大西省吾
Arrangement:大西省吾、LEEVELLES
配信はこちら
ミュージック・ビデオはこちら
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レーベル・オフィシャル(ユニバーサルミュージック)
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