Japanese
FLiP
2015年05月号掲載
Writer 沖 さやこ
"結成10周年"。耳馴染みのある言葉であるが、当たり前のように成し遂げられることではない。大体において結成10周年を迎えるまでの背景は、当事者でないと感じられない様々な想いがあるだろう。ひとりで10年続けるのも並大抵のことではないのに、それを複数の人間と行うとなると、メンバー内の意思疎通ができていないと難しい。だがひとりではできないことでも、同じ志を持つ仲間と力を合わせれば成し遂げられることはたくさんある。FLiPというバンドは10年間、共に喜び、悩み、苦しみながら音楽に打ち込んできた。メジャー・デビュー、プロデューサーを交えた制作、それを経て行ったセルフ・プロデュース、バンド史上最大規模のワンマン・ライヴ、メイン・ソングライターであるSachikoのスランプ――FLiPが様々な経験を乗り越え、それを自分たちの力にすることができたのも、すべて"この4人だったから"だ。
新作の名は『BIRTH』。昨年10月に、シングル『GIRL』で第2章の幕開けを華々しく飾った彼女たちが、結成10周年を迎えて"誕生"を奏でるというのは非常に意味のあることだ。『GIRL』でも音楽への新たな好奇心を素直に表現していたが、あの作品は様々な音楽をインプットしながら、自らの心の中から好きな音色を見つけ出すという作業から生まれた3曲。4人はその後、それを育むことができた。『BIRTH』はその結晶だ。4人のできることとやりたいことが『GIRL』以上に増えており、その事実が嬉しくて楽しくて仕方がないという幸福感が音の隅々に通う。FLiP史上最もフラットで心地よいグルーヴの作品となった。
『BIRTH』はFLiP史上最も"4人でFLiP"という気持ちと、"いい楽曲を作りたい"という気持ちが強い作品だと思う。全曲で4人が4人とも、最も楽曲が輝くアプローチを行っているのだ。巧妙なフレージングが合わさりながらも、どの音が突出するわけでもなく調和し、滑らかな楽曲ができあがる。それは元来、ポップスによく見受けられるアンサンブルである。そういうところにも、現在の彼女たちがジャンル問わず"いい"と思う音を愛で、メンバー間で共有、吸収し、分析を欠かしていないことが表れている。
Sachikoのヴォーカルも音と同様である。彼女はもともと楽曲ごとに表現を変える、歌への愛情がとめどなく溢れているヴォーカリストだが、『GIRL』以前は"自分の歌を楽曲の中でどう輝かせるか"ということを重要視していたように思う。だが『BIRTH』では"楽曲と歌詞を引き立てるためにどう表現をするべきか"ということを第一に考えている印象を受けた。だからどんなアプローチのヴォーカルも音と溶け込み、楽曲への愛情を強く感じられる、あたたかい声をしている。それはメンバーを頼れるようになったことも理由のひとつだろうし、やはり何よりこの4人で音楽を作ることが楽しくて仕方がない、というのが最も大きな理由だろう。結成10周年にしてバンドが誕生した当初のピュアな気持ちに立ち返ることができているのだ。
キーボードの表現方法の広がりが如実に出た「ONE」はそれぞれの楽器のリフが浮遊感を生み、「JEREMY」は音色で豊かな表情を作る2本のギターが楽曲を美しく飾る。滑らかさの中に力強さを作り出せるのは、10年で培った経験の賜物だ。UKインディーの香りのあるギターとベースがクールな「UNDERMINE」は間違いなく新境地。大きな愛情を歌った「YOU」、コーラス・ワークが巧みな「DREAM」は女性として年齢を重ねたゆえに生まれた抱擁感と切なさのある楽曲だ。『GIRL』の延長線上にある「LET IT DIE ~K & Q~」には、歌詞のひとつひとつに聴き手への問いかけが含まれる。FLiPは我々リスナーと共に、新たな場所へと旅立とうとしているのだ。そういう意味でも、このミニ・アルバムは新たなFLiPの誕生である。
▼リリース情報
FLiP ミニ・アルバム
『BIRTH』
2015.05.06 ON SALE
初回盤(CD+DVD)¥2,130(税別)
amazon | TOWER RECORDS | HMV
通常盤(CD)¥1,667(税別)
amazon | TOWER RECORDS | HMV
CD
1. ONE
2. JEREMY
3. YOU
4. UNDERMINE
5. DREAM
6. LET IT DIE ~K & Q~
7. 小さな恋のうた(STUDIO LIVE ver.)※ボーナス・トラック
DVD
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