Japanese
HiGE
2010年06月号掲載
Writer 山田 美央
毒のあるポップ性とアグレッシブなライヴ・パフォーマンスで強烈な魅力をばらまき、常にシーンを賑わせてきたHiGE。2010年3月に突如として會田“アイゴン”茂一を加え、新たに6人体制となることを発表したことは記憶に新しい。そして、新体制としての活動を開始してわずか3ヶ月足らずの6月16日(水)。ネット上で秘かに囁かれていた“奥田民生プロデュース”の新曲「サンシャイン」が、ついにその全貌を明らかにする。
HiGEのニュー・シングル『サンシャイン』は、口当たりの良い上品な酒を思い起こさせる。嗜むほどに広がる、心地よい夢のような親密な空気。しかし、「サンシャイン」の口当たりの良い陶酔感の奥には、無邪気なまでの毒気が潜んでいる。ある地点を越えた段階で、ふわふわとした心地よさは、「オニオン・ソング」「エルヴィス・ヘンドリックス」によって圧倒的な力へと姿を変え、HiGEマジックで私たちの目の前の世界を塗り替えてしまうのだ。次々と目の前を過ぎゆくパレードのような、目まぐるしい鮮やかさがはじける。コーヒーカップに乗ってぐるぐるぐるぐる・・・しっかりと足を踏みしめていないと、遠心力で飛ばされてしまうような中毒性の高い高揚感が味わえる。わずか10分という時間の中に、実にカラフルな、多様性のある空間が凝縮されている。
HiGEと言えば、須藤の描くロックでアイロニックな世界の印象が大きい。そこには、明確な境界線が引かれていた。しかし、本作は奥田民生の人間味あふれるアレンジと相まって、ストレートな言葉がドリーミーな温もりを帯びた楽曲へと昇華されている。“奥田民生”という切り口から覗くことにより、唯一無二のHiGEワールドに新しい表情を再発見した感覚だ。
表題作「サンシャイン」は、ロックとしての境界線が薄れ、曖昧さが強さを増していた今作の中でも、実にストレートだ。これまでのシニカルな世界観とは打って変わって、直接的に心に響くハートウォーミングな世界が展開されている。根底には常に抱えている憂鬱や悲しみ、寂しさが存在しつつも、側に寄り添い、連れ出してくれるような暖かさがある。
明けることのない夜の中、自らの闇の中に深く沈み彷徨う子羊たち。そんな私たちに親密で柔らかな光を湛えた手を差し伸べてくれる。まるで、救いのない日常からの救済だ。“救済”という言葉で片付けてしまうのはあまりに安易だし、誤解を生みやすく危険なことは承知だが、敢えて“救済”という言葉を選択したい。それは、超自然的存在からの“与えられる”絶対的で一方的な救済ではない。あくまでも、肌と肌とで存在を確かめあえる同士が互いの傷を受け取る行為なのだ。同じ空虚さを共有しているからこそ、その手は暖かく、よりリアルな存在として温もりを感じることができる。“同じ穴のムジナ”として語りかけているからこそ、須藤は率直に“君の不安 僕におくれ”と言えるのだろうし、私たちは赤裸々な言葉も素直に受け取ることができるのだ。
闇を知ってこその光。多くの少年・少女がそうであるように、人々は音楽を通して、現実とは別に存在する空間を求め、自分を投影できる存在を探している。「サンシャイン」はそういった人々にとって、友のように手を差し出すのだ。そして、救済する者として手を差し伸べているのは、HiGEであり、知らず知らずのうちにHiGEに投影された私たち自身でもある。同時に、様々な世界を漂ってきた自分自身に対しての言葉であるような気がしてならない。
ともに手をとり向かう先がどのような場所であれ、私たちは彼らと同じ先を見つめることを望み、その世界を共有したいと切望するのだろう。それゆえ「サンシャイン」という高らかな宣言のもと集い、希望を求めずにはいられないのだ。長いトンネルを通り抜け辿り着く先には、果たしてどのような世界が広がっているのか。
HIGEが示すこの先の未来を鮮やかに照らし出す名曲の誕生だ。その心地よさ、ぜひとも我が身で体感してほしい。
- 1
LIVE INFO
- 2025.09.01
-
打首獄門同好会
DIRTY LOOPS
とまとくらぶ
- 2025.09.02
-
Hump Back
とまとくらぶ
フラワーカンパニーズ / Conton Candy / ヒグチアイ / TOSHI-LOW
ずっと真夜中でいいのに。
打首獄門同好会
YOASOBI
め組 / ザ・チャレンジ / NaNoMoRaL / 宇宙団
- 2025.09.03
-
YOASOBI
DIRTY LOOPS
WurtS × なとり
THE YELLOW MONKEY
- 2025.09.04
-
キュウソネコカミ
打首獄門同好会
とまとくらぶ
DIRTY LOOPS
ハンブレッダーズ
終活クラブ
a flood of circle × 金属バット
TOOBOE
神はサイコロを振らない
- 2025.09.05
-
Age Factory
GOOD BYE APRIL
fox capture plan
水曜日のカンパネラ
大森靖子
セックスマシーン!!
YOASOBI
JYOCHO × 長瀬有花
cakebox(シノダ/ヒトリエ)
KING BROTHERS
DIRTY LOOPS
EGO-WRAPPIN' / Original Love Acoustic Session
秋山黄色
ぜんぶ君のせいだ。
This is LAST
WtB
神はサイコロを振らない
PENGUIN RESEARCH
Bentham / Yobahi / WELL DONE SABOTAGE / Loojy
- 2025.09.06
-
"WANIMA presents 1CHANCE FESTIVAL 2025"
GRAPEVINE
Creepy Nuts
eastern youth
Broken my toybox
青木陽菜
9mm Parabellum Bullet / 眉村ちあき / 浪漫革命 / THE BOHEMIANS ほか
Appare!
カミナリグモ
TOKYOてふてふ
ヨルシカ
藤沢アユミ
大森靖子
なきごと
"TREASURE05X 2025"
ADAM at / TGMX(FRONTIER BACKYARD) / 荒井岳史 / 渡邊 忍
セックスマシーン!!
ぜんぶ君のせいだ。
TOOBOE
YOASOBI
KING BROTHERS
Victoria(MÅNESKIN)
Ryu Matsuyama
SIX LOUNGE / TENDRE / ハナレグミ / 日食なつこ ほか
WtB
SCOOBIE DO
NakamuraEmi
りぶ
優里
PIGGS
- 2025.09.07
-
Broken my toybox
"WANIMA presents 1CHANCE FESTIVAL 2025"
GRAPEVINE
This is LAST
レイラ
WtB
ナナヲアカリ
豆柴の大群
TGMX(FRONTIER BACKYARD) / 荒井岳史 / 渡邊 忍 ほか
ヨルシカ
eastern youth
大森靖子
GOOD ON THE REEL
Aooo
"TREASURE05X 2025"
セックスマシーン!!
ビレッジマンズストア
TOOBOE
the cabs
心愛 -KOKONA-
Keishi Tanaka
KING BROTHERS
Mellow Youth
cinema staff
OAU / LOVE PSYCHEDELICO / 大橋トリオ ほか
"くさのねアイドルフェスティバル2025"
渡邊一丘(a flood of circle)
ぜんぶ君のせいだ。
りぶ
ART-SCHOOL
HY
優里
SILENT SIREN
[激ロックpresents"Burning Blue vol.5"]
- 2025.09.08
-
レイラ
JACK'S MANNEQUIN
fox capture plan
- 2025.09.09
-
Age Factory
THE GET UP KIDS
Hump Back
YOASOBI
打首獄門同好会
9mm Parabellum Bullet
JACK'S MANNEQUIN
"LIVEHOLIC 10th Anniversaryseries~奏・騒・壮!!!Vol.4~"
- 2025.09.10
-
Aooo
Hump Back
ハンブレッダーズ
This is LAST
The Birthday
パーカーズ × 浪漫派マシュマロ
とまとくらぶ
THE GET UP KIDS
打首獄門同好会
- 2025.09.11
-
Bye-Bye-Handの方程式
YOASOBI
The Birthday
w.o.d.
MONOEYES
THE GET UP KIDS
TOOBOE
鶴 × ONIGAWARA
- 2025.09.12
-
Aooo
ナナヲアカリ
神聖かまってちゃん
TOOBOE
w.o.d.
ビレッジマンズストア
YOASOBI
THE BOHEMIANS × the myeahns
the band apart (naked)
Rei
Awesome City Club
"LIVEHOLIC 10th Anniversary series~この声よ君の元まで!!〜"
- 2025.09.13
-
cinema staff
ヤバイTシャツ屋さん / UNISON SQUARE GARDEN / sumika ほか
神はサイコロを振らない
The Birthday
神聖かまってちゃん
This is LAST
GRAPEVINE
佐々木亮介(a flood of circle)
四星球 / 藤巻亮太 / eastern youth / 踊ってばかりの国 ほか
Creepy Nuts
KING BROTHERS
崎山蒼志 / moon drop / SPARK!!SOUND!!SHOW!! / ExWHYZ ほか
"ナガノアニエラフェスタ2025"
WtB
PIGGS
TOKYOてふてふ
LACCO TOWER
安藤裕子
GOOD BYE APRIL
The Biscats
"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2025"
"New Acoustic Camp 2025"
wacci
- 2025.09.14
-
セックスマシーン!!
ビレッジマンズストア
TOOBOE
THE BOHEMIANS × the myeahns
flumpool / 三浦大知 / コブクロ / C&K
ガガガSP / GOING UNDER GROUND / 日食なつこ / LOVE PSYCHEDELICO ほか
ナナヲアカリ
WtB
Academic BANANA
Creepy Nuts
打首獄門同好会 / GLIM SPANKY / yama / bokula. ほか
KING BROTHERS
"ナガノアニエラフェスタ2025"
センチミリメンタル
ぼっちぼろまる
SIRUP
Maica_n
"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2025"
"New Acoustic Camp 2025"
Mirror,Mirror
- 2025.09.15
-
セックスマシーン!!
cinema staff
Bye-Bye-Handの方程式
WtB
ビレッジマンズストア
Kroi
GRAPEVINE
Appare!
TOKYOてふてふ
緑黄色社会 / 04 Limited Sazabys / キュウソネコカミ / Hump Back ほか
羊文学
PIGGS
DYGL
THE SMASHING PUMPKINS
FOUR GET ME A NOTS
Bimi
"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2025"
FIVE NEW OLD
eill
UNFAIR RULE / Blue Mash / ペルシカリア / ポンツクピーヤ
アーバンギャルド
NOIMAGE
RELEASE INFO
- 2025.09.01
- 2025.09.03
- 2025.09.04
- 2025.09.05
- 2025.09.06
- 2025.09.09
- 2025.09.10
- 2025.09.12
- 2025.09.17
- 2025.09.19
- 2025.09.24
- 2025.09.26
- 2025.10.01
- 2025.10.03
- 2025.10.05
- 2025.10.08
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
ExWHYZ
Skream! 2025年08月号