Japanese
髭
Skream! マガジン 2012年01月号掲載
2011.12.03 @渋谷 CLUB QUATTRO
Writer 島根 希実
12月7日にニュー・アルバム『それではみなさん良い旅を!』をリリースしたばかりの髭ちゃん。そのリリースに先立って、彼らが最初にオーガナイズする旅は3日間で過去から現在へとトリップするツアー・パック“BACK TO THE FUTURE”。今回Skream!が参加したのはツアー2日目、巡るのは2006~2007年。アルバムでいうところの『PEANUTS FOREVER』と『Chaos in Apple』という、彼らが本格ブレイクするきっかけの年、髭ちゃんのモテキ到来の年へと旅立ってきました。
登場SEは当時のお馴染みであったJACKSON SISTERSのMiracles! だが、これで驚くのはまだ早い。さらに懐かしいのは須藤の服装、トレード・マークのKurt Cobain風のサングラス、青のカーディガンに、カラー・パンツ。服装的には、『Chaos in Apple』の頃に近いだろうか、Kurt度数100%だった頃から、徐々に変化し始めた頃の服装だ。
のっけから「MR.アメリカ」、「I`m so sick.」とアップ・チューンを連発した後、須藤が一言だけ挨拶を。“どーも!”と言うなり、静かに始まったのは「Goo」。ミドル・テンポによる、感傷と穏やかなエモを積み込んだ揺りかごは「デーモン&サタン」へ。そして、揺りかごなんてひっくり返し、クレイジーに踊りだした「寄生虫×ベイビー×ゴー!」と「ボニー&クライド」!
“こんばんは。すっごい暑いね。すっごいカーディガン脱ぎたいんだけど。 一曲目で思ったね”やはり当時も暑さを我慢して着てたんだなぁ……と5年前の須藤の頑張りを讃えつつ、ステージに目をやると、そこにはメロディの揺らめくサイケデリア「ダブリン」が。頭を振り、体を揺らす須藤。やがて君も感じてごらんとばかりに自らの両目を塞ぐ。そのまま静かに暗転し、目を開けたそこに広がるのは、髭ちゃん主催の「ランチ」パーティ。白昼夢を連想させる濁った照明の中で、反響するヴォーカル。ステージという向こう岸には夢の光景が広がっている。手の届かない楽園が目の前に繰り広げられているようだった。
ライブ後半は怒涛の3曲の畳み掛けだった。「ドーナツに死す」、「ハリキリ坊やのブリティッシュ・ジョーク」。そしてメジャー1stシングル「ロックンロールと五人の囚人」。髭ちゃんが自らロックンロールに囚われてみせた日、彼らが世間の注目を集めるきっかけともなったこの曲も、当時とは全く違う画を描く。エッジも毒気も影を潜め、きらきらと輝いている。もう、囚われることなんてしない。今の彼らは、足枷なんて知らんとばかりに、鎖ごと振り回し踊ってみせるのだ。
アンコールは、1日目に続き設定年以外の曲もプレイ。1日目は「テキーラ!テキーラ!」をプレイして客席からの冷ややかな視線を浴びたそうだが、“06年、07年以外の曲?やるよ。今日も”と、めげない須藤。 という訳で最後にして最大の観光地は「ダーティーな世界」! “みんなで一緒にいく?OK!盛り上げて俺を。俺はみんなのお神輿の上にいる人だよ。行きたい?じゃあしょうがない。ナビゲーターは僕だよ”ステージから一斉になだれ込んでくる音へ全員でダイヴするように、何度も何度もジャンプをする。そこに突き刺さる“ダンスダンスフーリガン”という言葉のカウンター。そして、全てのダーティーを払拭し、対岸は再び恍惚と幸福のサイケデリアへ。そう、文字通り「電波にのって」辿り着いたのだ。音が、コーラスが、全てが音波となり、やがて対岸の光がフロアを飲み込んでいった――。
最後は、須藤の言葉を借りて、この日のステージに賛辞を捧ぐ。
“すごいと思います!ちゃん髭すごいと思います!”
※写真は12月2日(金)の公演のものです
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