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INTERVIEW

Japanese

TEDDY

2017年01月号掲載

TEDDY

メンバー:長部 峻(Vo/Gt) 高浦 充孝(Dr/Cho)

インタビュアー:秦 理絵

不器用で平凡な自分だからこそ伝えられる歌がある。それをバンドのモットーに活動する神奈川発の4人組ギター・ロック・バンド、TEDDY(読み:テディ)が、1月18日に1stミニ・アルバム『20170118』をリリースした。約半年ぶりのリリースとなる今作は、ライヴを意識した攻撃的なロック・ナンバーだった前作『DETECT』から一転、よりシンプルなバンド・アンサンブルでメロディを大切に届けていくという、バンドの原点に改めて立ち返った。いわゆる王道と言われるサウンドの中に、いかにTEDDYらしさを込めるのか。試行錯誤しながら完成させた等身大の1枚について、長部 峻と高浦充孝のふたりに訊いた。

-前作から半年ぶりのリリースになります。その間どんな活動をしていたんですか?

長部:実は、前作のリリース・ツアーが終わってからライヴの本数を減らしてたんです。そのぶん音源の制作に力を入れて、今はメンバー全員で曲を作るようにもなったんです。

高浦:やっぱり前作の『DETECT』(2016年5月リリースの2ndシングル)が自分たちにとっては振り切ったものだったので、改めて自分たちがTEDDYである意味を見つめ直そうと思ったんです。

-前作の『DETECT』は、それまでの爽やかで疾走感のあるバンドっていうTEDDYのイメージを覆す激しめのロック・ナンバーでしたけど。

高浦:今、冷静になってあの作品と向き合ったときに思うのが、『DETECT』は、長く聴き続けられるCDではないかなと思ったんです。若さが全開で、そのときの僕たちは詰まってるかもしれないけど。

長部:『DETECT』は瞬間の衝動だったんですよ。だから今回は10年後も聴き続けられる作品にしたかったんです。僕らの中で、ザ・等身大というか。無理をしてない、一番心地いいところなんです。

-なるほど。前作から今作までは、もう一度バンドを見つめ直す時間だったんですね。

長部:そうですね。"誰のために曲を作ってるんだろう?"っていうことを、改めて考え直したんです。あとは、個々の楽器のテクニックに頼らずに、楽曲そのものの良さで勝負したいっていうのがあって、それが今回の作品に繋がったのかなと思います。

-"誰のために歌うか?"っていう部分では、前作のインタビュー(※2016年5月号掲載)で、"自分と同じように、いつも自分に裏切られて、傷つきながら生きてる人のために歌いたい"って言ってました。

長部:その気持ちは変わらないです。僕自身は弱い人のために歌いたいし、そのためには僕らがエゴに走らないっていうことですよね。やっぱり歌詞をちゃんと伝えたいんです。でも今思うと、『DETECT』はゴチャッとしてたから、それが伝わりやすい内容だったかって言ったら、実際はそうじゃなかったと思うんです。だから今回は楽器の3人も、歌が一番聞こえやすくなるようなアプローチを意識するように変わっていったと思います。

-メンバー同士でそう話し合いをしたんですか?

高浦:今回はたくさん話をしましたね。

長部:だから、『DETECT』は4人が良いと思ったものを"合体してできた"作品なんですけど、今回は4人で良いと思うものを"ひとつにまとめた"CDなのかなと思うんです。

-"合体してできた"と"ひとつにまとめた"は意味が違うんですか?

高浦:例えば、前回は4人でミックス・プレートを作る、みたいな感じだったんですよ。"ウィンナー入れようぜ、チキン入れようぜ、わー、すごい!"っていう。でも、今回は4人で1個のハンバーグを作ったイメージ。

長部:バンドが進む方向はこっちなんだろうなっていうのがあったんですよね。

-その"進む方向"っていうのが、今までよりもメンバー全員が歌をちゃんと立たせて、歌が伝わりやすいアレンジでにするっていうことですよね。

長部:結局そこなんですよね。

-それは王道であり、正攻法であるがゆえに、とても難しいことだと思いますけど。

長部:長く聴き続けられるっていうのは、結局そういうことだと思うんです。音楽で勝負する......なんて言うんですかね、音楽が役に立つものであってほしいんです。今、僕らの音楽を聴いてる人が、もし僕らと同い年くらいだとして、10年後に子供ができたときに、車の中で誇りを持って流せる音楽であってほしい。決して一瞬だけ聴くような音楽であってほしくないんです。僕も両親が車で流してた音楽が原点だったから。宇多田ヒカルとかサザンオールスターズとか。そういう音楽に近づけられたらと思ってます。

-今回、全員が曲を作る体制になったのも、バンドとしてはひとつのトピックですね。

高浦:そうなんです。今までは、"できた、じゃあ入れよう"って、できたものから順にリリースしてたんですけど。今回は初めてメンバー全員で書くようにして、曲のストックがいっぱいある中からCDに入れる曲を選ぶっていう状況を作ったんです。

長部:もちろん歌詞は僕が全部書いてるんですけど、メロディはメンバーが作ったものが採用されてます。

-今までバンドのほぼ全曲で作詞作曲をしてた長部さんの立場からすると、他のメンバーが作曲した曲を採用していくというのはどういう感覚なんですか?

長部:僕としては、いろんな景色が見えるのがいいなと思うんです。自分だけが見るものがTEDDYの音楽ではないし、淳太(川口淳太/Gt/Cho)とかクリス(Ba)とか、みっちゃん(高浦)が持ってきた曲を聴いたときに、僕が何を感じられるかっていうのは変わると思うんです。それは僕からは絶対に出てこないものだと思うので。歌詞を書くのはちょっと大変ですけど、面白かったですね。

-作曲に関して、みんなでセッションしながら作るやり方は変わってないですか?

長部:それは変わらないかな。

高浦:やり方は変わらなけど、バンドでメロディに肉付けをしていく作業も前みたいにポンポンやらないで、何回も見つめ直して時間をかけてやったなっていう実感はあります。今までは足して足してだったけど、今回は初めて引くことを意識しましたね。

長部:僕らは引き算が苦手だったんです。だけど、今回は中心核にメロディがあったので。それを埋めちゃわないで、その空間部分を残して周りを埋めていく作業になったので、今回はメロディが聴きやすいと思います。

高浦:メロディを残すために、尺の配分も自然になったんですよ。今まではA、B、サビ、A、B、サビって繰り返すことをしてこなかったけど、今回は最低でも3回はサビがくるようになってたりとか。王道かもしれないけど、それがいいのかなって。

長部:やっぱり王道っていいんだなと思いました。今まで王道じゃないことをやってたから、改めて。ただ、王道で終わらないようにしないと、みんなと一緒になっちゃうじゃないですか。それ以外のどこで周りと差をつけられるかっていうことですよね。