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INTERVIEW

Japanese

Helloes

2013年03月号掲載

Helloes

Member:米田 圭一郎 (Vo/Gt) 廣田幹治 (Gt) 斎藤雄太 (Dr) アポロン増田 (Ba)

Interviewer:沖 さやこ

2011年7月に結成、昨年10月にフル・アルバム『Helloes』でデビューした4人組ロック・バンドHelloesが、4曲入りシングル『ビデオテープ』を3月27日にリリースする。バンドが持っていたものを全て放出したような処女作から一転、今回のシングルにはHelloesの“これから”を予感させる堂々とした楽曲が4つ並んだ。4人が何度も口にした“明確”という言葉が、この作品のキーワードとなっていると言って良いだろう。

-デビュー・アルバムである前作『Helloes』に比べると、今回のシングル『ビデオテープ』はかなりのびのびとして開放感のある曲が揃っていると思いました。

米田:前作は初めてのレコーディングだったんで、分からないこととか疑問点が凄くあったんですよね。今回は1回レコーディングを経験したことで、具体的に曲を書くときから“どういうことをしたいのか”“どういうことを書きたいのか”っていう行程が見えたので、好きな音出せたかなって思ってます。

増田:僕は前作でディレクションみたいなことをやっていて、自分ではプレイしていないんですよね。前作は前作でそのとき最大限のものが出来たんですけど、ディレクションをしていると“次やるんだったらこうしたい”っていうのが見えていたんです。それで一緒にやることになって“じゃあ次はこうやろうぜ”って作りこみの段階から話し合いや打ち合わせも出来て。もうレコーディングになったらガツッと音出すだけだ、っていうある意味振り切った状況で臨めました。あんまり余計なことを考えずに、自分たちのやりたいまま音を鳴らしたので、そういうところが開放感とか、はっちゃけた感じに繋がったのかなと思います。

-前作はバンドから出せるもの全てを出し切ったような作品だったと思うんです。皆さんの音楽嗜好が如実に出ていたし、ゆえに散漫としていて……そういうところが若いバンドゆえの生々しさだと思いました。そういうアルバムを世に出すことで見えてきたことはありましたか?

米田:形にすることによって、自分たちがどういう奴なのかっていうのが分かってきて。今回のシングルを作ることで本当にバンドがどういうものなのか見えてきたんです。足りないところも凄く分かったし。もっといろんな人に届けたいっていう気持ちも強くなったんで、届きやすいメロディやアレンジを意識できるようになりましたね。今回は何もない状態から作ったので、曲が作れなくなってたんです。それくらい本当に悩んで悩んで悩んで……。でもその期間が俺にとってもバンドにとっても良かったんだと思うんですよね。そこで“Helloesでどう見せていきたいのか”っていう考え方や見え方が変わってきたんです。

廣田:アルバムでは出来なかったギターの音の作り方や出し方が今回のシングルでは出せました。今回は“そこまでいくか!?”ってくらい爆音で音を鳴らして、4曲目の「サテライト」のラストの部分はめちゃくちゃな音を出して。俺と米田のふたりのギターが重なってるんですけど、行き切った感じが出せて。曲作り中にはなかったアレンジをレコーディング中に盛り込んだり出来たのも、1stアルバム作ってレコーディングのやり方が分かってきたからなのかなって思いますね。

-この4曲は前作の楽曲を作った後にお作りになったんですね。

米田:そうですね。前作は結成して1年くらいで出来た曲を全部入れて、今回のシングルはからっぽのところから新しいものを作る作業だったんです。「ビデオテープ」は1番最後に出来た曲で。それまでは僕が家でパソコンで曲を苦しみながら作ってる感じだったんですけど(笑)、これはメロディから弾き語りで作ってみようと思って。そういうことはあんまりなかったんですよね。それでアレンジをみんなでやろうと。最初は“OASISみたいな感じでやろう”って言ってたんですけど……。

廣田:やったらOASISじゃなく、劣化版のイエモンみたいになって……(笑)。じゃあ“WEEZERっぽい感じでやってみよう”ってやったらパワー・コードでガンガンやっていく感じや、リズムもシンプルな感じでいくっていうのがハマって。そういう作り方は今までになかったですね。

増田:ある程度“こういうバンドみたいになったらかっこいいかもね”っていうテーマがあったりするじゃないですか。でも今回はそのバンドのまんまではなくて、Helloesっぽさが出てきたんですよね。だから今までのみんなならOASISっぽくやったときにOKしてたかもしれないけど、今回はHelloesとしてうまく処理出来なくてNGになって。いろいろ試していく中でサンプルとしてこういうバンドっぽくっていうのはあるんだけど“こういうやり方だったらそれを取り込んでHelloesとしてのサウンドに出来たね”って納得することがみんなにあったと思います。1stを出した後は“Helloesでしかないもの”をみんな作りたかったと思うし。それをどっちの方向性に行くんだ? どういう風にやりたいんだ? っていうのを見極めるためにも、アルバムでわちゃっと出すのではなく、明確なひとつのものを作りたいっていう気持ちがあって。だから今回はシングルで本当に良かったなって。

米田:シングルのほうが焦点が見えやすいっていうか。c/wもありますけど、1曲にフォーカスが当たるのでHelloesってどういうバンドかっていうのが考えやすかったです。 増田:核が4つ出来たっていう感じだよね。多分まだこの先も“これがHelloesだ”っていうものが出来るのは、まだしばらくはないと思うんです。でもヴィジョンはどんどん明確になってきてるのかな。だから4曲作り終わった後に“次の曲書きたい”って言ってたりして。そういうのはHelloesっていうバンドのイメージが湧いてきてるっていうことだと思うし。