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INTERVIEW

Japanese

Helloes

2013年03月号掲載

Helloes

Member:米田 圭一郎 (Vo/Gt) 廣田幹治 (Gt) 斎藤雄太 (Dr) アポロン増田 (Ba)

Interviewer:沖 さやこ


-斎藤さんは歌詞にはどういう印象をお持ちですか?

斎藤:……そうですね、頭いいなぁって。

一同:(笑)。

斎藤:彼の書く歌詞は凄くいい歌詞で、でも彼の意図を汲み取れないので“頭いいなぁ”くらいで終わっちゃうんですけど……。限りなく現実に近いけど現実じゃないような部分、透明さがあって。澄んでいるんだけど、どこか自分の内面を反映させてるんじゃないかなって。それは僕は日常的に感じることがないから、それを簡単に受け入れることが出来ないのかもしれない。今回歌詞が来て一読したときも“そっか”くらいで終わっちゃったんだけど、それが歌になったとき、言葉に血が通うんですよね。凄く綺麗な容器の中に、凄く綺麗なお茶が入りました、みたいな。魂が入ったような感じがしました。

-分かりやすい例えだと思います。ところで「ビデオテープ」を題材にした理由は何なのでしょうか?

廣田:デモを聴きながら考えてて……リリースが3月27日なんで卒業シーズンだし、そういうものを書いてみようかなって。でも卒業ソングだとベタすぎるし……って考えて。卒業して社会に出ると、そこで会わなくなる人もいっぱいいて、久々に会うと懐かしくなるじゃないですか。そこから“懐かしさ”にテーマが変換されてって。最初に「空想ゲーム」の歌詞を作って、残り3曲を一緒に作ったんですけど。「サテライト」と「エスケープ」の歌詞を書いた後に“寝ようかなぁ”って思ったときに“ビデオテープ”ってワードが浮かんできて。最近ビデオテープって使わないからこそ面白いかなと思って。で、それをタイトルにして書いてみようって。印象的な題材で歌詞が書けたと思います。

-今回は“君”と“僕”のように2人の間を歌ったものも多いですね。

廣田:昔はそういうのはHelloesに合わないのかなって思ってたんですけど、今回は意図的に使ったところはあるかもしれないですね。みんな曲や詞って投影したがるじゃないですか。そういうときに“君”と“僕”っていう明確な題材があると入り込みやすいかな、そこで良さを感じてもらえたらいいなって思って。シングルだし、分かりやすいものを作りたかったから登場人物の“2人”が出てきたんだと思います。

-バンドの状況や心情が全て重なって、ここでひとつしっかりとした土台が出来たんじゃないかなと思います。それだけ4曲それぞれが持ってるものが大きいのではないでしょうか。

米田:今回はゼロから作ったんで、1曲1曲見つめながら……本当に苦しんで作ったし。“シングル曲を作る”“これから俺らはどうする”っていうことを考えたらなかなか書けなくて。いつ暗闇から出られるか分からなかったんです。どういうレコーディングのスケジュールが組まれてるか僕は全然知らなかったんだけど、〆切を教えてもらってなかったんで。そしたら“本当はもうとっくに〆切過ぎてるんだよ”って言われて、やっべぇって「サテライト」と「ビデオテープ」が出来て。見えない何かと3ヶ月くらい戦えたんで、この流れが良かったと思います。今は曲を作りたい欲が凄く出てるんで、次のアルバムはHelloesをいろんな人に分かってもらえるような、普段ロックを聴かないような人たちにも届く俺たちのロックを作りたいです。

廣田:ロックは作るけど、ロックと関係ないところに届いてほしいですね。

-頼もしいです。リリースの2日後、3月29日には初ワンマンであるレコ発ライヴが渋谷CHELSEA HOTELで開催され、そこから皮切りにツアーにも出られるということで。

米田:増田さんが入ってからの集大成をそこでバツッと出していきたいですね。俺らにとっても記念日だけど、来てくれる人にとっても特別な日になるように……いいライヴしたいね。

廣田:あるがまま、なすがまま、頑張ります。

斎藤:ボクサーで言うならアルバムでランニングしてて、シングルでやっと試合に出れるようになりました、っていう感じで。アルバムとシングル、世界観の全然違うものをひとつのライヴの中に閉じ込めたときに、カラフルなライヴが出来ればいいなと思ってます。

増田:今回のシングルが土台で、またこれから展開して、より明確なHelloesのロックを作りたいっていう気持ちがあって。ひょっとしたら1番面白いタイミングのライヴなのかなって思ってます。自分らとしてもここでひとつ新しく見えてくるものがあって、その後のツアーで更にそれを固めていくこともあると思うし、全力を出して、見に来てくれる人にも“あ、こいつらヤバくなりそうだな”みたいな“先”を感じてもらえるライヴにしたいです。その新しいものを見れる瞬間をお客さんにも是非一緒に体験してもらいたいなと思っています。