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INTERVIEW

Overseas

Sofia Talvik

2010年12月号掲載

Sofia Talvik

Interviewer:島根 希実

本インタビューのタイトルにもしている彼女の言葉“ようやく靴が足にぴったり合った”ということ。それは、“フロリダ”という鮮やかなワンピースに袖を通してみたからこそ、母国から受け継いだもの、その“足元”がより活き活きと輝き出したということなのかもしれない。スウェーデン出身のアーティストSofia Talvikが、日本デビュー作となる本作で描いたのは、北欧とは対称的な温暖の地“フロリダ”。しかし、彼女自身「音楽で二つの異なる場所を一体にしたかった。」と話しているように、アメリカ南部のあたたかな気候とゆったりとした時間の流れる中にも、北欧の血もしっかりと息づいていることが印象的な作品でもある。果たして、異なる風土が混ざり合ったこの音楽はどのようにして生まれたのか…?

-はじめまして。日本のWEB・フリーマガジンのSkream!といいます。宜しくお願いします。初登場ということで、まずは自己紹介からお願いします。

はじめまして!私はSofia Talvik。スウェーデン出身のシンガー・ソング・ライターよ。全ての曲を自分で作って、ギターとピアノを弾くの。数年前に自身のレーベルMAKAKI MUSIC(マカキ・ミュージック)を始めたの。自分の音楽を一つのジャンルに入れるのは難しいけれど、アメリカのスパイスが少し効いたフォーク・ポップってところかしら。Joni Mitchell等のアーティストと比較されることがあるけれど、いつも独特でいたいと思っているわ。

-本作で日本デビューとなりますね。その感想をお聞かせください。

すごく楽しみ。アーティスト、特にスウェーデンのアーティストにとって、日本って約束された地みたいなところが少しあるの。日本で成功したスウェーデンのアーティストは沢山いるからね。私は、ただ単にすごく楽しみにしていて、いつか日本でライヴが出来ればって思ってるの。

-タイトルの通り、本作のキーワードとして「アメリカ南部」という言葉が挙げられるかと思います。あなた自身、フロリダのオーランドに数ヶ月間住んでいたとお聞きしました。南部というと、奴隷制度、南北戦争の名残りがあったり、地域によっては文化的・歴史的な遺産が残っていたり…。これらの要素が、習慣・文学・料理・音楽などが独自の発展を遂げたことにとても強く影響していますが、そういった点を、オーランドでの生活の中で実感することはありましたか?また、ここでの生活は、あなたの音楽や精神には、どのような影響を与えたのでしょうか。

そう、アメリカ南部は濃い歴史を持っているわ。遊園地が占めるオーランドではそれを感じる事があまり無いけれど、空気中に漂っているのは確かよ。天気と風景が大好きだったわ。フロリダ内を少し旅行したのだけれど、野生生物の住処サニベルなど本当に素晴らしい場所が沢山あるの。ニューオーリンズなどの他の場所も旅行してみたいわ。

-“Florida”…。とてもストレートなタイトルですね。この言葉をタイトルに冠した理由をお聞かせください。

タイトルは実はアルバム・ジャケットから取ったの。ゲーター・ランド(ワニがテーマの遊園地)に行った時に、私とワニのジャケットが浮かんで写真を撮ったわ。アルバムの中に「Florida」という曲があって、その名前がジャケットにぴったりだと思ったの。それに、フロリダ州がこのアルバム全曲、そして製作のキーワードだしね。

-先の質問でも述べた南部の音楽の特徴、それは歴史が文化に、さらに文化が音楽にまでも深く影響し、その土地独自の発達を遂げていったという、まさに音楽が生活に深くまで染み込んでいるということでした。そして、本作の、力を抜きリラックスして聴ける心地良さは、まさにそういうことなのかもしれないと思いました。しかし、それと同時に所謂北欧音楽にあるような、現実感の薄い浮遊感に包まれる瞬間もありました。すぐ隣で鳴っているような親しみある距離か、高貴な美しさか。ご本人としては、あえて言うならばどちらを意図されていましたか。どちらの音を意識して作られたのでしょうか。

あなたの言う通り、両方だわ!音楽で二つの異なる場所を一体にしたかったの。私には、北欧の血が流れているけれど、フロリダにも私を作る色々な要素を感じた。それが、このアルバムを面白くしていると思うわ。