FEATURE
sleepy.ab「二度寝する奴ぁ三度寝る」【第10回】
2012年11月号掲載
唐突だが剣の道を極めるというストイックな言葉が強く心を締め付けた。
古き良き男のロマンとでもいうべきか。あの痛みを知るまでは、、。
と、なぜこんな話をするのかというと秋だから。スポーツの秋。だから。。
あと山内の話は奴めの人気が上がるだけで癪なので少し自粛中なのです。
なのでまた得意の回想シリーズ。話は中学校に戻る。
もともと小学校の頃から部活などに入っていなかったため中学生で初めて部活というものに入る。(小学校時は百人一首倶楽部所属)その中学校では原則的に適切な理由がない場合みんな部活に所属しないといけないとされていた。
たくさんある部活の中から選ばなくてはいけなかった。普通まずは選択肢の中に大抵一番最初に出てくるのが野球やサッカーやバスケなどだと思うのだけど。
この花形三大部活は最初から却下だった。なぜなら先輩が怖そうだからだ。。
もれなく同級生も怖いときた。。まあそれは冗談としてエリートばっかりが集まりそうな気配がしていた。この場合のエリートというのは小、中学生の時のもてるとか、もてないというものは足が速いということなどがとても密接な関係があって、そういう類いのスキルを持っているという意味でのエリートという表現だ。
その中では自分みたいな人間は生き残れないという事が容易に想像できた。
だって給食のしいたけが食べられなくて五時間目いや掃除の時間までねばったあげく結局食べられずに最後には泣き落としという小学校生活を送り(9月号参照)、通知表には来年は涙くんにサヨナラしようねと書かれていた自分にそんなだいそれたものは務まらない事は明白。たぶん夏あたりには辞めたいと弱音を吐くであろう、そして同じ部活の生徒や顧問の先生が家まで来たりして親なんかも交えてこれからの人生に例えたような大掛かりな説得されたりなんかして結局なんとなく続けてしまうという面倒な流れになる気が最早してしまったのです。
とごちゃごちゃ言ってますが、なんだかんだで剣道部に入ることになりました。
というのも担任が剣道部の顧問だったこともあるし、友達が剣道部に入ると言ってるし自分も他にやりたい事がなかったし、あと最大の決め手になったのが、先輩が怖くなかったことかな。。恰幅のいい優しそうなお地蔵さんみたいな先輩が一人という立地条件。いやいやこの方、実はもの凄い剣豪でした。普通は面を打つ時にめーん!と叫ぶじゃない、けど先輩はもーん!と言ってたくらい。なんなら(も)に濁点が付いてる感じね。まあいいや、で友達5人で入部。この5人はその時初めて剣道を始めたので同じスタートということもあり、お互いに負けられないという強い気持ちもあってかどんどん吸収していった。まずは素振りから。ここでまず一歩リードしたのは自分だった。顧問から『成山の素振りいいな、特に左右素振りは美しい』と絶賛された。それに気を良くして中学三年間ずっと左右素振りをした。
ある程度の基本を学んだ後に防具をもらい実戦に進んでいく。
ここで早くも躓く。小手が痛い、なんなら面も痛い。細かく言うと面の頭の天辺のとこ叩かれるとコーンってなって星が出たみたいに痛い。もうとんでもなく痛い。防具が痛みを防いでくれない。。どういうこと?痛みには人一倍弱いという事を自負する自分にとっては何たる仕打ち。しかもまだ夏にもなってないし。
顧問はこの痛みにはすぐ慣れるの一点張り。その辺りから一気にトーンダウンしたのかどんどん他の部員に追い越されていく。違う!こんなはずじゃない!左右素振りは当代随一の美しさなんだぞ(そこまでは言われてない)と心に言い聞かせ痛みに耐えてよくがんばってみてはみるものの、小手を打たれたくないという一心に終始してしまうのです。もはや剣道=小手を守る競技なのです。一緒に入った友達の笹川君は少し体格がよろしかったのですが、彼の小手は全体重が手首に伝わるのです。もうね無理だよね。慣れるって言ったって叩くから痣(あざ)になるでしょ(痔じゃないよ)その痣を繰り返す繰り返し毎日叩かれてみなさい、ずっと痣なの。(だから痔じゃないって)痣が治らないからずっと痛いの。
しかも夏休み、冬休みもほとんど休みがなく250日は鍛錬の日々。
それを三年間続けられた事は今でもすごく励みになっているなと感じる。
けどずっと痛かったね。(まだ言うか)
それでも最初の公式戦の新人戦は今でも思い出す。団体戦の次鋒だった俺は試合が始まるなり自分の袴の裾を踏んで派手に後ろに転んで頭打って棄権した。嘘みたいな話だ。これは今までずっと心の奥底に大切に隠していたんだけれどここに記そう。そしてみなさん驚く事なかれ。ついでにここで衝撃的な事実をもう一つここに記しておこう。三年間びっちり練習したっていってたじゃない?250日×3ね。そんだけやってさ俺さ、、“一試合もさ勝てなかったさ”。一試合として。伝説だね。無勝の剣士ってね。だって左右素振りばっかりしてたんだからしょうがない。(当代随一)褒められた所だけ延びたんだな、、きっと。せつなくなったでしょ?どうするよこの変な空気。けど俺のために言っとくけど運動神経はけっして悪くない。
この後、アスリートとして開花する時が来るんだけどそれは別の機会に。
結局何が言いたかったのかというと“小手は痛いよ”ということ。
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