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LIVE REPORT

Japanese

Dannie May

Skream! マガジン 2021年04月号掲載

YONA YONA WEEKENDERS

Official Site

2021.03.18 @渋谷TSUTAYA O-nest

Reported by 稲垣 遥 Photo by 斉藤チホ

マサ(Vo/Gt)、田中タリラ(Vo/Key)、Yuno(Cho/Kantoku)による3ピース Dannie Mayが、結成2周年記念日に渋谷TSUTAYA O-nestで初主催ツーマン・ライヴを行った。2019年に活動をスタートし、初めてのCD作品『暴食』と、その表題曲のミュージック・ビデオでその名を早耳リスナーに届けた彼ら。だが、その後間もなくコロナ禍に突入したことで、ライヴ活動は中断。その間楽曲制作に徹してきたわけだが、ゆえにその聞き慣れない"コーラス系バンド"というキャッチコピーや、特殊なパート編成から、実際どんなライヴをするのだろう? と想像と期待をする気持ちをくすぐられていた。

この日のゲストはYONA YONA WEEKENDERS。磯野くん(Vo/Gt)いわく、マサは、1年前にこのO-nestでYONA YONA WEEKENDERSの出演するライヴを観に来ていて、そこで初めてふたりは出会ったらしい。そんなDannie Mayの周年を祝し、思わず一緒に歌いたくなる「東京ミッドナイトクルージングクラブ」、セクシー且つユーモラスな「R.M.T.T」などで観客の身体を揺らした。"2021年はこの曲を引っ提げていく"と披露した新曲が、珍しく泥臭いサウンドだったのもいいフックになった。

フロアが温まったなか、ステージには唐突にDannie Mayの3人がサポート・ドラマー 成瀬太智と共に登場。間髪入れず、「針よ墜とせぬ、暮夜の息」をスタートするサプライズ的な幕開けに。そして、バンドが初めて作った1曲「今夜、月のうらがわで」へ。結成当初"神南系"と名乗っていた彼ららしい、都会の真ん中から少しだけ外れた街を散歩するような軽やかなシティ・ポップ。マサ、タリラがそれぞれギター、キーボードを演奏しながら歌い、Yunoが同期やサンプラーを操りつつコーラスで彩っていくスタイルのようだ。"朝までパーティーだ"の浮遊感あるコーラスに合わせてミラーボールも回り、心を躍らせていると、曲の途中でYONA YONA WEEKENDERSの「誰もいないsea」を挟む粋な演出が。会場の全員を惹きつけ、ツーマンならではの楽しさを生み出した。

"みんな、おかえりなさい!"と1年越しのO-nest公演に集まった観客をマサが改めて歓迎。タリラも"今日は俺ら対全員、じゃなくて、俺らがひとりひとりに届けるので、よろしくお願いします"と意気込みを伝えた。
続く初披露となる新曲「メロディが浮かばなくても」では、タリラがキーボードを弾きながらリード・ヴォーカルをとり、マサ、Yunoのコーラスがゴスペルのようにグルーヴィに彩る。マサのヴォーカリゼーションがメリハリをつけて切れ味鋭く明瞭に届くのに対して、タリラは軽やかでまっすぐに、そして時に甘く耳を包み込むような印象で、その声色の変化も楽しい。
マサがアコギに持ち替え、タリラによる繊細なキーボードのインタールードから、「バブ28」へ。ゆったりと気持ち良く揺れられる美しいミドル・テンポだが、そこに素朴な温かさを加える、Yunoがサンプラーで鳴らすマリンバのような音がまたいい。さらに彼の低音コーラスも広がりや深みを加えている。

終盤、"ここから盛り上がっていけますか!"とマサが煽り荒々しく披露した「灰々」ではぐっとスピードを上げ、フロアもヒートアップ。そのまま「暴食」を続けて投下するとオーディエンスからは多くの手が上がり、ブラスの迫力も相まって狂騒的な盛り上がりを生み出す。そして、そこからの「ユートピア」が白眉だった。ロック・チューンを畳み掛けるかと思いきや、持ち曲の中でもとびっきりのポップなナンバーをここで奏で、マサがハンドマイクで歌いながらステージを動き回る。先ほどのいい意味で生意気な佇まいから一転、人懐っこい笑顔と安定したハイトーン・ヴォーカルで魅了。巻き起こる手拍子に曲中で"ありがとう! ヤバいね!"と思わずこぼしたほどの盛り上がりだった。

ラストのMCでは、マサが"みなさん、音楽に救われたことはありますか?"と観客に語り掛けた。まだマサが地元で活動している頃、尊敬する竹原ピストルのステージで前座をしたときに、上京目前だったマサのために竹原が楽曲「東京一年生」を歌い、それを聴いてボロボロ泣いてしまったという。"Dannie May組んで、2年でこんな来てくれてありがとうございます。めちゃめちゃいい曲できとんよ。ハードル上げちゃってるけど、それ越えていくから"と結成当初のライヴから大切にしている「御蘇-Gosu-」を鳴らした。バンドのチームからひとりが抜けることになったのを受けてタリラが書いたこの曲。目を輝かせながらひとりひとりの目を見て歌うマサの気迫もあったのかもしれないが、特にリリックに魂が乗っているように思う。"安定のレールに乗っかってしまうな"――世の中に訴えるようにも、バンド自身を鼓舞するようにも聞こえたこの一節が印象的で、最後にそんな人間臭さや熱さを見せて観る者の心を掴んだ彼らに、フロアからは大きな拍手が贈られた。
"まだ夢の序盤"。「御蘇-Gosu-」の歌詞にはこんな言葉もあったが、この先よりスケールを増したステージで魅せてくれるんじゃないか。いや、観たい。そう強く思わずにはいられないくらいのインパクトを残していった。


[Setlist]
■YONA YONA WEEKENDERS
1. 唄が歩く時
2. 誰もいないsea
3. 遊泳
4. 東京ミッドナイトクルージングクラブ
5. R.M.T.T
6. 新曲
7. 君とdrive
8. SUNRISE

■Dannie May
1. 針よ墜とせぬ、暮夜の息
2. 今夜、月のうらがわで
3. メロディが浮かばなくても
4. この曲が人生最後の僕の代表曲だったら
5. バブ28
6. 灰々
7. 暴食
8. ユートピア
9. 御蘇-Gosu-

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