Japanese
Dannie May
Skream! マガジン 2022年04月号掲載
2022.03.18 @渋谷CLUB QUATTRO
Writer 稲垣 遥 Photo by 小澤彩聖
Yuno(Cho/Kantoku)がライヴ後に公開したnoteによると、ライヴ・タイトル"Period"は、バンドのことで悶々と悩んでいた自分に対し"以上!これで終わり!"と決別、反抗の意味で付けたものだという。だけど、"Period"は"文句は言わせない"という意味のスラングでもある。今回の公演は、終わってみればそんな意味も加わっていたように思えるライヴになった。
外では久しぶりの冷たい豪雨が降るなか、ソールド・アウトの渋谷CLUB QUATTROで開催された、Dannie Mayの3周年記念ワンマン[3rd Anniversary "Period!"]。バンドとしても久々のライヴであり、直前にリリースした新曲「黄ノ歌」も好調で、会場の期待感も高まっていた。開演時間になり、暗転すると"Happy Birthday to You~♪"と温かなコーラス調での「Dannie May版バースデーソング」が流れ、Yuno、マサ(Vo/Gt)、田中タリラ(Vo/Key)が笑顔で登場。バースデー・ソングの終了とともにふっと一度あかりが落ちると、優しく3人のコーラスを響かせる「バブ28」から幕を開けた。
"渋谷クアトロこんばんは! 今日はよろしく!"とマサが威勢良く挨拶。柔らかなムードから一転、アグレッシヴなロック・ナンバー「灰々」へ繋ぐ。フロアの感度も良好で、この曲の振れ幅を全力で楽しんでいる様子だ。マサが"調子どうだー!?"と前のめりに呼び掛けたり、Yunoが舌を出して観客を指さしたりする挑発的な立ち振る舞いもハマり、多くの手が上がる。そしてタリラの妖しげなキーボードのインタールードから「暴食」へ突入し、さらに退廃的でセクシーな空気を醸し出していく。曲が終わるごとに大きさを増す拍手の音から、オーディエンスの興奮が伝わった。
"多くね?"(タリラ)、"多いよ!"(マサ)とバンド初となるクアトロのステージから見た観客の数に、テンションが上がっている様子を見せつつ、Yunoが改めてバンドの3周年に触れ、Dannie Mayの楽曲の中でも特にストレートなポップ・ソング「簡単なことが言えなくなるのは」を演奏した。大切な間柄だからこそできなくなることもあるけれど、一歩踏み出すことで変われるという、優しくリスナーの背中を押す温かなナンバーだが、ここではバンドの絆の歌のようにも響く。そこからはタリラ作詞/作曲「ナイサイシンシャ」で幻想的に、リリック通りパラレル・ワールドのような不思議な世界へ会場を塗り替えたり、Yunoが作詞した新曲「白ノ歌」も披露したりと、ワンマンならではの選曲でさらに多彩に魅せていった。ここで突如YunoのPCに異常が発生すると、マサがアコギに持ち替え、松田聖子の「SWEET MEMORIES」、中島みゆき「糸」、その場で誕生した奇跡の名(迷)曲(ライヴ後急遽YouTubeに公開された)をタリラと即興で披露。不測の事態にも笑顔で、あまりにも自然に(その裏にはなんとしても、意地でも乗り切るという想いがあったのかもしれないが)、観客を楽しませる手腕を見せたのは見事だった。
まさにライヴ感満載のこの時間のおかげで空気がぐっとほどけ、会場により一体感が生まれたなかで、マサのアコギとサポート・ドラマー 成瀬太智のグロッケンをバックに、3人で歌った「異郷の地に咲かせる花は」。夢を描き始めた頃の純粋な想いを特別なバージョンで届けたのは、3周年というこの日にバンドに込めた気持ちの表れか。その後、低音と怒濤のドラミングの迫力でアゲる「if you イフユー」、その後奏からあの印象的なイントロへマッシュアップし、Yunoのピストルを撃つモーションを合図に「適切でいたい」、さらに新曲「黄ノ歌」と畳み掛ける。キメが多いこのトラックだが、バンドの演奏も、黄色くステージを照らす照明も各パートでバチッと決まり、音源以上にタリラのキーボードが強く届いて彩り豊かにしていたのも好印象。そして何より3人が、ワンマンを心から楽しんでいるのが伝わる表情を光らせていたのが目に焼きついている。そのあと、マサのギター・リフから「ええじゃないか」へ。タリラも前に出て踊りながら観客を煽り、熱気は最高潮に。フロアは拳で埋め尽くされた。
ここでマサが、広島から上京して1年目の専門学生時代に行われたオーディションで、渋谷クアトロに弾き語りで立ったことがあると話した。学内での成績が優秀だった彼は自信に満ちて臨んだものの、200人いた審査員の中の3票しか入らず、それをきっかけに弾き語りでの活動を諦めたという。そこから紆余曲折あり、やりたいことをやろうとタリラとYunoを誘い、ふたりとこの場所に戻ってこれたと語り、"3~4年前の俺に打ち勝つためアコギでやります"と本編ラストを「ユウヤケ」で締めくくった。"あの日が/恋しくはないのさ/ぼくはゆくよあの空の方"と歌う声はいっそうパワフルに響き、美しいピアノの音色で幕を閉じた。
アンコールの拍手を受け、この日にぴったりの、仲間との時間を祝す歌「メロディが浮かばなくても」、飛びっきり爽やかな「ユートピア」をお見舞い。マサがギターを弾きながらふたりの顔を見て笑ったり、タリラのキーボードのところへ寄っていったり、普段は飄々としたタリラが珍しく"みんな大好きだぜ!"とまっすぐに言い放つなど、幸福感に満ち満ちるなか、さらにニューEP『五行』のリリースと心斎橋JANUSでの大阪初ワンマン、次回の東京ワンマンのLIQUIDROOM ebisu公演も発表。最後の最後には「御蘇 -Gosu-」を披露し、2時間のライヴ終盤でも盤石のファルセットで"安定のレールに乗っかってしまうな"と力強く挑戦の姿勢を示す。"本当にありがとう"と何度も礼を言い、深く長いお辞儀をしてステージを去っていく3人からは、この上ない充実感が滲み出ていた。
[Setlist]
1. バブ28
2. 灰々
3. 暴食
4. 簡単なことが言えなくなるのは
5. 針よ墜とせぬ、暮夜の息
6. ナイサイシンシャ
7. 白ノ歌
8. SWEET MEMORIES(松田聖子cover)
9. 糸(中島みゆきcover)
10. どうしよう機材トラブル♪(即興オリジナル・ソング)11. 一生あなたと生きていくなら
12. 暴食(Beat Ver.)
13. 異郷の地に咲かせる花は
14. if you イフユー
15. 適切でいたい
16. 黄ノ歌
17. ええじゃないか
18. ユウヤケ
En1. メロディが浮かばなくても
En2. ユートピア
En3. 御蘇 -Gosu-
- 1
LIVE INFO
- 2025.01.21
-
片平里菜
終活クラブ
Homecomings
WurtS
SUPER BEAVER
PEDRO
- 2025.01.22
-
ASIAN DUB FOUNDATION
WurtS
ずっと真夜中でいいのに。
シノダ(ヒトリエ)
SVEN(fox capture plan)
go!go!vanillas × NEE
RAY
アイナ・ジ・エンド
BRADIO
米津玄師
- 2025.01.23
-
終活クラブ
ずっと真夜中でいいのに。
a flood of circle
小山田壮平 / kanekoayano
ヤバイTシャツ屋さん
ASIAN DUB FOUNDATION
米津玄師
暴動クラブ / 板歯目 / M.J.Q(山本久土+クハラカズユキ)
- 2025.01.24
-
片平里菜
東京初期衝動
ザ・シスターズハイ
終活クラブ
Homecomings
夜の本気ダンス
ego apartment
LEGO BIG MORL
神聖かまってちゃん
かりんちょ落書き
ハシリコミーズ
MONO NO AWARE
くるり
Ivy to Fraudulent Game
THE YELLOW MONKEY
RAY
Wez Atlas
- 2025.01.25
-
片平里菜
ブランデー戦記
女王蜂
BLUE ENCOUNT / UNISON SQUARE GARDEN / ヤバイTシャツ屋さん / フレデリック ほか
Helsinki Lambda Club
SpecialThanks
ストレイテナー
上白石萌音
the paddles
bokula.
HY
SCOOBIE DO
Umisaya
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
Dear Chambers
sajou no hana
Aimer
あいみょん
め組
IDLES
かすみん(おこさまぷれ〜と。)
神聖かまってちゃん
Czecho No Republic
GOOD BYE APRIL
フラワーカンパニーズ
パピプペポは難しい
Rhythmic Toy World
眉村ちあき
Mega Shinnosuke
サカナクション
Hedigan's
kobore
tacica
9mm Parabellum Bullet
Cloudy
- 2025.01.26
-
マリンブルーデージー
ASP × ExWHYZ
[Alexandros] / キタニタツヤ / マカロニえんぴつ / Creepy Nuts / ヤングスキニー ほか
Helsinki Lambda Club
THE BACK HORN
SpecialThanks
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
the paddles
ストレイテナー
HY
上白石萌音
SCOOBIE DO
SILENT SIREN
夜の本気ダンス
東京初期衝動
Homecomings
アイナ・ジ・エンド
Dear Chambers
Mega Shinnosuke
崎山蒼志
Bye-Bye-Handの方程式
CYNHN
Aimer
あいみょん
I Don't Like Mondays.
フラワーカンパニーズ
tacica
琴音
Lucky Kilimanjaro
ADAM at
LEGO BIG MORL
篠塚将行(それでも世界が続くなら)
サカナクション
阿部真央
Bubble Baby
- 2025.01.28
-
マリンブルーデージー / かたこと
the HIATUS
WurtS
米津玄師
SUPER BEAVER
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
the quiet room / Maki
安藤裕子
- 2025.01.29
-
THE ORAL CIGARETTES
the HIATUS
Saucy Dog
米津玄師
Hakubi
君島大空
Appare!
Helsinki Lambda Club
ポルカドットスティングレイ
ネクライトーキー
- 2025.01.31
-
ビレッジマンズストア
神聖かまってちゃん
LEGO BIG MORL
UNISON SQUARE GARDEN
KNOCK OUT MONKEY
Wez Atlas
くるり
ザ・ダービーズ
インナージャーニー / 板歯目 / Apes ほか
ヤユヨ
WANIMA × MONGOL800
TYCHO
Aooo
AYANE
9mm Parabellum Bullet
小林私 / Redhair Rosy / INF ほか
Halujio
the telephones
Bye-Bye-Handの方程式
- 2025.02.01
-
あいみょん
Hedigan's
ストレイテナー
ASP × GANG PARADE
夜の本気ダンス
I Don't Like Mondays.
ブランデー戦記
女王蜂
WONK
WurtS
the telephones
bokula.
GOOD BYE APRIL
SILENT SIREN
"でらロックフェスティバル 2025"
ADAM at
片平里菜
wacci
kobore
sajou no hana
CYNHN
OKAMOTO'S
Kroi
Aimer
"BAYCAMP 202502"
清 竜人 / 清 竜人25
9mm Parabellum Bullet
- 2025.02.02
-
あいみょん
四星球
bokula.
ExWHYZ × KiSS KiSS
LEGO BIG MORL
Laura day romance / XIIX / レトロリロン
I Don't Like Mondays.
Keishi Tanaka
ブランデー戦記
Panorama Panama Town
ラックライフ
"でらロックフェスティバル 2025"
CYNHN
ひめかのん(おこさまぷれ~と。)
片平里菜
ANABANTFULLS
DIALOGUE+
怒髪天
崎山蒼志
上白石萌音
浪漫革命
- 2025.02.03
-
マカロニえんぴつ
- 2025.02.05
-
マルシィ
ザ・シスターズハイ
the HIATUS
サカナクション
くるり
WurtS
"Road To 革命ロジック2025"
RELEASE INFO
- 2025.01.22
- 2025.01.24
- 2025.01.25
- 2025.01.28
- 2025.01.29
- 2025.01.31
- 2025.02.01
- 2025.02.05
- 2025.02.07
- 2025.02.10
- 2025.02.12
- 2025.02.19
- 2025.02.26
- 2025.02.28
- 2025.03.01
- 2025.03.05
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
ヒトリエ
Skream! 2025年01月号