Japanese
ピロカルピン
Skream! マガジン 2015年08月号掲載
2015.07.10 @渋谷CLUB QUATTRO
Writer 沖 さやこ
ピロカルピンが自主レーベル"miracle oasis music"を立ち上げ、初作品となるフル・アルバム『a new philosophy』。それを引っ提げて開催された全国ツアーは、バンド史上最大規模のものとなった。特典としてアルバム収録全曲のハイレゾ音源(96khz/24bit)をダウンロードできるDLカードを封入するという業界初の試みも行うなど、ピロカルピンは自分たちの音楽を自分たちのポリシーのもと最高の状態で届けることに妥協を許さなかった。3人が自主で動くことで、そんな3人の気持ちがより伝わったのが『a new philosophy』という作品であり、この"見たことないフィロソフィーツアー"だったと思う。常にあたたかい空気が流れていて、バンドがリスナーとしっかり信頼関係を結んでいることを肌で感じた。
ライヴは「箱庭の世界」でスタート。松木智恵子(Vo/Gt)の高音も、驚くほどに綺麗に突き抜け、軽やかにステップを踏みながらギターを奏でる岡田慎二郎の音色も、楽曲の奥行きやムードを強弱と音で作る荒内 塁のドラムスも、1音1音に説得力と清涼感がある。それはロック=激しいという近年の一般的なイメージとは少々異なるものであるが、これがピロカルピンのアイデンティティであり、松木の書いた楽曲を活かす最上級の方法でもある。バンド・サウンドの持つスケールと優しさを凝縮し抽出させた音像が、たちまち会場を包んだ。アップテンポの「存在証明」ではキレのあるバッキング・ギターと煌びやかなリード・ギター、安定感のあるドラムで魅せ、「ワンダーワールド」は3人のコーラスも華やか。サウンドの浮遊感が夢見心地を誘い、カラフルな照明も音をさらに引き立てる。
そんな心地よさに浸っていると、松木の"ミステリー・ツアーに出発します"という言葉からの「ミステリーツアー」で、世界観はディープに。薄暗くなったステージに海風の音とかもめの鳴き声の効果音が流れると、そこに岡田がアコースティック・ギターを重ね、松木とふたりで「波の音」披露する。そのあとの「夢から醒めた夢」は、青い照明の影響もあり、フロアがピロカルピンの作る音の海の中に漂っているような感覚だった。夢なのか現実なのか曖昧な、淡くてソフトだが力強さもある世界が広がっていく。歌詞で描かれた世界を、そのまま音にしているようだ。フロアも陶酔するようにステージに想いを寄せる。
MCでは12ヶ所を回った全国ツアーの話に花を咲かせる。荒内の地元である青森でライヴができたこと、初めての場所にも行けたことなどを充実した表情で語る松木の姿も印象的だった。荒内のドラムが楽曲の持つドラマ性を底上げする「夏の大三革命」、アッパーな「黒い雨傘」の流れは、夢から現実に目覚めるような、はたまた現実を夢に染めていくようなパワーや光が爽快で、胸が華やいだ。続いて「BE FREE」「シャルル・ゴッホの星降る夜」と丁寧な演奏で聴き手の耳と心を引きつける。"もっと楽しみたいぞ! 新しい世界に一緒に行きましょう"という松木のMCから演奏された「南十字星」ではフロアからシンガロングも起こり、場内は幸福感で包まれた。続いての「青い月」の歌詞の一節である"ありえないことなんてなくなる世界"という言葉を、彼女はずっと信じていると思う。だから堂々とまっすぐ彼女はステージで歌を歌えるのだと思うし、バンドも自分たちが信じる道を突き進むことができるのだろう。その姿は我々リスナーに勇気を与えてくれる。
アンコールでは岡田が自主レーベルの立ち上げや活動について語った。特に印象に残ったのは"自由になるということは守られたところから外に出るということ""ダメージを受け取ることもあり、自由の重みを経験した"という言葉。「BE FREE」という曲も『a new philosophy』のジャケットも、鳥かごから飛び出した鳥という、ピロカルピンというバンドと重なる部分があった。その"自由"の中で『a new philosophy』という作品を作り、世に出したことはバンドにとって非常に障害も多い中での一歩だったと思う。だがそれを乗り越えたバンドは以前よりも逞しく見える。作品をリリースすることはアーティストにとってとても大きなことなのだと噛みしめた。松木が"前にQUATTROでライヴをしたときはワンマンなのにアウェイという気がして。でも今日はみんな味方という感じがする"と言っていたが、それはバンドが音楽に向き合う姿勢がちゃんとリスナーに伝わっているという証明だったと思う。ラストの「虹の彼方」の祝祭感が、陽だまりのようにあたたかく、眩しかった。
- 1
LIVE INFO
- 2025.02.22
-
ビレッジマンズストア
おいしくるメロンパン
四星球
kobore
Vaundy
リアクション ザ ブッタ
OKAMOTO'S
ラックライフ
SILENT SIREN
osage
くるり
WtB
大原櫻子
MYTH & ROID
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
映秀。
THE BACK HORN
tacica
Aimer
MAN WITH A MISSION
ザ・ダービーズ
"ブクロック!フェスティバル2025"
4s4ki
go!go!vanillas
Appare!
さとうもか
THREE1989
eastern youth
片平里菜
DENIMS / 大黒摩季 / Ryu Matsuyama(O.A.)ほか
藍坊主
Czecho No Republic / YONA YONA WEEKENDERS / CHIANZ ほか
LEGO BIG MORL
wacci
アーバンギャルド
9mm Parabellum Bullet
- 2025.02.23
-
リアクション ザ ブッタ
Vaundy
ビレッジマンズストア
OKAMOTO'S
THE YELLOW MONKEY
Hedigan's
RAY×BELLRING少女ハート
w.o.d.
SCOOBIE DO
AIRFLIP
WtB
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
DIALOGUE+
moon drop
BIGMAMA
Czecho No Republic
GREEN DAY
tacica
Appare!
⾬模様のソラリス
阿部真央 / wacci / アルカラ ほか
コレサワ
片平里菜
- 2025.02.24
-
4s4ki
OKAMOTO'S
アイナ・ジ・エンド
ラックライフ
くるり
w.o.d.
SCOOBIE DO
Panorama Panama Town
女王蜂
moon drop
THE BACK HORN
kobore
WANIMA × MONGOL800
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
東京初期衝動
go!go!vanillas
Appare!
ZEDD
大原櫻子
SAKANAMON / 藍坊主 / SPRINGMAN / omeme tenten
KiSS KiSS × 豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOL
SpecialThanks
フレデリック
"ブクロック!フェスティバル2025"
Nothing's Carved In Stone
indigo la End
tricot
- 2025.02.25
-
NEW ORDER
This is LAST / the shes gone / reGretGirl
THE ORAL CIGARETTES
GREEN DAY
サカナクション
秀吉
the paddles
- 2025.02.26
-
ZEDD
This is LAST / the shes gone / reGretGirl
UNISON SQUARE GARDEN
anewhite / 3markets[ ] / ガラクタ
TOOBOE × Chevon
ザ・シスターズハイ
GREEN DAY
米津玄師
サカナクション
- 2025.02.27
-
WANIMA × MONGOL800
片平里菜
マカロニえんぴつ
ザ・ダービーズ / THE NOiSE
UNISON SQUARE GARDEN
NOT WONK
SILENT SIREN
NEW ORDER
米津玄師
- 2025.02.28
-
miwa
WANIMA × MONGOL800
打首獄門同好会
FUNKIST
マカロニえんぴつ
GLIM SPANKY
そこに鳴る
ANABANTFULLS
ラックライフ
女王蜂
オレンジスパイニクラブ
Dear Chambers
礼賛
RAY
カズミナナ / Lay / sEina / 栞寧
- 2025.03.01
-
ストレイテナー
サカナクション
Vaundy
moon drop
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
片平里菜
THE BACK HORN
Czecho No Republic
4s4ki
FUNKIST
リアクション ザ ブッタ
tacica
miwa
藍坊主
TENDOUJI
This is LAST
バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI
w.o.d.
さとうもか
MAN WITH A MISSION
ザ・ダービーズ
osage
フラワーカンパニーズ
9mm Parabellum Bullet
PIGGS
Lym
YOGEE NEW WAVES
大原櫻子
"見放題東京2025"
映秀。
くるり
kobore
shallm
- 2025.03.02
-
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
Vaundy
サカナクション
moon drop
片平里菜
GLIM SPANKY
FUNKIST
猪狩翔一(tacica)
go!go!vanillas
秀吉
ゲスの極み乙女×ブランデー戦記
かすみん(おこさまぷれ~と。)
9mm Parabellum Bullet
さとうもか
MAN WITH A MISSION
藍坊主
WONK
w.o.d.
空白ごっこ × クレナズム × Hakubi
佐々木亮介(a flood of circle)/ 荒井岳史(the band apart)/ hotspring ほか
BRADIO
眉村ちあき
LACCO TOWER
Hedigan's
くるり
I Don't Like Mondays.
Halujio
フラワーカンパニーズ
センチミリメンタル
- 2025.03.04
-
片平里菜
三四少女
礼賛
輪廻 / マリンブルーデージー / CARAMEL CANDiD / サブマリンオルカ号
ZOCX
This is LAST / the shes gone / reGretGirl
サティフォ(ONIGAWARA)
- 2025.03.05
-
Apes
アイナ・ジ・エンド
Yogee New Waves
マカロニえんぴつ
Cody・Lee(李) / 浪漫革命 / SKRYU
SIX LOUNGE
UNISON SQUARE GARDEN
- 2025.03.06
-
片平里菜
Yogee New Waves
マリンブルーデージー
三浦透子
アイナ・ジ・エンド
a flood of circle
マカロニえんぴつ
荒谷翔大 × 鈴木真海子(chelmico)
SAKANAMON
UNISON SQUARE GARDEN
- 2025.03.07
-
フラワーカンパニーズ
四星球
THE YELLOW MONKEY
ビレッジマンズストア
kobore
礼賛
カメレオン・ライム・ウーピーパイ
SCANDAL
THE BACK HORN
OKAMOTO'S
w.o.d.
ズーカラデル
ザ・ダービーズ
YAJICO GIRL
リュックと添い寝ごはん
レイラ
- 2025.03.08
-
Lucky Kilimanjaro
never young beach
四星球
リアクション ザ ブッタ
a flood of circle
サカナクション
GRAPEVINE
SUPER BEAVER / 東京スカパラダイスオーケストラ / WurtS ほか
片平里菜
WONK
MAN WITH A MISSION
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
moon drop
礼賛
osage
GLIM SPANKY
秀吉
SCANDAL
おいしくるメロンパン
OKAMOTO'S
w.o.d.
mzsrz
BLUE ENCOUNT / 崎山蒼志 / CHiCO ほか
PIGGS
FINLANDS
sumika
緑黄色社会
Nornis
go!go!vanillas
Aimer
- 2025.03.09
-
さとうもか
四星球
a flood of circle
サカナクション
マカロニえんぴつ / Saucy Dog / ヤングスキニー ほか
osage
君島大空
yama
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
moon drop
KALMA
kobore
リアクション ザ ブッタ
4s4ki
THE BACK HORN
GLIM SPANKY
OKAMOTO'S
ズーカラデル
FUNKIST
Co shu Nie / 七海うらら ほか
FINLANDS
SCOOBIE DO
Base Ball Bear / 橋本絵莉子
miwa
藤巻亮太
go!go!vanillas
Aimer
RELEASE INFO
- 2025.02.25
- 2025.02.26
- 2025.02.27
- 2025.02.28
- 2025.03.01
- 2025.03.04
- 2025.03.05
- 2025.03.07
- 2025.03.12
- 2025.03.14
- 2025.03.19
- 2025.03.26
- 2025.03.28
- 2025.04.01
- 2025.04.02
- 2025.04.04
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
フラワーカンパニーズ
Skream! 2025年02月号