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INTERVIEW

Japanese

SPRISE

2025年12月号掲載

SPRISE

Member:笠宮 えいる

Interviewer:山口 哲生

ファンなんてものは重いと思っているので、ドロッとしたラヴ・ソングはみんなに刺さると思う


-収録曲で好きな曲を挙げるといかがです?

「ギミモア!」ですかね。私、歌詞に共感するとか特にないんですよ。ほんまに曲調とか耳心地とかが大事っていう感じなんで。歌詞とかも含めたら「sway」とかになってくるんですけど、耳心地だけで言ったら「ギミモア!」とか「メロずきゅ(メロメロずきゅん)」とかかなぁ。全曲耳心地はいいけど、好みで言ったらそのあたりが好きどすなぁ。

-それこそライヴでお客さんとコミュニケーションが取れそうな。

うん。たしかに。"メロずきゅ"とか、みんな結構好きでいてくれてるからありがたいですね。

-歌詞も含めたら「sway」とのことでしたけど、どんなところが好きなんです?

ライヴ中に入ってしまうことが多くて好きですね。

-入りすぎると......。

悲しくなります。前にセトリで悲しい曲が3曲続いたことがあって、全然涙しかけました。全然涙ちょちょ切れますよ。ぽろーんって。

-もう泣きながら?

ボロボロは泣かないですけど、目頭がグッとなるぐらいは全然あります。あと、今年の2月に父が亡くなったんですよ。それから涙腺が脆くなりましたね。悲しい曲のときに食らうようになったので、それもあるかも。

-言葉がよりご自身の中に入ってくるようになったというか。

そうですね。

-なるほど......。

そうどすなぁ。

-"どすな"って(笑)。

なんか急に空気重くなったんで(笑)。私は別に全然なんですけど。

-すみません、急な話で驚いてしまって。あと、「メロメロずきゅん」のMVを撮影されていると。撮影はいかがでした?

撮影苦手なんですよ。自分の顔をずっと撮られるなんて苦痛じゃないですか。恥ずかしい。でも、MVは"メロずきゅ"が絶対にいいって、私がずっとプッシュしてたんです。ほんまは「ギミモア!」でもいいかなって思ってたんですけど、今年6月のワンマン("SPRISE ANNIVERSARY LIVE 『WELLNESS 〜5-THADOX〜』")からいろんな番組のエンディングで曲を流していただくときに、「ギミモア!」のライヴ映像を使っていただいていることが多かったので、もしMVを撮るなら違う曲のほうがいいよねって。じゃあ人気のある曲の中からどれを出す?ってなったときに、今までMVはしっとりした曲で作って、ライヴ映像はかっこいい系の曲でいっていたから、"社長、「メロずきゅ」しかないですよ"ってゴリ押ししました。だから"メロずきゅ"ファンは私に感謝してほしいなと。

-私が推したんだと。

そう! 映像化したのは私だと言わんばかりの心意気で。感謝のリプライをお待ちしております。特典会に来いなんて微塵も思わないので、感謝のリプライが欲しいですよ。

-ライヴでやるのが大変な曲ってあったりします? 「sway」は入り込みすぎちゃうというお話でしたけど。

「sway」は自分が入っちゃうっていうだけで大変っていう感じはないんですけど、あんまりないかなぁ。基本、久しぶりにやる曲は全部難しいって思いますけど、身体が動くんですよ、勝手に。

-ああ。音が鳴ると自然に。

そうです。10月の定期公演で、運営VSメンバーみたいな企画があって。"イントロドン"みたいに、運営が流した曲を即座に踊るっていうのをやったんですけど、曲が流れ始めると、曲名は思い出せないのに身体も口も動くんですよ。なんやこれ!? ってなって。踊りながらファンに"なんて曲!? これなんて曲!?"って聞いてたんですけど、もうそれぐらい身体に染み付いているんで、改めて難しいなって思うことはあんまりないかなぁ。

-すごいですね。タイトルが出てこないのに身体が動くのって、なんかちょっと焦るというか怖いというか。

そう! なんやこれ! なんか降ってくる! 身体が音に合わせて勝手に動くぞ! みたいな。でも、タイトルが分かった瞬間にバグりました。脳が記憶を整理したのか分かんないですけど、あれ? 次なんやったっけ? って。

-不思議ですね、人体って。

ほんまそれです。脳ってキモい。

-(笑)今年もまもなく終わりますが、2025年はどんな1年でしたか? まだツアー・ファイナルが残っている状況ではありますけど。

忙しかったなぁっていう感じですかね。でも、2024年に比べると、反省することのほうが多い1年やったかなと思います。

-反省、ですか。

もっと考えることできたよね? とか。まぁ、忙しかったからって言ってしまったらそうなんですけど、2024年はめまぐるしいなかでも考えていた感じがあったんですよ。2025年も本当に突っ走った1年でしたけど、もっと考えて過ごしていたらもっと変わってたんかなぁとか。現状に文句があるとかじゃないんですけど、もっとできたのかなって。別にね、そんな悪いことばっかりじゃなかったというか、良かった点ももちろんありますけど、表すとしたらそれですかね。

-良かったなって思うことというと?

うーん......特に思い浮かばないですけど。

-(笑)それはそれで?

うん(笑)。性格上、あんまりいいことに目をやらないので。だから記憶に残らないのかもしれないですね、楽しいライヴとかが。

-あぁ。なるほどなぁ。

反省とかマイナスなほうにばっかり目をやってしまうし、それをどう摘むか、マイナスをゼロにすることばかり考えてしまうから、プラスに目をあまり向けてあげれない。その点は、他のメンバーのほうが得意かもしれないです。でも、みんな気にしいやからどうなんやろう。

-マイナスをゼロにするというのも、より良くなるためにはどうすればいいのかという気持ちから来ているんでしょうし、それを考えること自体はいいことだとは思うんですけど。

うん。でも、マイナスをゼロにすることを考えすぎて、ゼロイチができてないっていうのもあるかも、2025年は。伸ばすというよりも、不満をどうやったら消せるのかっていうことに目をやりすぎてた。

-マイナスの芽を摘むことに意識が行きすぎて、プラスの種を植えられていなかったというか。

そうですね。だから年末になったけど育ってないな、みたいな。種を植えられてなかった、摘むことに必死になってたんやなっていう感じやから、反省することのほうが多かったっていう感じになるのかもしれないですね。

-それを踏まえて2026年はどんな年にしたいですか?

そうですねぇ......私、アイドルとして目標があんまりなくて。フェスでメイン・ステージに立ちたいとかは思うので、目標としてはそこかなっていうのはあるんですけど。でも正直、メインに立つってちょっと分かんないんですよね。言うたら大きなフェスって関東と関西がごっちゃになるんで、どれだけ動員があったとしても、関西だと相当名を轟かせていないとっていう感じなので、そうなると......なんか、難しいですよね、アイドルって。改めて思いますね。正解がないというか。

-たしかに。

アスリートやったら速いとか強いとかやし、芸人さんで言ったら賞レースとか、面白かったら正義やし。ただ、アイドルって顔かわいいも正義になるし、歌上手いも正義になるし、ダンス上手いも、(SNSの)フォロワー多いも正義。でも、歌がどれだけ上手くても伸びてないアイドルなんかいっぱいいるし、顔めっちゃかわいくても全然伸びてない子もいっぱいいるし、フォロワー多いけど現場には全然ファンがいないアイドルもいて、どのステータスを伸ばしても目標が叶わない確率が高すぎるというか。そのなかで頑張り方が分からなくなってるアイドルさんも多いと思うし、自分もその1人なんやろうし。一概に何を頑張ったらいいのか分からんからムズいなぁって。それがもうめんどくさいというかダルいなって思いますけどね。

-ダルがっちゃいますか(苦笑)。

やっぱり明確な指標がないじゃないですか。ここを激伸ばししたら1位になれる、金メダル! とかがないので。だからみんな楽しいっていう感じなのかもしれないですけど、ずっと暗闇の中にいる感じもあって、もどかしいですよね。だから2026年は、関西で自分たちのファンになってない人をどうやったらファンにできるかとか、そこは無理でもどうやったらファンを掴めるのか。まぁ、SNSって言われたらそれまでなんですけど、別にSNSが全てじゃないと思ってるんで。であればライヴをどうするか、どういう曲を増やしていくのか、振付をどうするのかっていう話になるので、そのあたりももっと考えていけたらなと思いますね。2025年は時間に追われてそこらへんを口出しできてないところもあったと思うので、そこをもっと口出しできる1年にはしたいなと思います。

INFORMATION

ライヴ情報等は公式Xにて随時更新中
公式X

LIVE INFORMATION
"SPRISE 定期公演 『幸福界隈』"

12月28日(日)大阪 アメリカ村FANJ twice
OPEN 13:15 / START 13:45
[チケット]
特別チケット ¥3,500 / 一般 ¥0(+1D)
予約はこちら