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INTERVIEW

Japanese

HEP BURN

 

HEP BURN

Member:優音(Gt/Vo) 来夢(Ba) 福馬佑志(Dr) 中嶋哲平(Key) 西尾伊織(DJ)

Interviewer:高橋 美穂

2021年に広島にて結成された5人組バンド HEP BURNが、デビュー・ミニ・アルバム『浮遊』を完成させた。ブラック・ミュージックやジャズ、日本のロックやポップスに影響を受けた5人が奏でるのは"オルタナティヴ・シティ・ロック"。スタイリッシュでテクニカルでありながら、熱さも感じさせる新たなジャンルを切り拓いている。現在も広島で活動する彼等が、バンド名の由来であるオードリー・ヘップバーンのように唯一無二の存在になる道のりの序章を、ぜひ見逃さないでほしい。

-ギター&ヴォーカルの優音さんを筆頭に、中嶋さんはキーボードとトランペット、福馬さんはドラムとサンプラーとか、1人何役か担当されている方が多くて。皆さん多才ですね。

優音:いえいえ。照れちゃいますね(笑)。

-こういう役割はHEP BURNをやっていくうちに増えていったのか、それとも結成のときから決まっていたのか、どうなんでしょうか。

優音:僕にとってはHEP BURNが初めてのバンドで。結成してから、こういう感じになっていきました。

-優音さんが"これもやってほしい"みたいにお願いしていった?

優音:いや、そういうわけではないんですけど。HEP BURNの目標は唯一無二、他にないサウンドをやっていくことなので、いろんなものに手を出したっていう(笑)。

-例えば中嶋さん、もともとどちらの楽器もできたんですか?

中嶋:もともとはキーボードをやるっていうので入ったんですけど、中高では吹奏楽部だったんですね。で、大学でジャズ研に所属していたんですよ。なので、歴で言ったらトランペットのほうが長いんです。だからHEP BURNでも最初はキーボードをやっていたんですけど、この曲にはトランペットが合うかも、っていうときは吹くようになったっていう。

-そもそも多才なメンバーが揃っているのも大きいんだと思うんですが、優音さんがバンドの発起人であり、こういうメンバーを集めたということでしょうか。

優音:僕は米津玄師さんが好きで、子供の頃から聴いていたので、バンドもしたいんですけど、電子的な音も取り入れていきたいっていう感じだったんです。3ピース・バンドとかだと幅に限りもありますし、キーボードは欲しいなと思っていました。最初は佑志と2人で始めたんですけど、そのときはHEP BURNではなくて。そこに幼馴染のいっくん(西尾)が入って。3歳ぐらいから知っているんですけど、彼がDJをやっているっていうので、一緒にやろうと。てっちゃん(中嶋)と来夢君はネットで知り合いました。

-福馬さんは立ち上がりのときからいらっしゃいますけど、ドラムだけではなくサンプラーも使うようになったのは?

福馬:自分たちのジャンルを"オルタナティヴ・シティ・ロック"って言っていますけど、いろんなサウンドが必要になってきて、ドラムだけだと出せない音もあったんで、結成後にサンプラーを取り入れるようになっていった感じです。

-来夢さんはネットで知り合ったんですね。

来夢:音楽掲示板みたいなところで知り合って。そのときには前任のベースがいたので、一回ライヴを観ていいなぁと思って。音楽性にも惹かれていたので、ベースが抜けるタイミングで声が掛かったときに入ったっていう感じです。

-後から加入されたなら、客観的に見れたところもあると思うんですが、HEP BURNをどんなふうに感じましたか?

来夢:あんまり広島では見掛けたことがないタイプのバンドだったので、興味が湧きましたね。

-西尾さんは優音さんと幼馴染とのことですけど、ずっと一緒に音楽をやってきたんですか?

西尾:僕は中学生から高校生まで吹奏楽をやっていて、ドラムを叩いていたんです。高校3年生のときに優音から"文化祭でバンド演奏をしたい"って言われて。僕はドラムを叩けるからって誘ってくれて、1回ライヴをしたんですね。そこから活動はしていなくて。佑志と優音が社会人になってから"バンドをやりたい"って言ったのを聞いて、僕も新しいことをしたいと思って、興味があったDJを始めて。その想いを優音に話したら、自分たちがやりたい新感覚の音楽と結び付くんじゃないかってことになって、バンドに参加しました。

-曲は誰が作っているんですか?

優音:僕が弾き語りのデモを作って、みんなに聴いてもらって。アレンジはみんなでやっています。曲はHEP BURNを組むちょっと前ぐらいから書き始めたんですけど。

-幼馴染の優音さんが曲を作ってきたとき、西尾さんはどう思ったんですか?

西尾:正直、びっくりというか。一番接していた時期が中学の頃なんですけど、その頃はロック・バンドをよく聴いていたから、デモを聴いたときに"以前の優音と違う!"みたいな。

優音:(笑)

西尾:新鮮でしたね。

-先程、福馬さんがおっしゃっていたオルタナティヴ・シティ・ロックっていう方向性は、最初から優音さんの曲作りでも掲げていたんですか?

優音:いや、なかったです。その言葉はここ最近、みんなで考えて名乗るようになりました。いろんなサウンドを奏でるバンドだと思っているので、ロックじゃ済まされないというか。シティ・ポップでも片付けられないし。やっぱり新しい、唯一無二の音楽がテーマなので。

-皆さんのルーツが関わっている方向性なのかなと思うのですが、先程優音さんから米津さんのお名前が出ましたけど、優音さん以外もお1人ずつ、影響を受けたプレイヤーや好きなアーティストを教えていただけますか?

福馬:プレイヤーで言うと、最近知って好きになって尊敬しているのがNate Smith。あとはMichael Jackson、宇多田ヒカル、Tempalayとかが好きですね。

来夢:プレイヤーで研究したのはTHUNDERCATとMonoNeonですね。ベースを始めた理由はKing Gnuの新井(和輝)さんなんですけど。

中嶋:僕は小っちゃい頃からピアノを習っていたんですけど、明確にキーボードっていう楽器をカッコいいと思ったのは、フジファブリックの金澤ダイスケさんを見て、"ここまでこだわれる楽器なんだ!"って。ピアノは音色の違いが個体によって少ない楽器ですけど、キーボードは音色1つでここまで見せられるんだっていう。あと、人数がいっぱいいるバンドの中で、押し引きをここまで計算できるんだっていうのが原体験でした。トランペットは、Lee Morganっていうジャズ・トランぺッターが好きで。邦楽ロックとジャズ・ミュージシャンで、共通点はないんですけど、どっちも熱いプレイヤーなんですよね。

西尾:小さい頃はバンドとかあまり聴いていなかったんですけど、中学の頃に先生がASIAN KUNG-FU GENERATIONのCDを渡してくれて。そこで初めて"バンドってすげぇ!"ってなって。DJをやってみたいと思ったのはSuchmosで、衝撃を受けて。スクラッチとかやってみたいなと。この2組は僕にとっては大きいですね。

-そんな5人が集まって、待望のデビュー・ミニ・アルバム『浮遊』が完成しました。今、どんな想いですか?

優音:まずは、形になったのを見て、すごく嬉しかったです。今のHEP BURNのフルマックスを出せたと思います。HEP BURNっぽさが出ているかなぁと。

-制作前にテーマ等はあったんですか?

優音:いや、そういうのはなくて。既存曲もあったので。