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INTERVIEW

Japanese

HEP BURN

 

HEP BURN

Member:優音(Gt/Vo) 来夢(Ba) 福馬佑志(Dr) 中嶋哲平(Key) 西尾伊織(DJ)

Interviewer:高橋 美穂

田んぼを見ながら、未来予想図や、宇宙の果てってどういう感じなんかな?とか考えていた


-次の「TV FUZZ」も耳が楽しい曲。

優音:いい曲です(笑)。HEP BURNでも速い曲なので。BPM 100ぐらいの曲が多いんですけど、これは150かな。

中嶋:ミニ・アルバムを作るにあたって、優音的に、速いのがあったほうがいいかなって持ってきたところはあるよな。

優音:うん。速い曲の中で言えば、HEP BURNのらしさが一番出ていると思います。

-ライヴでも映えそうですね。もうやっているんですか?

中嶋:そうですね。お客さんからいい評価をいただいていますし、自分たちも大好きな曲です。

-次は「Bremen」ですけど。1曲目から6曲目まではファンタジーな世界観が描かれていて、7曲目の「Bremen」で夢から覚めるというか、そんなストーリーも思い浮かぶようなストレートさ、リアルさがあって。ちょっと異色な感じがしました。

優音:異色かな?

中嶋:歌詞もメロディもサウンドもストレートな感じで。優音も照れ屋なんで、あんまり自分の想いをオープンにするタイプじゃないし、メンバーもアレンジとかを考えるときに、捻くれた、普通じゃないものにしたくなるタイプなんですけど、この曲は優音の歌詞も5人のアレンジも、まっすぐ熱い仕上がりになって。こういう曲はHEP BURNの中でも、他にないと思いますね。

-歌詞は、あえてこういう感じにしたんですか?

優音:そうですね。俺もたまに未知から現実に戻るときがあるので(笑)。

-生きることや音楽への決意が詰まっていますけど、何かきっかけがあったんですか?

優音:これを書いた時期に仕事を辞めたんですけど、"Bremen"って"ブレーメンの音楽隊"のイメージが強いですけど、そうやって5人で頑張りたいなぁっていう素直な気持ちを表しています。お酒を飲んでいたのかもしれないですけど(笑)。

-本当のラスト、というかCDのみのボーナス・トラックで収録されている「Shall we dance (demo)」も、デモならではの生々しい、近くから聴こえる音で。だから、より現実に戻ってきた感があったんですよね。

中嶋:これは僕と優音で録音したんですけど、一番ボーナス・トラックっぽいし、おまけでこそっと入っていたら嬉しい曲かなって。CDを買ってくれた人だけに贈るプレゼントじゃないですけど。コアなファンじゃないですか、この時代にサブスクとかじゃなく、CDを買ってくれる人って。そういう人に、等身大の僕等を最後にこそっとプレゼントするみたいな感覚です。

-来夢さん、どんなアルバムができたと思っていますか?

来夢:個人的なんですけど、HEP BURNに後から入って、ベースもみんなの意図を汲んで頑張ってきて。合わせようと努力していたんですけど、新曲とかでは自分の味も出しつつHEP BURNらしく仕上げることができたなと。

-福馬さん、ニコニコ頷いていらっしゃいましたけど、思うところがある?

福馬:嬉しいなって(笑)。後から加入して、プレッシャーとかもあったと思うので。この作品で心を1つにできたのが嬉しいですね。ニヤニヤするっすね(笑)。

-ご自身的には、どういう達成感がありますか?

福馬:自分の中では、BAJ(PEACE-MAKERレーベル)さんから契約のお話をいただいて、チャンスなので、いいものにしようっていっぱい練習して準備したにもかかわらず、自分たちの無力さを感じた――まだまだ俺たちの思い描く姿にはなれていない感じもしていて。歯がゆさもありますけど、でも妥協は一切なしで、しっかりこだわった作品ができたので。すごくいいミニ・アルバムになりましたけど、まだHEP BURNの第一歩にしか過ぎないと思っています。

中嶋:このお話をいただいたときに"いつ頃出そう"って話になったんですけど、僕たちは全員音楽で成功したい想いがあるので、最速で出したいですってお願いして。さっき佑志も言ってましたけど、一切妥協なく、時間の制限はありながらですけど、その分一致団結して、納得がいく僕たちの名刺代わりのデビュー・ミニ・アルバムができたと思っています。

西尾:自分の中では、スクラッチばっかりやっていたので、他にいい方法はないかなって。"スクラッチもういいよ!"って思われてもイヤだったんで(笑)。全国流通盤ですし、今までよりいろんな方に聴かれると思うので、せっかくなら爪痕を残せるようなアレンジにしたいって考えて。悩んで作ったんですけど、自分の声を変えて声ネタを入れたり、新しい挑戦を試して入れたのがバチッとはまったっていう。僕にとっても思い入れのある一枚になりました。

優音:佑志が言ったように、まだまだ一歩にしかすぎないですね。今の自分たちのフル・パワーは出したんですけど、まだまだこれからだと思うので。これがゴールだと思わないようにしたいと思います。

-ちなみに、目に見えないものといえども、海外のものや日本のもの、宇宙的な話や怖い話、いろいろあるじゃないですか。優音さんは全般的に好きなんですか?

優音:全般的に好きです(笑)。空気も好きです。

中嶋:空気も好きやな。空気中に見えないものがあるとか、そういう話。

-映像を観るとか、本を読むとかが好きなんですか?

優音:最近は観るようになりましたけど、子供のときは全然ですね。想像するのが大好きで。田舎育ちなんですよ。田んぼを見ながら、未来予想図や、宇宙の果てってどういう感じなんかな? とか、ウイルスはどこに飛んでんのかな? とか考えていたっていう(笑)。

-広島とか、生まれ育った環境がHEP BURNに関わっていると思うことはありますか?

中嶋:優音もですけど、全員が田舎もんで。スレてない感じはあるかな(笑)。全員、ライヴハウスとかに飛び込んだ瞬間が、先輩の紹介とかサークルとかじゃなく、HEP BURNを始めてからオリジナルのバンドとして、だったんで。それは広島のシーンの中でも唯一無二かも。誰かの影響ではなく、5人の考えを混ぜてやっているので。

-これからの目標も、唯一無二のバンドになっていくことですか?

優音:そうですね。

中嶋:まだまだなんですけど、いつかたくさんのお客さんに観ていただいて、今までにないライヴの形、オーケストラとかビッグ・バンド、VJとやったりっていうところまで、自分たちの想像の世界が広がるステージを作ってみたいっていう夢想はありますね。