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INTERVIEW

Japanese

Aqilla

2024年04月号掲載

Aqilla

Interviewer:藤坂 綾

"Varckii"にはなんの意味もない。でもそれがAqillaだと思ってる


-タイトルの"Varckii"はどういう意味なんです?

これは意味がなくて。

-そうなんですね。調べたんですけど、全然出てこなくて。

絶対出てこないです。"かっこいいんじゃね?"ってこれに決めました(笑)。よく聞かれるんですよ、"「Varckii」ってどういう意味なの?"って。でもなんの意味もなくて。だけどそれがAqillaだと思ってます。

-あー、なんとなくだけどわかる気がします。意味がなくてもかっこいいものってありますもんね。

そうなんです。例えば美術品やアートを見たときに"この絵って何を意味してるの?"とか、人ってよく聞くじゃないですか。でも描いた本人は、そんなに深く意味を考えてないと思うんですよ。私の中では私のすべてがアートなので、アートに意味はないっていう。人ってすべてのことに意味を求めるけど、意味がないことがかっこいい。そこから"これってこういう意味なのかな?"とか、そういうこと考えてもらっていいし、それがアートだと思うし。

-見た目の字面もまたかっこいいですよね。

惚れ惚れしますね。そういうところがかっこいいとか、響きがかっこいいとか、そう思ってもらえたらいいのかなって。私自身も絵を描いてるから、そこに意味を求めちゃうと凝り固まっちゃうんですよ。自由にいろんな考え方ができなくなっちゃうし、常に柔軟な考えでいたいし、脳味噌を柔らかくしてたいなと思って。

-感覚的なところでかっこいいと思えるって、すごく大事なことだと思います。

すごく大事だと思います。むしろ、私はそれだけなんじゃないかと思うくらい。何も説明なんてできなくてもいい。結局、人は感覚で生きてると思うから。

-その『Varckii』を引っ提げて、初のツアーが始まります。

全然実感が湧かないんですけど(笑)。まだそんなにライヴ経験も多くないので、誰に出てもらおうかってときに、この短期間で仲良くなってくれたバンドさんとか、出てもらいたかったバンドさんとか、みなさんが協力してくださって。だから自分のツアーにこの人たちを呼べるんだって、そういうわくわく感だけはあります。自分の世界にバンドさんを惹き入れることができたって、それはすごく嬉しいです。

-最初と最後の変化がまた楽しみですね。

ファイナルを(SHIBUYA)CYCLONEでやらせてもらうことになって、初日の上野音横丁とはまた別人になっていたいです。毎度別人でもいいくらい。それくらい大きく成長できたらいいですよね。で、またアルバムを出して、お会いするときには全然別人になってると思いますよ。

-次にやりたいこととか何かあります?

ないです。あんまり先のことを考えてないというか、やりたいことをやって、結果それが線になっていってるから。

-そっか、大海原に身を放り投げるって、そうおっしゃってましたもんね。

きっとそれがずっと続いていくのかなって。そのときそのときで出てくるアイディアも違うし。だから次を考えると、ないですね。ただかっこ良くて、新しくて、誰も見たことがないものを作りたいという基盤だけはあります。でもずっと思ってるのは、今やってるライヴハウスをいっぱいにしたい。お互いに気の許せる仲間だけがここにいっぱい集まってくれたら幸せだなって。変なもの同士が集まったら、結局めちゃくちゃ幸せな空間になるじゃないですか。Aqillaの音楽が好きって言ってくれる人って、たぶん変だと思うんですよ。でもそういう人たちが集まったら、もう最高の空間になるんじゃないかって。唯一無二の世界観でライヴができたら絶対楽しいし、かっこいい。だからツアーを通して、ひとりでもふたりでもAqillaの世界観が好きだと思ってくれる人が現れてくれたら、それだけでもうOKです。