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INTERVIEW

Japanese

Arika

2023年06月号掲載

Arika

Member:夏吉 ゆうこ(Vo) 大和(Gt)

Interviewer:山口 哲生

声優の夏吉ゆうこと、コンポーザー/ギタリストの大和による音楽プロジェクト Arikaが、前作から4ヶ月で早くも2nd EP『LENS』をリリースする。今年5月に開催され、ソールド・アウトで大盛況のうちに幕を下ろした1stライヴ("Arika 1st Live「暁光」")でいち早く披露された全4曲は、クールでダウナーなエレクトロ・サウンドという軸はしっかりと持ちつつも、ハードなものからアンニュイなもの、さらにはこれまでとは真逆のサウンド感にアプローチしたものまで、実に多彩な楽曲が揃っている。1stライヴを振り返りながら、新作についてじっくりと話を訊いた。

-5月1日に開催された"Arika 1st Live「暁光」"、お疲れさまでした。改めて振り返ってみて、どんな1日でしたか?

夏吉:いやぁ、あっという間でしたね。ライヴの構成的にそこまで長くはなかったんですけど、体感15分ぐらいで、やっている間の記憶がほとんどなくて(笑)。

大和:僕もです(笑)。絶対に緊張するんだろうなと思っていたんですけど、緊張する間もなく終わってた。

夏吉:大和さんって普段あんまり緊張しないですよね?

大和:うん。バンドのときはまったく緊張しないんですけど、ふたりでこういう形で出るのは初めてだったんですよ。いつもだったらね、バンド・メンバーが5人ぐらいるから、僕ひとりがちょっとぐらいミスってもあんまりわかんないだろうな、みたいな(笑)。

夏吉:はははははは(笑)。

大和:勢いで誤魔化せる部分もあるんですけど、今回はふたりだし、やったことがないことずくめで、準備も怒濤だったし。

夏吉:大和さんはやることが多いですもんね。ギターは弾くし、システムも組むし(笑)。

大和:当日よりも準備のほうが大変でしたね。当日も不安のほうが大きかったけど、なんとかうまくいって良かったなって。

夏吉:私は、ひとつのライヴでこれだけの曲数の歌詞をすべて覚えて臨むというのは初めてだったので、そこは本当に緊張しました。

大和:あれは本当に大変ですよねぇ......。

夏吉:覚えるってこんなに大変なことだったんだ......って。自分で書いた歌詞なのに(笑)。しかも後ろ(のヴィジョン)でリリック・ビデオを流していたから、答え合わせをされながら歌っている感じがあったんですよ。

大和:そうですよね(笑)。

夏吉:初めてのライヴという緊張もあったけど、そっちの緊張のほうが大きかったです。でも、あの空間にお客さんが結構パンパンに入ってくれたので、密度がすごかったんですよ。

大和:うん。あとは声出しもOKだったし。

夏吉:そうですね。ワー! って盛り上がる系の曲をセットリストに入れていたわけでもないのに、反応が返ってくるのも嬉しかったです。

-たしかに、わかりやすく盛り上げる曲は少ないかもしれないですけど、フロアの熱をすごく感じるライヴでしたよね。

大和:お客さんが温かかったですよね。

夏吉:うん、温かかった。最終的に、大和さんがみんなに"かわいいー!"って言われていて(笑)。グッズ紹介のときとか。

大和:グッズ紹介が一番緊張したかも(笑)。普段はそういうことをあまりやらないから。

-お客さんから声が返ってくることに対して、夏吉さんは"嬉しくてついにちゃにちゃしちゃう"とおっしゃっていましたけど。

夏吉:いやぁ、そうなんですよ(苦笑)。 曲の雰囲気が最優先なので、MCも必要最低限でクールに決めてくださいって事前に言われていたんですけど、やっぱり出ちゃいますよね。嬉しくて普通に笑っちゃってた(笑)。全然隠しきれなかった。

-あと、ライヴの流れとして曲間をSEで繋いでいく構成にされていましたが、Arikaの世界を見せる、伝える意味でもすごく良かったと思いました。

大和:曲間をSEで繋ぐのは、結構昔からやってみたかったんですよ。曲が終わって、ふっと無音になるのが、ちょっとなぁ......っていうのは、Arikaを始める前から思っていて。なので、タノウエ(マモル/プロデューサー)さんに、ちょっとやってみませんか? って相談しました。あと、曲数もまだちょっと少なかったから、そこを埋めるためにもいいんじゃないかなって。

夏吉:うん。歌う側としても、SEが次の曲に自然と移り変わらせてくれるから、いい切り替えになったし、世界観を説明する手助けにもなっていて。曲がパッと終わると、やっぱりそこでお客さんの気持ちも切れちゃったりするけど、ライヴを通してずっとArikaの世界観みたいなものが見えていたから、あって良かったなって思います。

大和:うん。良かったよね。

夏吉:あと、アンコールの「暁光」のアレンジを、大和さんが短期間でしてくれたんですよ。ライヴの構成的に、最後にもう1回「暁光」をやろうという話になったんですけど、もう1回同じ感じでやるよりも、ちょっとアレンジが変わったりしたほうがいいんですかね? と相談をしたら、バーっと作ってくれたんです。"そんな仕事早いことあるんだ!? やったー! 言ってみるもんだ!"って(笑)。

大和:はははは(笑)。最初はいけるかな? と思ったんですけど、リハで弾き語り風みたいなのをやってみたんですよ。それがいけそうだなと思って。サクっとできましたね。

-アレンジ・バージョンでまた違う雰囲気もあるし朝、昼、夕方、夜が来てまた朝に戻るというEPのコンセプトにも合っているし、先がすごく見える一瞬でもあって。

夏吉:たしかに。そもそもArikaはバンド編成ではないので、大和さんがギターを弾いてくれていて、そのうえで打ち込みの音源もあるというのが、私からすると(大和が)めっちゃ合わせてくれるけど、音源で歌っているような感じもあったんですよね。

大和:そうだよね。アンコールの「暁光」以外は、全部シーケンスに合わせていたので。

夏吉:でも、最後の「暁光」は、めっちゃセッションしてる! っていう感覚になって。こういう方法もありだなって思いました。