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INTERVIEW

Japanese

MIGMA SHELTER

2023年05月号掲載

MIGMA SHELTER

Member:タマネ ユイノン ワニャ+

Interviewer:宮﨑 大樹

一緒に"オズ"の世界に来てほしい


-各曲について聞いていくと、1曲目の「Tornado」はMIGMA SHELTERらしい"アタマぶっ壊れるまで踊れる"サイケデリック・トランスで。みなさんの第一印象はいかがでしたか?

ワニャ+:脳が揺れました。踊っちゃった。

タマネ:かっけぇ......って毎回思っているんです(笑)。これは楽しいだろうなぁって。ステージで聴いてもフロアで聴いても、みんなで楽しくなれるなと思いました。

ユイノン:最初は普通のイヤホンで聴いていたんですけど、これはヘッドホンで聴かなきゃと思って、爆音で頭を振りながら聴きました(笑)。

-ミシェルの曲って、初見でも頭を振っちゃいますからね。「Tornado」では、竜巻に巻き込まれてオズ王国に飛ばされて、東の悪い魔女が家に押し潰されるという、物語の冒頭が描かれています。全体として不穏な空気が漂っていて。

タマネ:振付がついたときに、すごくやりやすくなったんです。悲しいところでは、悲しさに溺れるみたいな感じのご指導が入ったりして。悲しくて顔を抑えるような振付があったりするんですよ。

ユイノン:(振付が入ることで)「Tornado」の世界観がわかりやすくなって、踊り狂っていますね。

-竜巻のような風の音がするブレイクの部分は、ライヴでの見せ場になりそうですね。

ワニャ+:そこは竜巻になっています。

ユイノン:竜巻で魔女を殺していますね。ダンスでも脳が揺れるし、音でも脳が揺れる。ヤバい。

タマネ:言葉遊びみたいなものが入っているんですけど、そういうところを一緒に言っている人がいるよね? 振付でも、一緒に盛り上がれるところをお客さんがどんどん見つけてくれて嬉しい。

ワニャ+:かわいくて真似しやすい振付がいっぱいあるので、それを楽しみながら、一緒に"オズ"の世界に来てほしい。

-歌詞については、どう咀嚼してレコーディングをしていました?

ユイノン:魔女を想像して歌いました。カッコいいし、怖い感じがあったから。

タマネ:私は正直、技術に必死でした。デモを聴いて"こうやって歌うんだ"って自分でキモいメモを取ったんです。歌うときは毎回メモを作っているんですけど、発音とかどういう歌い方をしているかみたいなのを聞き取るのに必死でした。

田中ディレクター:「Tornado」はドロシー(※主人公)の歌じゃなくて、魔女の歌なんですよ。魔女がなんでこんなに支配的に生きていたかという、魔女の心の中を描いている歌で。わがままで人を束縛したり、人から勇気とかいろいろな能力を奪ったり、相手を無力化して縛りつける――そういう恋愛をするような人に報いが来て死んだという感じなんです。"オズの魔法使い"の本編にない展開ですね、「Tornado」は。

-続いて2曲目の「Emerald」はドロシーがカカシ、ブリキの木こり、ライオンに出会ったあと、エメラルドシティに到着して魔法使いに会うところがテーマになっています。

ワニャ+:「Emerald」は、絵本のページをめくっているような感覚でした。ストーリー性があってすごく好きです。

ユイノン:カッコいいけど、アイドルっぽいなと思って。絶対にかわいい振付をつけてくれるだろうと思って楽しみでした。

タマネ:アイドルなところと、バキバキに踊るところが楽しめます。

-"オズの魔法使い"のストーリーを考えてみても、このあたりが一番華やかですし、そういうところでアイドル性のある楽曲になっているのかもしれないですね。

タマネ:うん。そうかもしれないです。「Emerald」は、今までのミシェルにないようなギミックの歌い方が特に多かったので、これは難しいぞと思っていました。ただ、歌いこなせたら絶対にカッコいいので、めっちゃ気合が入りましたね。

-ギミックと言うと、例えばどのあたりに注目してほしいですか?

タマネ:"ご機嫌麗しゅう"って語尾が上がったりとか、歌とセリフがあったりとか。そこは聴いていたら楽しいのかな。メンバーにはそこで表情を変えている人もいて。

-この曲の歌詞で、ライオンとブリキの木こりをイメージさせる言葉が出てきますけど、カカシについて触れていないところが気になったポイントでした。今後の作品に関わってくる伏線だったりするのかなぁと。

ワニャ+:私たちもまだわからないんです。

タマネ:3部作の流れを一切聞いていなくて。どうやら2作品目以降はまだ秘密らしいです。

田中ディレクター:今後の展開で明らかになります。

ユイノン:カカシは伏線ですか?

田中ディレクター:カカシの存在感は、まだそんなに出していないんです。「Emerald」でちょっとライオンに触れている感じなんですけど、ライオンの"勇気"が一番わかりやすいんですよね。感情とかメンタルのことは歌詞にしやすいけど、で、カカシの"知性"はもうちょっとしっかり読み取らないと、非常にセンシティヴな表現になりかねないので、時間をかけて書こうという気持ちが多少はありました。一歩間違ったら馬鹿みたいになっちゃいますから。

-個人的な話にはなるのですが、私は"オズの魔法使い"の派生作品の"ウィキッド"が好きで。そこにカカシにまつわるエピソードがあって、それを知ったうえで『OZ one』を聴くといろいろな考察や想像ができました。

ワニャ+:観てみたいです。観られるところありますか?

-もともとブロードウェイの公演だったもので、国内では劇団四季がやっていたんですよ。ただ、劇団四季版はCDでは流通しているんですけど、映像作品にはなっていないんですよね。

ワニャ+:(劇団四季は)10月からやりますよね?

-そうなんです。約10年ぶりに再演するみたいですね。それまではCD版でも十分楽しめると思います。ネタバレになっちゃうから書けないんですけど、〇〇と〇〇は〇〇で。

一同:えぇ~!

-話はそれちゃいましたけど、『OZ one』は"オズの魔法使い"が好きな人ならきっと楽しめる作品だと思います。2作目、3作目も楽しみにしています。ミシェルとしてはさらに新メンバー・オーディションをしているところですよね。それも踏まえて、今後のグループの展望を聞かせてください。

タマネ:去年までのミシェルと、これからのミシェルで違いを見せていきたい。一見したときに面白い、楽しいと思ってもらうためには、まずはメンバーの個性が伝わってくることが大事かなと思うので、ステージ上でも普段からでも、それを伝えていけるようになっていきたいですね。で、お客さんを置いていかないように、一緒に楽しんでもらうようになりたいなと思います。

-ちなみに個人で目指していることはありますか?

タマネ:国内外問わず面白い企画があるフェスに出たいですね。夏で言ったら色水をぶつけ合うみたいなのがあるじゃないですか。ああいうのが楽しそうだなと思っていて。

ユイノン:私はバンドが大好きなので、いつかバンドとツーマンとかしたいです。PRIMAL SCREAMが好きなので、前座をやりたい。

-おぉ、デカい夢ですね。

ワニャ+:私は日本でめっちゃデカくなって、海外でもいっぱいライヴして、日本に帰ってきたときに迎え入れられたいです。"キャー"って言われたい(笑)。