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INTERVIEW

Japanese

B.R.T(Blue Rock Thrush)

2023年05月号掲載

B.R.T(Blue Rock Thrush)

Member:G1(Vo) GON(Gt) 8K(Ba) SAY(Dr) IKU(Key)

Interviewer:山口 哲生

B.R.T(Blue Rock Thrush)が1stミニ・アルバム『B.R.T~ Chapter One ~』を完成させた。2019年に韓国から来日し、日本で暮らしながらバンド活動を続けてきた彼らにとって、記念すべき初のフィジカル作品でもある本作には、既発曲含め全6曲を収録。ミュージカル俳優として10年以上のキャリアを持つG1の圧倒的な歌唱力が光るバラードや、これまで培ってきたバンド・アンサンブルを力強く奏でるアップテンポ・ナンバーまで、現時点での集大成であり、未来へ向けた意思を刻み込んだ1枚について、5人に話を訊いた。

-4月26日に1stミニ・アルバム『B.R.T~ Chapter One ~』をリリースされます。バンドにとって初のフィジカル作品ですが、完成させた今のお気持ちはいかがですか?

G1:日本に来たときからの望みを叶えることができて、本当に嬉しいです。その嬉しさは、言葉で言うのが本当に難しくて、今はドキドキしていますね。

-2019年に来日されてからここまで活動してきたことを、しっかり形にできたと。

G1:そうですね。"B.R.T"という名前でアルバムを出せるということは、本当に意味のあることだと思います。

IKU:この期間が形になったことで、これが今まで頑張ってきた証拠なんだって思えますね。

-まさにそうですよね。8Kさんはいかがです? 初のCDを完成させてみて。

8K:僕らの音楽がCDになって手に入れられるというのは、僕も言葉でうまく説明できないほど嬉しいです。やっぱりずっと夢見ていたことだったので。

SAY:僕もですね。今までは配信でしたけど、直接見れる、手に入れられるものを作れたことが、本当に嬉しいです。

8K:それを実現できたのは、事務所やファンのみなさんのおかげだと思っているので、本当にありがたいと思っています。

G1:この前、関係者の人に"韓国人で、日本に住みながらバンド活動している人って見たことありますか?"と聞いたら"見たことない"と。韓国のアーティストだったら、1ヶ月とか2ヶ月だけ日本に活動しに来て、そのあとに帰るそうですけど、僕らは日本に住みながら活動しているので、そのプライドも出せるんじゃないかなと思ってます。

-前例があまりないことをしているという。GONさんは完成させてみていかがです?

GON:"Chapter One"というタイトルの通り、1歩踏み出せたというか。ここからどこまで行けるかわからないですけど、しっかりと歩んでいけるように頑張っていきたいと思ってます。

-ちなみに"Chapter One"というタイトルはどう決めたんです?

GON:スタートとか、そういう意味の名前にしたかったんですけど、いろいろな意見がある中で、"Chapter One"がいいんじゃないかという話になって、決めさせてもらいました。

-ミニ・アルバムには新曲を2曲収録されていて、まずはそちらのお話からお聞きできればと。「この曲の終わりに」は、ピアノやストリングスがメインのバラード・ナンバーで、1曲目として収録されています。

G1:この曲が1曲目になるとは思ってなかったです。アルバムの曲を作るとなったときに、例えば日本のバンドの人たちみたいなリズムとか、ライヴで盛り上がる曲とか、いろいろ考えたんですけど、僕や僕たちの良さとなるとやっぱりバラード系とか、そういう雰囲気がいいんじゃないかなということになって。歌詞は日本語なので、韓国人が日本語を使ってどれぐらい伝えられるかというのは、まだわからないところもあるんですけど、日本人でも韓国人でもわかる感情ってあると思うし、自分が一番表現できることを歌ったほうがいいんじゃないかなと思って、この曲を作りました。

-G1さんが思っている素直な気持ちであったり、自分が表現したくて、それでいて伝えやすいこと、歌いやすいものを曲にしてみようと。

G1:はい。まぁ、歌いやすくはないですけど(笑)。

8K:めちゃくちゃ(キーが)高くてG1しか歌えない(笑)。

-たしかにそうですね(笑)。失礼しました。この曲はライヴでもやられていますよね。

SAY:ライヴ・バージョンとCDに収録されているバージョンとそれぞれ違うので、また違う魅力があるんじゃないかなと思います。

8K:今回のミニ・アルバムには、この曲と「少年は泣かない」という新曲もあって。「この曲の終わりに」はバラード系で、「少年は泣かない」はバンド・サウンドになっているので、その楽しさもあると思います。

-それぞれまったく違うアレンジになっていますからね。

GON:「この曲の終わりに」は、最初の段階から印象がかなり変わったんですよ。最初は、個人的にはバンドで行ったほうがいいんじゃないかなと思っていたんですけど、今のバージョンを聴いたときに"これだ!"と思って。もしかしたら、今は音源のほうの良さにちょっと心が寄ってるかもしれないです(笑)。ライヴ・バージョンは盛り上げる感じで演奏しているので、それも音源にできたらいいなと思いますけど(笑)、そっちはライヴで楽しんでもらえたらいいなと思います。

-IKUさんは「この曲の終わりに」を聴いたときに、どんなことを感じました?

IKU:"こういう曲を書いたよ"ってG1さんがLINEグループに送ってくれたんですけど、歌詞を見たときに"日本に来てこういうことを思っているんだな"っていうのを僕は感じました。それはたぶん僕だけじゃなくて、この曲を聴いたファンの人たちも、こういうことを思いながら活動をしているんだろうなと感じられると思います。

-歌詞の内容については、IKUさんが話していたようなことを書いたと思うんですが、スムーズに書けたのか、ちょっと悩みながらだったのか、どんな感じでした?

G1:結構スムーズに書けました。歌詞としては、僕だけじゃなくてみんなそうだと思いますけど、これまでの人生の中で、"選ぶこと"がいっぱいあったんです。例えば、新しくAというものを選んだときも、昔あったBのことを思い出すことがあって。それはたぶん、終わるまでなくならないんじゃないかなと思ったんです。この"終わるまで"は、"死ぬまで"という意味なんですけど。

-その瞬間まできっと忘れることはないんじゃないかという。

G1:それも嬉しいことだけじゃなくて、寂しいことや悲しいこともあると思うんですけど。だけど、その寂しい気持ちは、やっぱりなくしてほしいなと思って。そういうことを、自分だけじゃなくて、例えば一緒に住んでいる8Kを見て、どんなことを考えているんだろうなってちょっと考えてみたりとか。

8K:僕はそのとき死にそうだったんですかね。

一同:はははははははは(笑)。

G1:そうじゃなくて(笑)、どんな人にも、忘れられなくてずっと心に抱えている大きな気持ちがあるんじゃないかっていうこと。そういうことを考えていたら歌詞もスムーズに書けたし、この曲を聴き終わったときにはこれから前に進んでいけるように、頑張っていける気持ちになれればいいなと思って。なので、僕は悲しい曲を歌っていると泣きそうになるんですけど、この曲は絶対に泣かないようにしようと思ってます(笑)。

-センチメンタルなバラードだけど、決して悲しい曲なわけではないから。

G1:はい、そうです。これからがあるので。

-8Kさんは実際に歌詞を読んでどんな印象を持ちました?

8K:この曲のMVでコンテンポラリー・ダンスをしていて。歌詞とサウンドに集中して、めちゃくちゃ何回も聴きながら振付を考えたんですけど──僕の話のことは知らなかったんですけど(笑)──作るのにそんなに時間もかからなくて。ただ音楽と一緒に動いた感じで終わりました。

-それこそ伝わるものがあったと。

8K:はい、心に刺さったんだと思います。

-先ほど少しお話に出ましたが、もう1曲の新曲は「少年は泣かない」。軽やかさはありつつも、力強く突き進んでいく楽曲になっていますが、いつ頃に作ったんですか?

GON:もとになるものは結構前に作ってましたね。この曲も「花粉症」のときみたいに、長い時間をかけて改造していきました。

G1:いつもはこの曲を作ろうと決めたら、まずIKUとGONが編曲をして、そこからそれぞれが自分のパートを考えるんですけど、この曲は初めてみんなで一緒に編曲をしてみたいなと思って。それで時間がかかりました。