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INTERVIEW

Japanese

近石 涼

 

近石 涼

Member:吉羽 さおり

バンドの熱量にアコギ1本で勝つんやという反骨精神が、今までの弾き語りスタイルを作っていた


-特に、後半部分は歌、メロディの展開もサウンドも怒濤ですしね。

こういう展開ができるのも、バンドの良さな気がしますね、言葉がどんどん溢れてきたので。さっきの一節もそうですし、ところどころの一節を切り抜いて、またそれで違う曲が何曲もできそうなくらい詰め込んだなというのは、すごく思いますね。

-日々、何かをこなすような感じになってしまっている主人公の心情や生活が見える前半のパートに、どんどん色やエネルギーを送り込んでいくような高揚感がある曲で。強いメッセージがあって、また心が熱を帯びていく、心のベクトルがまた前を向いていくようなドラマや芝居を見ている感覚の物語性もあるものだと思います。

ありがとうございます。

-ボリューム感のあるバンド・サウンドはもちろん、コーラス・ハンドクラップなどがいいアクセントになっていますね。

そのあたりは、アレンジの平畑(徹也)さんに助けていただいたなって思いますね。こういう曲は、人の声が重なることによって説得力が増すというか。ライヴでバンドとやることが増えてきて、ライヴをやっていて僕が好きやなと思ったのが、メンバー全員でサビをシンガロングすること。あれが熱いし、バンドならではやなっていうか、弾き語りではどう転んでもできない音楽というか。もともと僕がやりたい音楽はそこにあったかもしれないなと思って。それができないことによる反骨精神みたいなものが、今までの弾き語りスタイルを作っていたというか。バンドの熱量に俺はアコギ1本で勝つんやと思って、ガーッと歌った、それが「ライブハウスブレイバー」(2021年8月リリースのデジタル・シングル)だったりして。その悔しさみたいなところがいつも出ているなと改めて思います。

-バンドを楽しんでますね。

今、すごく楽しいんですよね。"Chameleon Tour 2022"では、1月のワンマン時とはメンバーが変わって。ワンマンでは神戸の上の年代のミュージシャンの方に頼んでいたんですけど、"Chameleon Tour 2022"からは、みんな同い年で昔から同じライヴハウスでやっていた仲間でもあるので。聴いてきた音楽が一緒だったり、同世代の楽しさみたいなものがあって、単純に感覚が似てるというか。音楽的なところでいうと、経験豊富なミュージシャンにお願いしたほうがいいものになると思うんですけど。さっき言ったバンドならではの熱みたいなところは、今の感じがすごくいいなと思いましたね。

-「自分らしさなんて捨てられれば」もバンド感、高い熱量やグルーヴのあるサウンドですが、レコーディングはどういうメンバーなんですか。

レコーディングはまた別で、東京でのレコーディングだったので。アレンジャーの平畑さんの繋がりのミュージシャンの方にお願いをしています。今までのように僕ひとりでやっていたら絶対に関わらないような方たちにやってもらっているのが、すごいなと思って。

-アルバム『Chameleon』からの初のワンマン、そしてツアーへという時間はそんなに長くないですが、これまでの話を聞いているとかなり濃い時間を過ごしているのが伝わってきます。

そうですね。ちゃんとしたエレキ・ギターを買ったのが、1月のワンマンの2週間前だったんですけど──

-今回のジャケ写や新しいアー写で抱えているギターがまさにそれですか。

そうなんです、かわいくて仕方がなくて(笑)。アー写の撮影のときも、当日の朝に何か小物とかあったほうがいいんじゃないかなと思って、特に言われてなかったんですけど、持って行っていいですかって言って採用してもらったんです。今後の作品もおそらくバンド寄りの曲が多くなっていくというか、今回はその皮切りみたいな意味合いでもあるので。

-今できている曲もバンドだからこそのものだったり、エレキを弾いているからこそできている曲だったりするんですね。

そうですね。エレキでデモを作る曲があったり、完全にアコギの曲もあったりと、そのへんが明確になりましたね。アコギやったらアコギの良さが出る曲がいいし、バンドでやるんやったらバンドの良さが出るべきやし。最初はそこで結構悩んでいたんですよね。"バンド"で作る曲と、シンガー・ソングライターの曲をバンド・アレンジしましたという曲では、どうしても違う感じがあって。僕が本来やりたかったのは前者で、まだ模索中で試行錯誤しているところですけど、ツアーを経て、自分の理想に近づけるように、作曲の時点で、バンドやライヴを意識した曲作りにしたいなって思っていますね。

-これからが楽しみになるなというのは、「自分らしさなんて捨てられれば」のMVにも出ていますね。ポップで賑やかな映像に、近石さんの新たな面が見えるものになりましたが、MVでのテーマはありましたか。

今回はひとりというよりも、曲にも合いの手が入ったりする曲なので、人数が欲しいなと思ってアイディアを出したんです。ワンカットで撮るというのは、ディレクターさんからのアイディアだったんですけど、いつかやってみたかったので今回経験できて楽しかったですね。カメラの後ろで、マイクを動かしたり何かを運んだりって、みんなめちゃくちゃ動いていたり。途中でパンを食べるシーンでは、それを飲み込む暇がないまま進んでいたり。ワンカットでいくのでリハで何度か流れを練習したんですけど、そのときは実際にパンを食べずにやっていたんです。"じゃあ、次は本番のつもりでやりましょう!"って言って撮ったものが使われているんですけど、パンを食べたら思ったより飲み込まれへん、ヤバいヤバいってなって。そのままサビにいっちゃう感じになっているので、そのあたりも注目して観てみてください(笑)。

近石 涼
RELEASE INFORMATION

8thシングル
『自分らしさなんて捨てられれば』
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