Japanese
ぼっちぼろまる
2021年04月号掲載
Interviewer:秦 理絵
-今回のアルバムにはストリングスもふんだんに取り入れてますね(笑)。
そう、今回めちゃくちゃ入れたんです(笑)。それも、RADWIMPSを聴いて、いろいろやっててもかっこいいじゃんって思えるようになったからなんですよ。もちろんなんでもやればいいっていうものではないですけど、1本筋が通っていればいい。僕にとって今回のアルバムは、歌詞で1本筋を通したいと思ってたんです。
-歌詞で言うと、今作はラヴ・ソングが多いですね。ラヴ・ソング......というか、"君が好き"っていう気持ちが抑えきれずに溢れ出してしまってるような曲が。
そうですね(笑)。今までもちょいちょいラヴ・ソングは出してたんですけど、気恥ずしいところがあったんですよ。でも結局、自分の人生の中で一番心が動くのって、恋愛のエピソードなんですよね。恋愛の心の動きの幅広さは他の何にも変えられない。で、そういう歌詞を書いたら、とにかく筆が乗ったんです。さっき言ったような自分を覆っていた膜が剝がれて、赤裸々な部分も具体的に書くようになって。僕が本当に書きたかったのはこれだったんだなって気がついて、残りの曲もどんどん書けるようになったんです。
-そのきっかけになった曲はなんだったんですか?
「嘘つき犬が吠える」です。これは何年も前にフラれたときの話なんですけど。フラれて、友達の家に何日も泊まったことがあったんですよ。つらすぎて、つらすぎて、ひとりの部屋に帰りたくなくて。今はもう回復してるんですけど、"すごくつらかったな"っていう感情はずっと覚えてて。そのときの気持ちを思い出して書いたんです。
-歌詞に出てくる"「前に進もう」"とか、そんな会話も実際に交わしたんですか?
そんなにロマンチックなものじゃなかったです(笑)。電車で2時間ぐらい離れたところに住んでて、中距離恋愛みたいな感じだったんですけど。フラれた翌々日ぐらいに"やっぱりやり直したい"と思って、電車で会いに行ったら、追い返されました(笑)。
-(笑)この曲、アイラヴユーって歌ってないじゃないですか。逆に"大嫌い"って連呼してるのに、すごく好きなのが伝わってくる不思議な曲ですよね。
読み返すと、女々しくてキモいなって思います(笑)。
-「嘘つき犬が吠える」も「恋は爆ぜる」もですけど、歌詞で描いてる感情は切ないのに、曲調は明るめですよね。そのギャップも面白いなと思いました。
あぁ、ギャップは持たせたいと思ってますね。あと、聴いた人にいろいろな感情になってほしいんですよ。例えば、何か悲しいことがあったときも、テレビを観て面白かったら笑うし、楽しいときに、ふと悲しいことを思い出すこともある。人って常にいろいろな感情が渦巻いてると思うんです。そういうのを表現する意味で、いろいろな感情が内包している曲であり、アルバムでありってものを作りたいと考えてたんですよ。
-だから、ぼろまるさんの曲って1曲の中で次々に表情が変わったり、展開が切り替わったりするんですね。感情をジェットコースターみたいに揺さぶってくる。
そうですね。例えば、「嘘つき犬が吠える」でも、最初の"大嫌い"は、わりと本気で大嫌いって歌ってるんですよ。でも、途中で拗ねてる"大嫌い"があったり、本当は大嫌いとは思ってないけど、とにかく叫びたいから"大嫌い"って言ってる、みたいな"大嫌い"もあったりする。そういうのはヲタきちとMVについて話すなかで出てくるアイディアでもあるんです。彼は、"俺は音楽的には素人だから"っていう立場で、より情景が浮かびやすい方向に意見をくれたりするんですね。それに引っ張られて展開が変わったりもするので。僕の曲のわりと情緒不安定な感じは、そういうところから生まれてくるんです。
-情景が目に浮かぶ曲と言えば、「青二偲」はあの頃の夏の思い出が蘇るような爽やかなサマー・チューンですね。
夏が好きなんですよね。でも、僕の中の勝手な感覚ですけど、夏って陽キャな方々がウェーイ! みたいな、そういうCMのイメージも多いじゃないですか。
-青空の下のビーチに男女が集まって、みたいな。
そうそう(笑)。だから海とかはあんまり行きたくないんですよ。陽キャの方たちが覇権を取ってる感じがあって、あんまり楽しめないと思ってたんです。でも今思い返すと、陰キャの夏も楽しかったなと思って。ハイスクールのときに、夜、野球場があるようなでっかい公園で友達と遊んでたんですよ。"あいつムカつくぜ"とか、"あの子、かわいいよね"とか、全然彼女もできなかったけど、そんな話をしてて。そしたら、ふって流れ星が流れたんです。そんなことが本当にあるんだって感じで。
-青春ですね。
当時は嫌な想いをしたり、蔑まれて悲しい想いもしたりしたけど、ちゃんと楽しいこともあったんですよね。「青二偲」を書いてみて、そうやって振り返れる今が大事なんだなっていうのは思いました。
-「青二偲」に続く「1day」はサウンドが一転して、まったりとしたテンポを刻むヒップホップですけども、どんなふうに作ったんですか?
これは息抜きで書いてみようと思った曲ですね。"うぉー、頑張って作るぞ"って2、3曲できたあとに、"ちょっと疲れちゃったな"と思って。アルバムに採用しなくてもいいから、適当に作ってみようかなっていうときに、ぽろぽろギターを弾きながら、ラップっぽい曲をやってみようと思ってできた曲です。
-トラックはクールなのに、自分の冴えない日常を淡々と綴る歌詞もまたギャップですね。
アルバムの中では一番平凡な歌詞ですよね。他の曲ではフラれたり、告白したりしてるけど、この曲では何も事件が起きないんですよ。普段生きてたら、これが一番リアルだと思うんです。"あの子に電話しようかな"って悩んでるだけで、結局かけることもできない。でも、そうやって思うだけで1日の終わりが違うような気もするんです。歌詞に書いてみると、それはそれで意味のある1日を過ごしてるのかなって。普通の1日でも、こういうふうに感情は変化するんだなって思いましたね。
-ぼろまるさんは歌詞を書きながらいろいろ気づくことが多そうですね。
たしかに。何か考えをまとめてから歌詞を書くというよりは、こういう言葉があるけど、それは自分の中でどういう立ち位置の言葉なんだろう? って考えて組み立てていくので。完成形を見て、自分はこういうことを考えてたんだなって気づくことが多いですね。
-アルバムを締めくくる「ガラクタ讃頌」は賑やかなアレンジが楽しかったです。
おもちゃ箱みたいな曲ですよね。アルバム全部を通して、わりとガチャガチャしてるので。そういう音楽が好きなんだと思いますね。
-この曲はアルバムのタイトル・トラックに近い立ち位置の曲でもあるんですか?
アルバムをまとめる曲ですね。それまで6曲の流れがあるんですけど、それぞれ、ダメな......というか、ガラクタみたいな人間が出てくる。登場人物にちゃんとした人がいないんですよ。でも、ちゃんとしてる人かどうかって本当はわからないと思うんですね。一見、ちゃんとしてるように見える大人も、隠してるだけでダメな部分は持ってると考えてて。ダメだったときの黒歴史を抱えながらみんなそれぞれ生きている。もちろん社会を回していくためには、ちゃんとしなきゃいけないけど、僕はそういうダメな思い出も大切にして生きていたいと思ったんです。今までの黒歴史があるからこその今だから、そういうものも捨てないで取っておいてほしいなっていうのを思いながら書きましたね。
-最後に「ガラクタ讃頌」があることで、前半の6曲の印象も変わる気がします。ダメ人間ながらも、恋や、日常に一生懸命な姿が愛おしくなるというか。
そうですね。一応、今回のアルバムにはふわっと自分の中で裏テーマがあって。アパートの部屋にそれぞれ住んでる人たちの話を書きたかったんです。一番端っこの部屋にいるのがゴミ屋敷の「ガラクタ讃頌」なんですけど、そのアパートに住んでる7人の中で、たぶんこの人が誰よりも楽しそうに生きてると思うんですよ。他のみんなのことを窓から眺めて、"それでもいいんだよ"って言ってそうですよね。
-あぁ、わかります。あと、「ガラクタ讃頌」では"生まれた時泣いて始まって"とも歌ってますけど、今回のアルバムは、"最期は笑って終わりたい"というようなぼろまるさんの死生観も込められているように感じました。
そうですね。"楽しく笑って死にたい"みたいなことも歌ってるんですよね。
-「超あい」はそういう曲ですね。
うん。作ってるときは、よくそういうことを考えてたんです。特に死生観を表現したいとは思ってないんですよ。でも、人生を書きたいとは、なんとなく思ってたのかな。結局、「1day」みたいな何もない日が1個ずつ続いて人生になるわけじゃないですか。フラれて、また誰かを好きになったり、結婚したりして、いろいろなガラクタを抱えて死んでいくと思うんです。今回、死について曲単体として歌ったものはないですけど、人生の終わりは死だから。人間の人生を書くにあたって、死も触れるべきところだったんでしょうね。
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