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INTERVIEW

Japanese

harue

2021年03月号掲載

harue

Member:円Do(Vo/Gt) 五木田 将也(Gt/Cho) takumin(Ba) 塚口 和真(Dr/Cho)

Interviewer:稲垣 遥

-では、1stミニ・アルバム『Dear my hurt』についてお聞きしていきます。今作は初の全国リリースということになりましたが、どんなお気持ちですか?

塚口:自分が高校生のときに、全国流通は限られた人しかできないって言ったら大袈裟かもしれないですけど、自分じゃ到底考えられなかったというか。オリジナルのバンドを高校卒業してやってたんですけど、CDを出すこと自体がまず考えられなかったし、自分たちにお客さんがついてくれることっていうのもあんまり現実的じゃなくて。なので、実感が湧かない感じです。

-当然普段ライヴに来てくれる、顔を知っている方たち以外にも届きますからね。

塚口&円Do:嬉しいです。

-ピュアな言葉が飛び出てきていますが、ということは、今作の収録曲は今のベスト盤のような感じで選んだんでしょうか?

塚口:そうですね。今回のミニ・アルバムを作るときに、harueらしいアルバムにしたいなっていうのを話してて。「居場所」とか、「僕なりの青春」とかは今までシングル(2019年2月リリースの『居場所』/※現在は完売)やEP(2019年9月リリースの『春へ』)で出してたんですけど、それの純度をもっと上げて、もう1回レコーディングして入れたいねって話になったので、これ聴いときゃいいでしょ! みたいな感じのアルバムではあります。

-"Dear my hurt"というアルバム名からも、聴き手に伝えたいものがしっかりとあるんだなと思いましたが、いかがでしょうか?

塚口:ベースのtakuminが"Dear my hurt"って言葉を提案したんです。

takumin:僕はやってる側なんですが、曲全体を見て、人の痛みを歌ったものが多い印象を強く受けたので、心の傷に対して受け手がどう感じるかっていうテーマにしたら、一番いいかなと思ったんです。そこで出てきたのが手紙でいう"親愛なる~"で、それを英語にしたものにしました。

-傷を負った人に届けたい作品ということですね。1曲目の「theme」を聴いた瞬間に、バンド全員で前のめりにガツンとくるやる気みたいなものが伝わってきて、いいなと思いました。インスト曲を最初にもってこようというのは何かアイディアがあったんですか?

塚口:そうですね。インストも前々から作りたいねって話はしてたんですけど、もともとショート・チューンを作ろうと思ってたんです。ショート・チューンをセッションで作る段階になったときに、気づいたらインストになってました。あと僕たちライヴ始まるときのSEで他のバンドさんの曲を使ってたんですね。で、これSEにしたらかっこいいんじゃない? みたいな意見も出て、それで作っちゃいましたね。そういう意味でも"theme"にしました。

-そのイメージはすごく湧いて、もしかしたらライヴですでに使ってるのかな? とかも思ってたんですよ。

塚口:今後使っていきたいっていう感じです。

-しかも逞しいというか、それこそライヴのSEで使ったら円Doさんみたいな女の子が出てくるとは思わないかも。

円Do:あぁ~たしかに(笑)。

-そして、この曲から続くのがリード曲の「call of now」です。このタイトルはコロナをもじっているということですが、この状勢から感じた想いを込めて作ったんですか?

円Do:そうですね。このコロナでみんなネガティヴになってるかなっていうのと、自分もライヴとか活動が全然できなかったので、ネガティヴになってたんですけど、そんなときに曲を作って、そのネガティヴが曲にいっちゃうのがすごく嫌だったんです。なので、みんなも元気にできて自分も元気になれる感じの、ポジティヴな曲がいいなと思って作りました。今までの曲って、ポジティヴに見えて意外と歌詞がネガティヴだったりしてたんですよ。でも、初めてポジティヴに振り切った曲ができたので、コロナ禍でみんなを明るくできたらいいなと思って、タイトル決めるときに"コロナ"で"call of now"にしちゃうみたいな。翻訳したら意味わかんないと思うんですけど(笑)、まぁいいかなと思って。だから、コロナ・ソングですね。

-コロナ・ソングと言っても鬱憤をそのまま歌うんじゃなくて、あえて「call of now」という曲にすることで、コロナをポジティヴに変換しようと思ったんですね。

円Do:はい。

-他の曲もそうですが、「call of now」は特に、一発で覚えられるキャッチーなメロディがいいですね。例えば、ライヴで初めて聴いても2番のサビは一緒に歌えそうな力があるなと。

円Do:それはちょっと狙いました(笑)。サビの頭で投げ掛ける部分では、お客さんも一緒に歌えるくらい覚えやすいものを意識して作りましたね。

-この曲をリード曲にしようというのはそのあたりからですか?

塚口:全部リード曲にしたいくらいなんですけど、この曲は笑っちゃうくらいストレートでわかりやすいというか、キャッチーなので。MVだしコロナだし、これだっていう。一番harueらしいのかなと。

-harueらしさっていうのは、そのキャッチーさや、メロディの強さですか?

塚口:あと速さですね。

-速さもこだわりなんですね。

takumin:BPM 200超えてんの大事。

塚口:BPM 200超えてから話始める。

円Do&五木田:(笑)疲れる。

塚口:疾走感とか青春感を出すのって速い曲のほうがやりやすいというか、自分たちにもそれが合ってるなって思ったので、BPM 200以下の曲も入れつつバランスとってる感じですね。

-それと先ほども話が出ましたが「居場所」、「pacific」、「僕なりの青春」は再録なんですよね。再録するときにアレンジなどが変わった曲もあったりするんですか?

塚口:もともと「居場所」と「pacific」と「僕なりの青春」ってすごく初期からやってる曲で、今僕たち結成して2年半なんですけど、2年半で自然と変わっちゃうんですよね。最初の音源と全然違う現象があったので、それ踏まえて前の音源よりも、もっと疾走感や純度を上げて録り直したいなっていう気持ちがあって再録したんですけど、BPMも変わってて。速くなりました。

-そこはどういう意図で上げていくんですか?

takumin:難しいことは関係なしに、全員の気持ちいいリズムっていうのが大きいかもしれないですね。

-今のバンドのモードとして速いのがしっくりくるんですね。今作の中では唯一五木田さんが作った「pacific」は、初ライヴからやっている曲だそうですが。

五木田:そうですね。バンドができて最初「僕なりの青春」を円Doが持ってきて、「pacific」ができて、この2曲は初ライヴからやってます。

-ショート・チューンの話もありましたけど、これも2分ほどの曲で。

五木田:自分も最初ワンコーラスくらいのつもりで曲を持ってきたんですけど、完成してみたらこれくらいかなっていうので、あんまりつけ足さずにきれいに収まった感じですかね。

-熱い曲や爽やかな曲が多い中で、比較的クールな方向でかっこいいナンバーですよね。

五木田:ありがとうございます。

takumin:ヴォーカルもこれ歌うときはクールになるんですよ。

円Do:(笑)ライヴで「pacific」があるとスイッチが入るみたいなところがあって、将也が作ってくる曲は自分がスイッチを入れられる曲が結構多いんですよ。だから、セトリの中に1曲でも入っているとライヴがうまくいくって感じがあります。