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INTERVIEW

Japanese

錯乱前戦

2020年03月号掲載

錯乱前戦

Member:ヤマモトユウキ(Vo) 成田 幸駿(Gt) 森田 祐樹(Gt) 佐野 雄治(Ba) サディスティック天野(Dr)

Interviewer:山口 哲生

2017年の始動直後、"出れんの!?サマソニ!? 2017"で約3,000組の中から出演権を獲得。先人たちからのラヴ・コールを受けてツアーに参加するなど、今熱い視線を注がれている5人組ロックンロール・バンド、錯乱前戦が1stフル・アルバム『おれは錯乱前戦だ!!』をリリースする。そのタイトルのごとく、瑞々しくて、衝動的で、拳を突き上げずにはいられなくなる、プリミティヴなパンク/ロックンロールを轟かせる5人に話を訊いた。このどこまでもまっすぐな音像は、ここから多くのロック・ファンを虜にする。

-高校の軽音部で結成されたそうですが、中心になった方はいらっしゃったんですか?

ヤマモト:いや、特にいなかったです。

天野:中心っていうよりは......俺と成田が同じクラスだったんですよ。で、モーリー(森田)とヤマモトも同じクラスで、佐野ちゃんだけ階が違うクラスだったんです。

成田:でも、佐野ちゃんと俺が、小学校が一緒で。

ヤマモト:ふたりは野球部だったんですよ。

佐野:そこでちょっと繋がりがあったんで、俺だけクラスは違ったけど、この3人(成田、佐野、天野)でつるむようになって。で、ふたりがバンドやるっていうから、じゃあ俺も一緒に軽音部入ろうと。

-5人で組むことになったきっかけはあったんですか?

ヤマモト:男が少なかったんで、自然にくっついた感じでした。軽音部って最近の傾向として男子が少ないんですよ。

佐野:女子は吹奏楽部から流れてくる人もいたから、女子のほうが人数多かったですね。

-そうなんですね。こういうバンドをやろうよみたいな話は?

ヤマモト:何もなかったです。

-最初にコピーをするとかは?

ヤマモト:しました。軽音部でみんなとりあえずやることになっていた曲があって、GREEN DAYの「American Idiot」を......このバンドではやってないのか?

天野:うん。やってなかった。

成田:KANA-BOONとか、SPYAIRとか。

佐野:あぁ、やってたね。

ヤマモト:最初はそういうところからでしたね。一般的というか、流行りモノをやってました。

-そこから錯乱前戦の音楽に至るまでというと?

ヤマモト:うちの軽音楽部は"曲を作れ"みたいな感じだったので、曲を作るとなったら、ヴォーカルが俺なんで、俺の趣味にみんなが近づいていったというか......。

成田:ユウキがパンクとかロックンロールとかのCDをみんなに貸して、それをみんなが聴くようになって、そこから今自分たちがやっている音楽になっていきました。

-ヤマモトさんは昔からパンクやロックンロールが好きで、自分たちで曲を作るならこういうものがいいと。

ヤマモト:そうですね。

佐野:(ヤマモトが)広めたというよりは、勝手に伝播していった感じでしたけどね。

ヤマモト:うん。俺が頑張ってたとか、俺がすごいとかってことじゃなくて、普通に聴いていたものがかっこ良かったから、それを聴かせたらみんなも好きになったっていう感じですね。当時流行っていたものではなかったけど、かっこいいものに向かっていったというか。

-ちなみに、どのあたりをみんなに聴かせていたんですか?

ヤマモト:......どうだったっけ?

成田:俺が最初に借りたのはTHE CLASHの『The Singles』だったけど。

ヤマモト:でも、いきなり洋楽ってちょっとアレだなと思ったから、邦楽も渡してた気がする。

佐野:GOING STEADYの『さくらの唄』とか持ってきてたよね?

ヤマモト:CDもあったけど、YouTubeも多かったかも。

森田:あぁ、そうだ。(URLを)LINEで送ってきてた。

ヤマモト:俺、中学のときは洋楽しか聴いてなかったんで、高校1年生の1年間は邦楽の開拓期みたいな感じだったんですよ。邦楽のカッコいいバンドを知っていく時期だったから、そこはあんまりみんなと変わらないかも。

-中学時代にはどんな音楽を聴いてたんですか?

ヤマモト:QUEEN、THE ROLLING STONES、THE CLASH、NEW YORK DOLLS。その4バンドと、あとはSEX PISTOLSとか、THE WHOとかをちょこちょこ。QUEENが最初で、THE ROLLING STONESは写真を見てかっこいいなと思って、おじさんからベストを借りてハマりました。THE CLASHはユニクロのTシャツとコラボかなんかしてて、先にTシャツを買って、そのあとに音楽を聴いた感じでしたね。

-昔から楽器を弾いたりはしてたんですか?

ヤマモト:いや、楽器とかはやってなかったんですよ。だから、伴奏はまったくできなかったけど、歌詞を書いて歌うみたいな。高校のときはそういう感じでやってたのかな。

佐野:そのときに聴いていたCDとかに影響されて曲を作ってたよね?

ヤマモト:うん。そこは今もそんなに変わってないけど。

成田:最初の頃はユウキが歌詞を書いて、コード進行はギターを弾けるモーリーとか俺が作っていたんですけど、途中からユウキがギターを練習し始めて弾けるようになったんですよ。そうやってできる人がどんどん増えていった感じですね。

-成田さんは昔からギターを弾いてたんですか?

成田:ギターを始めたのは中3の夏ですね。お父さんにエレキ・ギターが欲しいっておねだりして買ってもらったんですけど、そのときには高校に行ったら軽音部に入ろうと決めてました。けど、正直ちょっと恥ずかしかったから、"野球部か軽音部に入ります"って自己紹介のときには言いましたね(笑)。

天野:教壇にひとりずつ立って自己紹介させられたんですよ。入りたい部活とかを言わされて。

成田:髪が短かったんで、こんな野球部みたいな髪の毛のやつが言うの恥ずかしいなって。今は髪が短くてかっこいいロッカーがいっぱいいるのを知ってるけど、当時はそれも知らなかったんで。

-どんな音楽が好きだったんですか?

成田:昔は流行りモノばっかり聴いてましたね。自分の音楽プレイヤーも持ってなかったんで、音楽を聴くタイミングというと家族で出かけたときの車の中で、両親の好きな音楽をよく聴いてました。小田和正とかユーミン(松任谷由実)とか、あとはZARDとか大黒摩季とか、80~90年代のJ-POPがよく流れていてパンクやロックンロールは全然聴いてなかったです。

-森田さんはギター経験があったんですか?

森田:ギターを持ったのは軽音部に入ってからですね。

ヤマモト:そうなの?

森田:うん。家にはあったんですよ。父親がギターを持ってたけど、俺は触ってなくて。中3の夏ぐらいまでは音楽に興味もなかったし。

ヤマモト:マジ!?

森田:それまでは成田と同じような感じで、音楽がしっかり耳に入ってくるのは車に乗ってるときぐらいだったし、チラっとテレビで流れる曲をなんとなく覚えるぐらいで特に意識してなくて。でも、中3の夏にLED ZEPPELINを聴いて、そこから音楽にハマりました。あと、高校の国語の先生がブルースを教えてくれて、Stevie Ray Vaughan、Jimi Hendrix、John MayerとかのCDを貸してくれたんです。

佐野:その先生、俺の担任だったんですよ。

森田:普通にいろんなジャンルは聴きますけど、それ以来ブルースにどっぷりですね。最近思い出したんですけど、俺、もともとは写真部に入りたかったんですよ(笑)。でも、写真部がなかったから、ツェッペリン(LED ZEPPELIN)とかかっこいいし、軽音部に入ろうと思って。