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INTERVIEW

Japanese

LONGMAN

2020年02月号掲載

LONGMAN

Member:さわ(Ba/Vo) ひらい(Gt/Vo) ほりほり(Dr/Cho)

Interviewer:吉羽 さおり

四国 愛媛発、男女ツイン・ヴォーカルのメロディック・パンク・バンド、LONGMANがメジャーでの1stフル・アルバム『Just A Boy』をリリース。これぞLONGMANという、切なさを帯びたグッド・メロディを、抜群のキャッチーさを持ったハイトーンの女性ヴォーカル さわとソングライターであるひらいのヴォーカルが鮮やかに彩る曲が並び、且つ今回はメロディックばかりでなく幅広いジャンルのカラフルな曲が揃っている。その多彩さをLONGMANとしてポップに昇華して、瞬時に耳を捉え、じっくり心に沁みこませていく、3人にとってのスタンダードが完成したという感触だ。アルバムへの想いを3人に訊いた。


不安がある人も多いと思うけど、そういう人と"いろいろあるよね、しんどいよね"って一緒に語り合えるものにしたかった


-メジャーでの1stフル・アルバム『Just A Boy』が完成しました。LONGMANのこれまでとこれからを繋ぐような作品になったと感じますが、3人としてはどんな作品を思い描いて制作に向かいましたか。

ひらい:ここで勝負だなと思っていたので。今回は選りすぐりの曲で、出し惜しみをせずに選んでいますね。

ほりほり:でも、あまり選曲に悩まなかったというか。すんなりと、これとこれとこれでっていう感じでした。

ひらい:そうですね。多少バランスは考えましたけど、基本的にはいい曲順にという感じでした。だからもう、次のアルバムが怖いんですよね。

さわ:早い(笑)。

ひらい:次はまた1から作らないかんなというところですね......。

ほりほり:頑張れ。

ひらい:そのくらい後先考えずにいいものを出そうっていう。

-では、期間的には古いものもあるんですね。

ひらい:めちゃめちゃ古い曲もありますね。3年くらい前のものから最新のものまであって。今回は50曲くらいから選んでいて、制作中にできた順で番号を振っていたんですけど、このアルバムには1番目も入っているし50番目、最新の「One Day」も入ってますね。一番古い曲がドラマの主題歌(テレビ東京 木ドラ25"ゆるキャン△"主題歌)になった「Replay」で。この曲は、コード進行だけずっとあったものなんですけど、メロディが作れなくて。スタジオでほりほりに"試しにこれにメロディつけて"って言って、いきなり歌ったやつが良くて(笑)。

ほりほり:才能見せちゃったかな。

ひらい:そこから全部作っていった感じでしたね。

-「Replay」は温めていた曲で、どこかのタイミングで出したいという思いがあったわけですか。

ひらい:この曲はバラードだし、当時のLONGMANで出すには早すぎるかなというのもあったので、出すポイントをずっと窺っていたんです。今回、ありがたくドラマの主題歌にも決まったので、一番いい形で出せたのかなと思います。

-今のLONGMANならできるという確信があったんですね。

ひらい:そうですね。今までのアルバムでいろんな曲を出してきたので、パンクだけじゃない部分を、今のLONGMANでやってもお客さんがキョトンとしないというか。今ならいいかなっていうのはありました。

-今回のアルバムでは、制作面やレコーディングでの変化はあったんですか。

ひらい:いつも通りですね。僕がギターでデモを作って、みんなでドラムなどをつけて、というところでは変わらないです。レコーディングもチーム自体が変わっていないし、スケジュールも変わらずタイトで(笑)。

ほりほり:このアルバムもたぶん1日、2日でドラム録りが終わってるんですよ。

ひらい:ギターに関しては、今まで基本的にCDにはギターを2つ、3つ重ねていたんですけど、今回はあえてほぼひとつだけで。これは流通盤では初めてだと思います。

さわ:あとは、「Opening」で新しいエフェクターを使いました。

ひらい:あ、そうだ。

-LONGMANお馴染みのオープニング曲ですね。

ひらい:そこは、今回アレンジャーさんに入ってもらったのが大きかったですね。「Opening」もそうですけど、「Replay」でも入ってもらっていて。そこはちょっとした変化でもありますね。

ほりほり:アレンジはしたいけど、どうアレンジしたらいいかが難しいなという部分を相談しつつという感じで。シンセを足したいとき、どうするかとか。

ひらい:これまで全部リード・ギターでやっていたところを、「Replay」は大サビでちょっとシンセを入れてもらったりしてますね。LONGMANの世界観を崩さないように、うまいこといけたかなと思います。でも「Opening」はガラッと変えた感じですね。まだ(取材段階では)僕らも仕上がりは聴いてないんですけど。

-「Opening」はアルバムを幕開ける1曲目だから、そこで変化があるとこれまで聴いてくれた人も驚きや期待が高まりそう。

ひらい:この「Opening」自体がもう7、8回目になるので。そろそろ違うことをしたいなっていうのがあったんです。

さわ:最初にひらいさんから、今回こういう感じにしたいよねっていうデモが送られてきたとき、笑ってしまって(笑)。

ひらい:いい変化をつけないといかんなと思っているので。Steve Vaiからインスパイアされたというか、こういう雰囲気でっていうのを作ったんです。

-定番こそアップデートしないといけないですからね。また全体的な歌詞では、これまでのことや未来を見据えての心の動きが素直に綴られた感があります。心境的にはどういうモードだったんですか。

ひらい:心境的には常に身の引き締まる思いというか、不安ばっかりなので、それをさらけ出している感じですかね。同じようにいろんな不安がある人は多いと思うんですけど、そういう人たちと"いろいろあるよね、しんどいよね"って言い合って元気になるみたいな(笑)。一緒に語り合っているものにしたくて。