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INTERVIEW

Japanese

リリィ、さよなら。

2020年03月号掲載

リリィ、さよなら。

リリィ、さよなら。

Official Site

メンバー:ヒロキ(Vo/Pf/Gt)

インタビュアー:沖 さやこ

熊本出身のソングライター兼ヴォーカリスト、ヒロキのソロ・プロジェクト、リリィ、さよなら。が初のデジタル・バンドル・アルバムをリリース。これまでのオリジナル・アルバムの特典楽曲として発表してきた音源に、中国の人気シンガー・ソングライターである汪苏泷のカバー曲と「首すじごしのアイラブユー」をバンドでリアレンジした2曲を新録している。CDデビュー前の楽曲も収録されるなど、リリィ、さよなら。の歴史を辿ることができる内容だ。今作を通して、ヒロキの変化や現在の心境を探っていった。

『サイドストーリー』はデジタル・バンドル・アルバムということで、これまでの作品の購入特典や早期予約特典として世に出ていた楽曲たちを主に収録した作品です。手に入れられなかった方々にはありがたいアルバムではないかと。

リリィ、さよなら。がインディーズ・デビューをして、2020年2月で5周年になるんです。最近僕のことを知ってくださった方々から"(特典の楽曲は)もう聴くことはできないんですか?"と言っていただくことが多かったので、節目のBサイド・ベストみたいな作品ですね。特典と言えども一生懸命作った曲たちなので、この機会に聴いてほしいし、楽曲の良さを知ってほしくて。

-「ナイト・トレイン」なんて、CDデビュー前の配信曲ですもんね。

この曲のデータは僕も持ってなくて(苦笑)。

-なんでご本人が持ってないんですか(笑)。

データをPCにしか入れてなくて、そのPCが壊れたタイミングでなくなっちゃったんです......。だから僕もありがたいです(笑)。2ndミニ・アルバム『ハッピーエンドで会いましょう』の特典だった「流星群の降る丘で」もアマチュア時代の代表曲で。二十歳くらいのときに進学とともに上京したタイミングで、東京に来てから初めて書いた曲なんです。池窪浩一さんのアレンジのおかげで、まさにタイトル通りの幻想的な楽曲に仕上がってて......。

-すごく完成度の高い楽曲でしたよね。

当時この楽曲をマスタリングしてくださったエンジニアさんからも"これ特典なんですか......?"と言われました(笑)。大事な曲だし、死ぬほどCDに入れたかったんですよ! 念願叶って収録です。

-特典の曲だとはいえ、クオリティが低いわけではないぞ! と。

オマケというか添え物的な曲を集めたように見えるかもしれないですけど、自分としてはどの曲も"アルバムに入れるぞ"、"A面を作るぞ"と意気込んで作ってますね。作品のコンセプトに合わないなどの理由があって入れられなかった楽曲たちです。"サイドストーリー的に見えるかもしれないけど、一曲一曲が主役を張れる楽曲だ! 僕にとってはサイドストーリーなんかじゃない!"という皮肉を込めてタイトルを付けました(笑)。そういう曲たちをアルバムとして聴いていただけるのは嬉しいし、楽しんでいただけると思います。

-権利の問題をクリアできて良かったですね。

本当に関わってくださったみなさんのおかげです。本当、僕の人生は螺旋階段だなと思います。小さい頃からおばあちゃんに"あなたはほかの子が3歩進むところで1歩しか進めんけんね。それでも1歩ずつ進まないかんよ。歩みを止めちゃだめよ"と言われてきたんです(笑)。2013年に「約束」をデジタル・リリースして、今回新たに録音した新曲「in my youth」とリアレンジした「首すじごしのアイラブユー」を収録して......8年分の歴史が詰まった作品になりました。

-「百合丘」のエピソードは5年前のインタビューで聞いていたので、"ヒロキさんこんなこと話してたな"と懐かしくなりました。

僕も昔の日記を読み返してるみたいで(笑)! 若かったなー......。幼い恋がそのまま書いてあって、このときと同じ気持ちで歌詞は書けないなって。"君の部屋までの10分 ふざけたりして帰ったね"って......今は帰り道でふざけないですからね(笑)。その時その時に書ける曲を書いておいたほうがいいなと改めて思いました。アーティストとしても人としても、人生が投影されてるなと。

-お話聞いていて思いましたが、特典になった曲たちは飾ってない曲が多いかな?

あ、そうですね! 「フラッシュバック」(2015年リリースの2ndミニ・アルバム『ハッピーエンドで会いましょう』収録曲)とか「シアワセな機械」(2016年リリースの3rdミニ・アルバム『どうして君は世界で一人』収録曲)とか、やっぱり盤に入った曲たちは"できるだけたくさんの人に聴いてもらいたい! 聴いてくれた人の心と強くリンクしたい!"と思って仕上げた曲だから。でも『サイドストーリー』の曲たちは完全に言いたいこと言ってます(笑)。共感してもらう気ゼロな曲が多々ある!

-とは言え、そんな好き勝手書いたものに共感している人は多いと思うんです。今回バンド・アレンジでリレコーディングされた「首すじごしのアイラブユー」なんて、ネットで共感の声をいろいろと見掛けますよ。

いや、それが僕としては"こんなこと歌っていいの!?"と思う曲だったんですよ。だから世の中みんないろいろ事情を抱えているんだなとびっくりして......。みんな大丈夫なのかな!?

-(笑)作った当初からバンド・アレンジにしたい気持ちがあったんですか?

作った当初から......わかりやすく言うと椎名林檎さんの「丸の内サディスティック」ですよね。ミュージシャンは誰もがみんな1回はあれをやりたいと思うんですよ(笑)! ちょっとアダルトで、おしゃれでジャジーな音をやりたくて、僕の相棒のkoma'n君にアレンジを作ってもらいました。やっぱりkoma'n君は鍵盤の人だから、そういうアレンジが合うんですよね。いろんなギミックがたくさん入って、スタイリッシュな曲になりました。特典のときの弾き語りバージョンはもっと泥くさかったのに、koma'n君のアレンジほんとおしゃれ~!