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INTERVIEW

Japanese

CARRY LOOSE

2020年02月号掲載

CARRY LOOSE

Member:パン・ルナリーフィ YUiNA EMPiRE ウルウ・ル ユメカ・ナウカナ?

Interviewer:宮﨑 大樹

2019年10月にセルフ・タイトルとなるアルバムでデビューを果たしたCARRY LOOSE。デビューからまだ3ヶ月ほどしか経っていない彼女たちだが、そのライヴ・パフォーマンスは見違えるほどに成長を遂げている。どうやら、感情を剥き出しに歌詞を届けるというアイデンティティが、彼女たちの中で確立されてきたようだ。そんな彼女たちが完成させた1stシングルは、CARRY LOOSEらしい疾走感溢れるバンド・サウンドに乗せて、彼女たちにしか歌えない言葉をエモーショナルに紡ぎだす、改めての名刺代わりとも言える1枚となった。

-意外なことにお披露目からまだ3ヶ月ほどしか経っていないんですよね。

ユメカ:そうですね、めっちゃ経っている感じがします。

-昨日のライヴ(2020年1月17日開催の"SHINJUKU LOFT KABUKI-CHO 20TH ANNIVERSARY「東京STREET2020」")を観たんですよ。もちろんファンの方ほど頻繁に観ることはできていないのですが、そのぶんハッキリと成長を感じたのと、CARRY LOOSEのエモくてカッコいい部分で勝負できているんじゃないかなと。最近のライヴの手応えはどうですか?

パン:お披露目のときはみんな緊張してガチガチな感じでしたし、それ以降も振付を変えたりしていたので、毎回何かと緊張感があったんです。それが最近やっと落ち着いてきましたね。"変更した振付について考えながらライヴする"っていうのは終わったというか、"何も考えずに"って言ったらあれですけど、4人とも感情を剥き出しにできるようになってきたのかなって感じました。

ユメカ:最近はみんなでライヴの前に"今日はこういうライヴにしていこうね"とかを話し合えるようになってきたから、そういうのも理由なんじゃないかなって思います。"こういうセットリストだからこうだね"とか。楽しませ方を研究できるようになってきたなって。

-ちなみに昨日のライヴのテーマはどういうものだったんですか?

ユメカ:昨日は、"「When we wish upon a star」(2019年10月リリースの1stアルバム『CARRY LOOSE』収録曲)から始まるから、ゴリゴリにエモを作り出そう!"みたいな。

YUiNA:初っ端からね。

パン:前にも「When we wish upon a star」から始まるときがあったんですけど、そのときはうまく自分の気持ち、感情を曲に乗せてお客さんに伝えることができなくて、お客さんに伝わらずに終わってしまったんです。1曲目に「When we wish upon a star」が来たとしても全開に気持ちを伝えなければいけないなって思って、出番前準備していました。

ユメカ:ライヴが始まる前に、みんなが思い入れのある曲を聴いたりして感情を作ってステージに出たんです。そういう準備をしっかりできるようになってきたなって思います。

-個人的に感じたみなさんの成長や印象なんですけど、まずウルウ・ルさんはライヴ中の表情が豊かになりましたよね。普段はクールなイメージがありますけど、ライヴ中の笑顔も多くなりましたし。

ウル:そうですね、最近、笑わないのがダメだなと思って。"笑ってる人のほうがみんな好きなんだな"っていうのを最近学んで、常日頃から笑っていこうとしています。あとは「RAKUEN」とか、「たんたかたんたんたん」(『CARRY LOOSE』収録曲)みたいな曲をやってると自然に面白い気持ちになってきますし、ファンの人が笑ってると私も笑いたくなりますね。

-ウルウ・ルさんと一緒にステージに立っているみなさんは表情の変化を感じてましたか?

ユメカ:思いますね! Twitterとかで(写真が)回ってきたりすると"かわいい~!"って(笑)。

YUiNA:ウルちゃんが笑ってくれると"あっ、笑ってくれた!"ってなりませんか? それがキュンとしますね。

-YUiNAさんは歌の安定感がすごくあるなと感じました。エモーショナルに歌いつつも、感情を出しすぎてテンポや音程がずれるというのがまったくなくて。

YUiNA:ライヴを重ねていくうちに、"CARRY LOOSEは詞を届けたい"っていうのが共通認識として固まってきたので、より詞をどうやって表現しようかとか、強弱とかも意識して歌うようにはしています。あとは"全部をカッコ良く歌おうとしない"。それは松隈(ケンタ/サウンド・プロデューサー)さんから直接アドバイスをいただきました。

-"全部をカッコ良く歌おうとしない"んですか。

YUiNA:曲には見せ場があるから、全員がカッコ良く歌っちゃうとメリハリがなくなっちゃうというか。自分の歌うところはもちろんしっかりと歌うんですけど、曲の見せ場を意識して歌ってますね。

-パンさんは"エモさ"に磨きが掛かった印象でした。

パン:歌ってやっぱり個性が大事なんだなって思うんです。自分はずっと無個性なことに悩んでいたところがあって、"私の歌が聴きたいと思うようなポイントはなんだろう?"っていうのは、もっと突き詰めていかなければって考えています。ブレスを意識したり、語尾だったり、感情がより伝わるような歌い方をしたいなと。

-無個性が悩みっていうのは自分自身の中でですか? それとも周りから言われるんですか?

パン:言われもしますし、自分でも思ってます。"何が個性?"って言われたときに"何もないな"っていうのが常日頃あるんです......すべてにおいて。

-エモーショナルな部分が伸びることで、それが"個性"になってきている気もしますけどね。気持ちを伝える力が高いっていうのは、もはや個性なのかなって。

YUiNA:たしかに。

パン:それを突き詰めていけるようにします。

-そして、ユメカさんは以前のインタビュー(※2019年11月号掲載)で"力強く歌えるようになりたい"と言ってたんですよ。たしかにこのメンバーの中だと、王道アイドル的な歌い方に近い部分もあったのかなと思いますが、今は力強く歌うことができている印象です。

ユメカ:ありがとうございます! 以前お話ししたように前回のフル・アルバム(『CARRY LOOSE』)では後悔したことが多かったんです。"もっと力強く歌えたらもっと歌割を貰えたのにな"みたいな部分があって。一回一回のライヴで見せていかないと、次のシングルで歌割を貰えることに繋がらないなって思ったので、もう本当にいっぱい家でも歌って、カラオケにCARRY LOOSEが入ったんですけど、それもいっぱい歌って練習しました(笑)。だから、力強く歌えるようになったって言ってもらえるのは本当に嬉しいです。でも、まだやっぱり満足できてないので、もっともっと力強く歌えるようになりたいですね。

-ちなみに歌について参考にしてる方っていますか?

ユメカ:WACK所属の先輩方はみんなそれぞれ本当に尊敬しています。でも、力強く歌えるだけじゃダメだなって最近思っていて。個性のある声じゃないと聴いていて面白くないから、もっと個性のある声を出せるようになりたいです。

-ここまでパフォーマンス面について聞いてきましたけど、お披露目から3ヶ月で自身の内面やグループに起きた変化ってありましたか?

ウル:配達員(※ファンの総称)のことをすごく考えるようになりましたね。振付では、自分たちが踊っていて楽しいだけじゃ意味ないんだなってことに気づいたんです。サビ(の振付)はどれくらいマネしやすいかとか、"この動きは難しいからパッと見じゃできないね"とか、"どうやったら(配達員が)一番楽しめるのか"って突き詰めてます。ライヴのときは配達員のリアクションをすごく見るようになりましたし、MCでは"誰にでも言えることを言っててもダメなんだな"、"自分にしか言えないことを言おう"って思うようになりました。

ユメカ:配達員のこととかを4人でいっぱい話し合うようになって、それで4人の仲も深まってきたなって思います。ツアーもこの4人で周って、いろんなことを経験して、初めのころよりも"本当のこと"をいっぱい話せるようになってきてるなって。

-最初は、先輩後輩の関係もあるからお互いに気を使っていた?

パン:そうですね。内気な人が多かったりするのもあって、普段の会話もそんなにないんです。今も基準に達したくらいで(笑)。ただ、人見知りだから最初はあまりしゃべれなかったんですけど、気にしなくてもいい空気になったというか。無言でも気にならないってあるじゃないですか、カップルとかで(笑)。そんな関係になれた感じがします。

-話し合いをすることによって、ぶつかることもありそうですよね。

ウル:"先輩だから言わない"とかやってたらダメだと思うので、はっきり言うようにはしていたんですけど、伝え方が下手で明るく言えなかったんです。"とんでもなく重い話をする"みたいな感じで言っちゃうんですよ。うまく言えなくて悩んだりとか、泣いちゃってみんなのことを困らせちゃったりしたこともあったんですけど、最近はポンって言えるようになりました。ユメカちゃんは明るく伝えるのがすごく得意で、見習いたいなって思います。私の言ったことの言い回しを変えて言ってくれたりもするんです。

ユメカ:私自身はそうしようとして言ってるわけではなくて、そのまま出ちゃう(笑)。でも、明るくできてるんだなって思ったら嬉しいです。