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INTERVIEW

Japanese

ザ50回転ズ

2020年03月号掲載

ザ50回転ズ

Member:ダニー(Gt/Vo) ドリー(Ba/Vo) ボギー(Dr/Vo)

Interviewer:稲垣 遥

自分がライヴハウスに来る地方のキッズだった頃、こんな企画があったら嬉しかっただろうな~と思ってご当地ソングをやることにしました


-アイドル・ユニット、ななのんに提供された「キス ミー ダーリン」の演奏は、その前のMCも笑いましたし、歌詞は乙女ですが、曲自体はザ50回転ズ節全開且つキャッチーな面が際立っていて、ザ50回転ズバージョンで今後も聴きたいと思いました。演奏していかがでしたか?

ダニー:最初原キーで歌おうと思ってリハに入ったんですが、全然歌えんかった(笑)。そこで自分に合うキーに直したらホントなんの違和感もなく、自分たちの曲になった。まぁ違和感は歌詞だけ(笑)。

ドリー:女の子目線の歌詞を歌うダニー! キョーレツですよね(笑)。演奏していてもキャッチーで、疾走感があって気持ちいい曲です。

ボギー:ポップな原曲をそのままパンク・アレンジしたような雰囲気が、僕らの好みにフィットしている気がしますね。

-今回は、アコースティック・コーナーが6年ぶりに復活したのもひとつのトピックですよね。アコースティック・ギターだけでなく、ウッド・ベースも披露され、ドラム・セットも特別でしたよね。久々というのもあり、このために新たな練習も重ねられたんですか?

ダニー:まぁ我々プロですから!! 練習などしなくてもできるんですよ! ハハハ!......と言いたいところですが、リハには入りまくりましたね~(笑)。

ボギー:アコースティック・コーナーは毎回緊張感がありました(笑)。ご当地ソングももちろんなんですが、ホッと一息ついてもらうには、肩の力を抜きつつも、それなりの演奏をしなければカッコつかないですからねぇ。

ドリー:普段使わない楽器なんで、今までで一番練習したかも(笑)というくらい練習はしましたね。

-ご当地ソングは、東京は「ラブユー東京」(黒沢明とロス・プリモス)で一気に会場をスナックのような雰囲気に仕立て上げて、直前までとのギャップで思わず笑いも起きていました。他の会場ではどんな曲を披露されてきたのでしょうか? また、この企画はどういうきっかけで実施に至ったんですか? きっと地元のライヴハウスで観たお客さんにとっては、嬉しい素敵な企画だったと思います。

ダニー:せっかくの15周年ツアーなんで、やれるかぎりサービス過剰にしようということで、自分がライヴハウスに来る地方のキッズだった頃、こんな企画があったら嬉しかっただろうな~と思って。案の定、喜んでもらえたみたいです! 初日のラブ・サントス「松山慕情」から森雄二とサザンクロスの「好きですサッポロ」、内山田洋とクールファイブの「新潟の女(ひと)」なんかは超王道で盛り上がりましたね~。

ドリー:基本はどの街もムード歌謡です(笑)。アレンジとかコード進行は独特のものが多くて勉強になりました。15周年を祝ってもらうばかりではなく、こちらからもありがとうの気持ちを込めて、その街だけにできることはないかな? というところからご当地ソングをやることにしました。

ダニー:"MAIDO OHKINI!"ツアーやからね。

ボギー:もとから音楽的に面白いカバーをよくするほうのバンドだと自負? してるんですが(笑)、それのご当地編かな。


その時々の演奏がすべてなんて言うとキザでしょうか(笑)


-今回東京公演ではアコースティックで5曲演奏されましたが、「ラブユー東京」以外で印象に残っている曲はありますか? 個人的には「香港ブーガルー」も大好きだったので、嬉しかったのですが、「ゲゲゲの鬼太郎」もザ50回転ズのための曲というくらいぴったりだなと改めて感じました。

ボギー:もちろんアコースティック・セットでもカッコイイと思う曲を選んでいるのですが、「酔いどれマーチ」がアコースティック・セットにハマっていて僕は好きですね。

ドリー:僕は「香港ブーガルー」。作るときに時間をかけてベース・プレイを考えたのに、やる機会が少ないから(笑)!

ダニー:あれはウッド・ベースじゃないとな~! 俺は「故郷の海よ」。いい曲書くんですわ、俺ってやつは(笑)!

-ライヴ中は、50周年もやる! そのときはお互いに年を重ねているからホールで! とおっしゃっていましたが、そこまでいかずとも、また今後もアコースティックな演奏は観られるんでしょうか?

ダニー:そうですね、楽しんでくれる方がいるかぎり!

ボギー:アコースティック・セットのライヴはわりとやっているし、好きなので、今後も続けていくと思います。

ドリー:これからも楽しみにしていてください!

-通常のバンド・セットに戻って1曲目の「I can not be a good boy」は、アコースティック・コーナーを挟んだこともあって、泣いているお客さんもいらっしゃいましたが、ひと際ぐっとくるものがあったように思います。ああいう雰囲気の違うコーナーを挟むことで、演奏する側の気持ちの入り方も変わってくるものですか?

ボギー:セットを組む段階でホッとした空気から一変する曲選びをしているので、演奏にもそういう気持ちが乗っていたかもしれませんね。

ダニー:ガラッと変えて第2部へ行けるようなね。

ドリー:アコースティックを挟むことによって、後半戦がグッと締まる感じがありましたね。ライヴの流れに緩急をつけることは、セットリストを組むときにこだわるところでもあります。

-「WE ARE THE KIDS」は2007年の曲ですが、今回、曲中の3人の表情もいろんな思いを噛み締めているようにも見えて、ハイライトになるシーンのひとつだったと感じます。昔の曲を演奏するときは特別な想いがあったりしますか?

ボギー:昔の曲と言ってもずっとやり続けている曲ではあるので、悪い意味ではなく、特別な感情はないと思います。その時々の演奏がすべてなんて言うとキザでしょうか(笑)。

ダニー:いいこと言った!! 俺たちにとってはプレイする以上は今の曲やからね。逆にもう今の気持ちとフィットしないな、という曲もあるし。