Japanese
VIRGO × TOSHI-LOW(BRAHMAN/OAU)
2019年10月号掲載
BRAHMAN/OAU:TOSHI-LOW
VIRGOwearworks:YU(ディレクター)
インタビュアー:吉羽 さおり Photo by 上坂和也
-何がきっかけでまた会うことになったんですか。
YU:BRAHMANのベースのマコちゃん(MAKOTO)とは、ちょこちょこと会っていたんです。それでマコちゃんから、"幡ヶ谷で飲んでるからおいでよ"って連絡がきて行ったら、TOSHI-LOWとMOBSTYLESのトシちゃん(田原104洋)とかがいたんですよね。で、時間が経つに連れて、ひとり帰り、ふたり帰りとなって、なんとなく──今思えばなんとなくではなかったんでしょうけど、最後にTOSHI-LOWと僕だけになっていて。朝5時になって店も閉まって、これは今言わないとずっと言えねぇなと思って。カラオケ屋の階段に座って、"実は今、バンドはやってないんだけど洋服をやってて。でも浮ついたものではなくて、イチから俺なりに一生懸命やってるから、チャンスがあれば見てほしいと思ってるんだ"って話をしたんです。そしたら、知ってるよと。"お前が雑誌の端っこに載ったり、こそこそやってたのは知ってるよ。お前がいつそれを言ってきてくれるのか、俺は待ってた"と言ってくれて。

-いい話ですね。
YU:"お前がいろいろあったのは俺なりにわかってるし、お前の悔しさとかダメなところもわかる、そのクソみたいなお前の洋服を俺は着てみたいんだ"って言ってくれたんですよね。
TOSHI-LOW:そこからVIRGOのジーンズを履き出すっていう。
YU:ひたすらデニムを褒めてくれたんですよ。これはデニムを頑張ろうと思って。
TOSHI-LOW:唯一デニムくらいしか履けるのがなかった(笑)。他のデザインはダメだなとかボロカスに言って、でもジーンズはいいねって。
YU:そういうひと言、ひと言がモチベーションになるんですよ。でもあのとき話したことはすごく覚えていて、朝5時に会社のやつに"俺、イチからもう1回やるわ"ってテンション上がって電話したのを覚えてますね。雲がちょっと晴れた感覚というか。そこからは、日々更新で、恥じない仲間になりたいなという思いでやっているだけなんですよね。
TOSHI-LOW:人間って、こそこそしていたり、伏し目がちでやったりしていると責められるんですよ。でも、挫折してなんとなく洋服を始めた人じゃなくて、自分が選び取ってブランドを始めた人になると、周りの目も変わるんですよね。男の子の業界だけどやっぱりやっかみも多いし、バンドもそうだけど、売れたら"あいつら変わったよ"とか言われるし。でも、そういう人たちが段々と変わっていくんです。あいつはずるくて売れたんじゃなくて、頑張って売れたって。そうすると今まで認めてくれなかったような先輩も、"TOSHI-LOWそれどこの着てるの?"、"これVIRGOっていうYUのところのブランドで"って言うと、あいつ結構やるんだねってなって、ブランドの評価が上がっていって。誤解とか、人にどう思われるかは、最終的には自分の努力でしかひっくり返せないんだなっていう、それができたのが大きいと思う。
-YUさんは、VIRGOというものをどう作り上げて、どうやってブランディングしていったんですか。
YU:まずは、自分がかっこいいと思うもの、ですよね。昔のものからのインスパイアもあるし、自分の仲間がみんな同じ服着てたらかっこいいなとか、そういうユニフォームみたいな感じで作っていて、もちろん流行りも考えなきゃいけないですけど、でも意外とそんなに考えてはいないんですよ。例えば、TOSHI-LOWにこんなかっこいいパンツを作ったらいいよなとか、このジャケットは誰々が着たらかっこいいだろうなとか。そのくらい単純な気持ちでやっていたんです。あとはお客さんと話をして、これのこういうところが良かったですよって言われれば、その意見を参考にしたりして。もちろん毎日目ん玉ひっくり返るくらい考えてるんですけど、何考えているのかって言われたら、すごくシンプルなことかもしれないですね。カッコ良く、僕の中でこれはいいと思えるものを一生懸命作るっていうことですね。

STAZ DENIM RIDERS ¥31,800
-誰かを想像して作るというのも多いんですね。
YU:それは、ありますね。あとはライヴに行って、お客さんを見ながらいろんなことを思ったりします。BRAHMANはライヴがすごいじゃないですか。アグレッシヴなライヴを観ながら、お客さんに引っ張られても破けないようなパンツを作ろうとか(笑)。そういう副題が表れてきたりはしますね。
-TOSHI-LOWさんはライヴでもVIRGOを着用していますね。
TOSHI-LOW:100パーセントそうですね。BRAHMANに関してはいつからかカーゴパンツのみになったんですけど。どうしてもライヴで(フロアの)人の中に入るので、いろんなところを引っ張られるんですよ。それで破けたりするんですけど、毎回縫って直してもらうんです。そうすることで、どこが破けるのかがわかって、新たな製品になるときに改善されるんですよね。それで新しい製品がどんどん良くなっていって。なので結構、実験台のようになってます。
-実験台としては、だいぶ特殊な環境下での使用ですけどね(笑)。
YU:世界最強の実験台なので。最終的には鎖帷子くらいじゃないと無理じゃないかって話もありますけど(笑)、それを布でどこまでできるかっていうのはありますね。でも本当に、TOSHI-LOWはライヴの激戦をくぐり抜けたカーゴパンツを何回も直しに出してくれるんですよ。そのたびに、どんどん傷が増えていくのがまたカッコよくて。はっきり言って服なんていろんなところからたくさん貰える人だと思うんですよ。それなのに、直してまで履きたいなんて、なかなか言ってもらえないことだと思うんです。工場の人も、"何回でも直しますよ"ってすごく喜んでくれるんですよね。そうやって工場の方とみんなでシェアできるものがあると、またやりがいに繋がるんですよ。誰々が着てくれているとか、使い捨てじゃないということが、作り手のみんなをいい感じに回しているのかなと思いますね。
TOSHI-LOW:BRAHMANに関しては、カーゴパンツがなかったらライヴやめるかも(笑)。ただBRAHMANでは真っ黒のミリタリー・スタイルみたいなものしか着ないんだけど、今は自分も音楽がふくよかになってOAUというバンドがあることによって、例えばアロハのセットアップを着たりとかして。

-あのアロハはとても素敵でしたね。
TOSHI-LOW:ステージで一生着ねぇだろうなと思っていたものを、着出すようになって。それもこれも、ずっと音楽を続けてきた一種のご褒美みたいなものだと思っているので。そうなってくるとお互い、自分たちはこれしか作れないと思っていた以外のものが面白くなってくるんですよ。VIRGOも、言ってみればミリタリーっぽいものとか男っぽいもの、ハイセンスなものを作っていたのが、夏にはあんなふうに華やかなものも作り出して。それも最初は、"New Acoustic Camp"でスタイリングをするっていう遊びから始めたものだったんですよね。そこでは、俺が何ステージも出るので、そのスタイリングをしてくれないかっていう遊び感覚で始まったもので。
YU:きっかけはそうでしたね。
TOSHI-LOW:例えばこのステージはハナレグミとやるから、こんな感じの衣装はどう?とか。というのをやっていたら、それまでVIRGOではアウトドアっぽい感じはなかったんですけど、どんどんアウトドア対応の洋服も出すようになって。それがまたいい具合に今のVIRGOを支えているし、煌びやかにもしていて。だから、これが売れているからこっちに手を出そうとかではなくて、友達とかと話していて、そういうなかでの必然性とか必要なところから始まるんですよね。だからたまに聞かれるんですよ、冬は何ほしい? とか。
YU:実はちょいちょいそういった話はしているんですよ。そうやって、秋冬で何かほしいものない? みたいな質問を投げ掛けると、TOSHI-LOWは確実にいくつかヒントをくれるんです。それを僕なりの解釈で作って返すと、何も言わなくても"これ俺が言ったやつだよね"って気づいてくれて。そういう裏企画みたいなのも、楽しみながらものづくりをできるひとつなんです。
TOSHI-LOW:他のところがまだMA-1を作ってなかったときに、"MA-1がほしい"って言って。初めは"MA-1? 売れないよ"って言ってたんですよ。でも俺がほしいってことは、ほしい人いっぱいいるし、昔のあのMA-1じゃなくて、それをどうVIRGOとして解釈するかを宿題としてあげると、今の時代にあったものを出してくるんですよね。さっき、自分でこだわりはないみたいに言ってたけど、こだわりはあるんですよ。YUは現実を見る力があって、それをストリートに落とし込む力がある。すべてがオリジネーターである必要はないし、それをどう今に解釈するかなんですよね。音楽もそうじゃないですか。

ジャケット: VGW DRAPE MODS COAT ¥27,000
インナー: CHOPPING BACK CURTAIN ¥12,800
パンツ: BIG CARGO SHADOW ¥22,500
ブーツ: VIRTUOUS MID BOOTS ¥47,800
-いわゆる定番と呼ばれるものこそ、アレンジ力を試されそうですし、アップデートが必要ですね。
YU:そうですね。特にカーゴパンツなんて、だいたい形が決まっていますしね。それをどう壊して、どう構築し直すかは、毎回すごく考えます。いろんなパターンのカーゴを作るんですけど、ハマらないものはハマらないし、それはTOSHI-LOWが着なくなるのでわかるんですよ。あ、これはハマらなかったなと、じゃあこれのどこが違ったのかを考えてバージョン・アップをしていくと、カーゴパンツを作っていくのがライフワークになってきたりしていて。
TOSHI-LOW:カーゴパンツ屋さんだよね。軍隊以外で一番カーゴパンツ作ってる。
YU:何十回に1回、自分でもこれはよくできたなっていうのもあるんです。それは気持ちがいいし、それがちゃんと伝わって履いてくれたりしますしね。そうやって楽しみながら作っているのは大きいですね。あとは、僕は音楽とファッションはリンクしていると思っているので。僕自身の背景を知らない人がうちの服を見たときに、"音を感じますね"と言われるのはすごく嬉しいんです。それは僕が音楽をやっているからという話ではないと思うんです。もともと子供のころ、ストリート系の雑誌がなかったようなころから、好きなバンドの映像を観ては、これはどこのパンツなんだろうってビデオを止めて服を見たりしていたんですよね。それで自分でも買ってみたりして。そういうファッションと音楽の影響って、僕は今の時代でもあると思うんです。
TOSHI-LOW:音楽って服作りから始まらない? 俺はSEX PISTOLSを見て、服を破いたりとか、RAMONESを見てジーンズの膝をどうやったらカッコ良く破けるんだろうって、車で引きずってもらったりしてさ。
YU:破くのにもセンスがいるんだよね。
TOSHI-LOW:初めて破ったやつ、おばあちゃんに縫われたからね。TOSHI-LOW破けてるぞって、アップリケみたいのを貼られたりして(笑)。
YU:そういう親の世代に直されたり、怒られちゃったりするような服は好きだったかもしれないですね。
-特に70年代、80年代などはパンク、ハードコアとファッションの関係性というのは、色濃かったですしね。
TOSHI-LOW:ファッションが一個の主張であって、その形をとるということは"俺はこういうものなんだ"っていう大きな名刺でしたしね。髪型でもそうで、モヒカンであるかサイコ刈りであるかスキンズであるかで、自分たちの主義主張までわかるわけだから。それがファッションだけになってしまったから、結局ファッション・パンクになるし、あまりいい言葉として使われなくなって、ただの流行であるということになってしまっているわけだけど。ただ俺らが思う"ファッション"は、自分の心の根底にある主義主張を表す道具だから、気に入っているものを着るっていうのは、すごく大事なことだと思うんです。

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