Japanese
ナードマグネット
2019年06月号掲載
Member:須田 亮太(Vo/Gt) 藤井 亮輔(Gt/Cho) 前川 知子(Ba/Cho) 秀村 拓哉(Dr)
Interviewer:TAISHI IWAMI
-そして力強い曲が続いての5曲目はほのぼのしたムードの「透明になろう」。先ほども歌詞について触れた曲ですけど、音楽的にも興味深い。USのイメージが強いナードマグネットですが、この曲はグラスゴーやリバプール、UKの空気から影響を受けたように思うんですけど、いかがですか?
須田:メロディと歌詞ができた時点で今までとはアプローチを変えようと思ってました。そこで藤井が普通のギターと12弦のダブル・ネックのギターを買ったこともあって、12弦の音を入れたら、THE LA'Sの「There She Goes」 のイントロみたいな感じですごくハマりました。歌い出しはR.E.Mの「Stand」 っぽい。完成したときに気づいたんですけど。
-たしかに似てますね。その次はBLACK KIDS「I'm Not Gonna Teach Your Boyfriend How To Dance With You」のカバー。この曲めちゃくちゃ流行りましたよね。DJもよくかけてた。私もすごく好きで梅田シャングリラでの来日公演に行きました。
須田:それ、僕もいましたよ。
-なぜこの曲を選んだのですか?
須田:まず来日公演に行くほど好きだってことと、この曲は同性愛の歌なんです。女の子同士の失恋ソング。実は次の「虹の秘密」が僕なりのそういう曲で、でもさらっと聴いた感じじゃわからないから、そのヒントを与えたくていろいろ考えてたら、"BLACK KIDSの曲あるやん!"って閃いたんです。
-あと、イントロで笑っちゃったんですけど。
須田:はい、ここは笑うところですね。
-BLACK KIDSとNIRVANAの「Smells Like Teen Spirit」 が混ざってる。
須田:これは藤井がアレンジをどうしようか迷ってたときに、"そのままやったら面白くない?"って。
藤井:ギターが歪みすぎてるから原曲のままのストロークだとガチャガチャしすぎちゃうんで、練習中に適当にやってたら思いついたんです。
-ギターがきて、秀村さんのフィルでとどめの大笑いをしてしまいました(笑)。
秀村:もうそのままやったれって。
-そしてこの曲と「虹の秘密」が繋がってA面が締まっての、B面の1曲目(8曲目)「テキサス・シンデレラ」がグラマラスなハード・ロック。これ、ちょっとやりすぎじゃないですか? みなさんと感覚が合うと信じてあえて言いますけど、ダサい(笑)。
須田:ですよね(笑)。これはちょっと古い曲で全国流通はしてなかったんですけど、完成形があったんです。当時もあえてハード・ロックな感じを狙いにいった曲で、歌詞が今回のアルバムのテーマにハマることもあって再録しました。で、どうせやるならもともとあったダサさを誇張してやろうって。アレンジが変わってさらにくどくなりました。
-80年代のハード・ロックって、ロックが一番調子に乗ってた華やかさと儚さがあるじゃないですか。そこまではなりきれなかった感じもまた良くて。
須田:ハード・ロックやヘヴィ・メタルを通過したけど、メロディを捨て切れず、そっちには行けなかった人がやってる音楽。この曲こそパワー・ポップだと思います。
-ナードマグネットは、そんなオーバーなオマージュ、時には惜しげもなく元ネタの曲を引用するユーモアも大きな特徴です。「COMET」はもろにJIMMY EAT WORLDの「Sweetness」。ドラムの音の差し引きまで再現していて、本当に上手いし渋いし面白い。
秀村:あのドラムはエンジニアさんが勝手に"やってみちゃいました"って(笑)。
須田:これまで散々"和製WEEZER"と言われてきたし、僕らもそういう感じでやってたんですけど、今回は明確にWEEZERオマージュの曲は1曲もないんです。パワー・ポップ・バンドとして他の引き出しも開けたくて、この曲ではJIMMY EAT WORLDに思いっきり寄せていきました。「バッド・レピュテイション」も途中から思いっきりBLINK-182をオマージュしてます。この2バンドのようなエモやポップ・パンクと呼ばれる音楽と、パワー・ポップってすごく近いところにいるんですよね。そこで言うと僕はMOTION CITY SOUNDTRACKが一番好きなんですけど、彼らの3rdアルバム(『Even If It Kills Me』)もパワー・ポップ色が強いですし。
-そして「Song For Zac & Kate」は、共にツアーを回ったオーストラリアの盟友THE WELLINGTONSへの愛に溢れた曲です。
須田:これがアルバムの中で一番のラヴ・ソング。一緒にツアーを回ったときに、彼らが僕らの曲を日本語から英語にして演奏してくれたんです。それに対して僕らも彼らの曲を演奏したんですけど、そのときはほぼそのままやった感じだったから、ちゃんとアンサーを返さなきゃいけないと思ってたんですよ。彼らへの感謝を前面に出したかった。だからフレーズや歌詞にいろんな仕掛けを散りばめてます。でも、全然知らない人が聴いたら、普通に"どこかに行ってしまった人への曲"ってことでさらっと聴けると思うんです。
-はい。すごくいい曲。
須田:そこからTHE WELLINGTONSを知ったらまた違った意味が見えてくる。そういう掘り下げて聴く面白さをちょっとでも伝えられたと思ってます。
-まずは良質なメロディとバンド・サウンドが鳴っていてシンプルにカッコいい。その中で、わかりやすいオマージュから細かい仕掛けまで、聴けば聴くほど楽しくなるレイヤーが用意されている。それに対するレスポンスを実感したことはありますか?
須田:僕らのライヴって年齢層が広いんです。僕らが引用するのはほとんどが青春時代を過ごした90年代や00年代の音楽なので、気がつく人はだいたい30代か40代。その人たちが自分の子供を連れて観に来てくれてるんです。そこで細かいことはわからなくても、新鮮に感じてくれたら嬉しいですね。
-ナードマグネットは90年代や00年代に隆盛を誇った音楽や古き良きパワー・ポップを継承し、今鳴らすスタイル。そこで、2019年現在の音楽シーンについてはどう思っていますか?
須田:いい時代だと思います。バンドにとっては向かい風しか吹いてないから不安もありつつですけど。今はギターを使わずに、サブ・ベースを鳴らすのが主流になってる。でも、僕らみたいなバンドがいてもいい。僕らみたいなのがちゃんと存在できる、そういう空気も感じるんです。それでもギターの音に惹かれる人もいますし、そこから90年代や00年代も掘り下げやすい環境も整ってる。
-ストリーミング・サービスってすごいですよね。
須田:はい。だから僕らがいい曲を作って、いいギターの音が鳴ってる音楽を掘り下げるきっかけになればいいなと思ってます。
-ついこの間、VAMPIRE WEEKENDのアルバム『Father Of The Bride』が、前作に引き続き全米1位を獲りました。VAMPIRE WEEKENDの功績をもってロックの復権とすることは、違うような気はするんです。でも、多様化するメイン・ストリームのシーンから取り残された感のあるバンド・サウンドが、そこに入る余地があったことを示すには、充分な出来事だとも思います。そして、須田さんが今おっしゃったサブ・ベースとなると、今最もタイムリーなアイコンがBillie Eilish。これまでにない個性を持ったアーティストが世界を席巻している状況からも、ジャンルがトレンドを引っ張ったりリヴァイヴァルしたりすることよりも、個の強さが鍵になっているんじゃないかと。だからこそ、あらゆるスタイルの音楽に道は用意されている。
須田:VAMPIRE WEEKENDのサウンドは、今らしくローを大切にはしてますけど、全体的にオーガニックなバンドの雰囲気を持っていましたし、Billie Eilishや他のいろんな音楽を聴いていても、どれもそれぞれの魅力があって面白い。多様性はどんどん広がっているように思います。だから、その中にこんなうるさいバンドがいてもいい。好きなことはどんどん突き詰めていくことが大切だし、結局それしかできないですから。現代的なプロダクションを意識したところで、僕らの音圧のままサブ・ベースを鳴らしたら、もはやわけのわからないことになりますしね。音数を減らす方向に向かっていくことは、アイディアのひとつとしてやるかもしれないですけど。やりたいように作った曲のイメージに最も合ったことをやる。それだけですね。
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