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INTERVIEW

Japanese

ニガミ17才

2018年06月号掲載

ニガミ17才

Member:岩下 優介(Vo) 平沢 あくび(Syn)

Interviewer:TAISHI IWAMI

元嘘つきバービーの岩下優介を中心に、元役者の平沢あくび、元ミドリの小銭喜剛に、ベーシストのイザキタツルによって結成された4人組、ニガミ17才。自らの音楽を"お洒落且つ変態"と呼ぶ彼らだが、新作『ニガミ17才b』を聴いてたしかに納得。ミニマルな中毒性あり、変則的でトリッキーな展開あり、ポップの王道を走ったかと思えば、既存のポップを奇抜なセンスでぶち壊す。もはやなんでもありのやりたい放題。しかしただ雑多なだけではなく、バンドとしてひとつの強い色を持った、新感覚の不思議な魅力に溢れている。今回はメンバーから岩下と平沢が登場。なんと今回が本邦初インタビューということで、ふたりやバンドの魅力に正面から迫るも、どんな結末を迎えたのか、乞うご期待!

-ニガミ17才はどういうきっかけで結成されたのですか?

岩下:2016年に結成したことになってるんですけど、そこも含めてフワッとしていて、曖昧なんですよね。最初はドラムの小銭(喜剛)とベースのタツルボーイ(イザキタツル)と、もうひとりギターがいて、4人でバンドを組んだんです。でも1曲もできず、1回もライヴをすることなく僕が抜けて。で、あくびとはもともと交流があって、音楽経験はなかったんですけど、声を掛けたんです。

-本当に、まったくの初心者だったんですか?

平沢:役者はやってたんですけど、音楽は初めてでした。

岩下:そこで彼女は、バンドやるなら役者をやめるくらいのところまで考えてて、"いやいや、まぁ遊びでやろうよ"って僕は言ったんですけど。

平沢:私、嘘つきバービーが大好きで、ライヴもよく行ってたんです。だから、岩さん(岩下)とライヴをやるなら本気でやんないとって思ってたのと、当時役者として所属していた事務所が厳しかったんで、遊びで人前に出たりアー写を撮ったりできなくて。役者を続けるか、やめてバンドに入るか考えて、バンドを選びました。

岩下:そこで、もう1回小銭とタツルボーイを下北沢の居酒屋に呼んで"えー、このメンバーでバンドをやります"って言って、みたいな感じですね。

-では、そもそも小銭さんとイザキさんと最初に組んだバンドで1曲もできず、岩下さんがいったん抜けたのはなぜですか?

岩下:嘘つきバービーを解散して、音楽をやめようと思っていた時期がありまして。そこで、毎週のように僕の家に来て音楽に戻そうとしてくれた友達とかそれこそあくびもそうなんですが、そういう人たちがいて、それでまた始めたんですけど。

平沢:なんでできなかったんでしょうね?

岩下:方向性が定まってなかったんですよね。それはニガミ17才を結成してからもそうで、3ヶ月くらいまったく曲ができなくて。そうなると、小銭はミドリのころから知ってますし、一緒にもよくやってたんで、まだいいとして、タツルボーイはバンドをまた始めるにあたって出会ったんで、僕が曲が完成させたところを一度も見たこともない状態なわけですよ。もうこれは、信用問題ですよね(笑)。

-平沢さんに声を掛けた時点で、そこからの活動の構想はなかったんですか?

平沢:岩さん、"歌えて鍵盤を弾ける女の子はおらんかな?"ってよく私に相談してきてたんです。自分は歌も得意じゃないし楽器も弾けないから、対象外というか、考えたこともなかったんですけど、まさかね。

岩下:あくびはずっと"岩さんが華であってほしい"って言ってて、でもそのころはおかしくなっていたというか。僕はもう前に出たくなかったんで、歌える女の子を探してました。

平沢:音楽をやめて、別の表現にいこうとしてましたよね。文を書くとか、漫才のネタを作るとか。完全に迷走して、嘘つきバービーが解散してから2年くらい"音楽やるかも"と言っては"あ、やっぱやらんかも"みたいな話を繰り返してて。

岩下:めっちゃめんどくさい奴やん。

平沢:(笑)でも、私は岩さんに言葉を使った仕事をしていてほしい、できることなら音楽に戻ってきてほしいってずっと思ってたんです。また音楽やるなら、めっちゃ応援しますって言ってました。

岩下:"そんなに応援するなら一緒にやろうか"って考え始めたのかもしれない。

平沢:岩さんが言葉や音を発信するためのパイプになれるように、私の中ではそういう方向性というか、気持ちはありました。

-そしてなんやかんやで曲ができていくわけですけど、作曲はほぼ岩下さんですか?

平沢:そうですね、だいたいの曲は、岩さんがほぼ完成系を持ってきてくれます。