Japanese
ISAAC
2018年05月号掲載
Member:真田 修壱(Vo/Gt) 石黒 健晋(Gt) 平山 裕一(Ba/Cho)
Interviewer:山口 智男
初の全国流通盤となった『アップルエモインストール』から2年、愛知県豊橋の4人組 ISAACが、待望の1stフル・アルバム『イノセントリードドドドープエモポップス』を完成させた。ライヴの定番と言える6曲に新曲7曲を加えた全13曲。さらにポップになったロック・サウンドとメッセージを込めながら、言葉遊びを駆使したユーモラスな歌詞のミスマッチというISAACらしさは、より濃厚なものになっている。ユーモアはもはやISAACには欠かせないものになっているが、なぜ欠かせないのか? その理由にこそ、音楽で真剣に遊ぶこのバンドの本質があった。
"こいつら音楽で遊んでんな"って思ってもらうのが理想です
-遊び心が散りばめられながらも、バンドの芯がしっかりと感じられる1stフル・アルバムが完成しました。前作(2016年リリースの1stミニ・アルバム『アップルエモインストール』)からの2年間、みなさんが迷うことなくISAACサウンドを磨き上げてきたことが伝わってきますね。
真田:前作をリリースしてから、ISAACとしてやりたいことがまたどんどん出てきて、それをメンバーで話し合いながら、どうやったらかっこよくて、面白くて、おしゃれで、ウィットに富んだ楽曲になるのか考えてっていうことをずっとやってきました。こんだけガツンとロックしているのに、"そんなこともしちゃうんだ!"っていうその空気感がすごい好きなんです。たまに"どっちに行きたいの?"って言われることもありますけどね。でも両方やりたいんですよ。
平山:その意味ではさらに雑食になって、前回よりも、これはやっちゃいけないっていうのがなくなってきました。前作は"ここまでやったらどうかな? もうちょっと行く?"って様子を窺ってた部分もあるんですけど、前作をリリースしてからライヴを重ねてきて、"もうこれで行けるわ。もうこれで行く"って決意になったアルバムなんじゃないかな。
真田:"遊んでるな"って思われたいですもん。楽曲を聴いて、"こいつら音楽で遊んでんな"って思ってもらうのが理想です。
-"もうこれで行く"って決意できたのは、ライヴを通して自分たちのやりたいことが伝わっていると実感できたからというところもあるんじゃないでしょうか?
真田:それはありますね。前作を出してから、いろいろなところでライヴしている間に、お客さんの反応がどんどん(自分たちのやり方が合ってるという)確信に変えてくれたんです。だったらそれをもっと追求して、お客さんと一緒に楽しもうよって。そういう意味では、今回曲を作るうえで(ライヴで得た感覚が)かなりヒントになりましたね。シンガロング・パートもうまいこと、ありきたりじゃないやり方でおしゃれにできたらいいなって。ただ叫びたいなら、サビで"オ~オ~"って言ってればいいですからね。でもISAACはそういうバンドじゃない。と言いながら、"オ~オ~"言っている曲もありますけどね(笑)。
-じゃあ今回、新曲も遊びつつ、楽しみながら作っていったわけですね。
平山:そうですね。"これって一休(※収録曲「イッキューイフユーキャン」)みたいじゃね?"みたいな。ホント、10代の子供みたいでした(笑)。
真田:"次、どんな曲やろうか"って話し合っていると、裕一が面白い言葉を言うんですよ。1曲目に入っている「イッキューイフユーキャン」の"イッキュー(一休)"とか、今回入ってませんけど、"カグヤザファイヤー"とか(笑)。
平山:結構、タイトル先行で行っちゃうんですよ。
真田:"イッキューイフユーキャン"って何? みたいな。
平山:言葉遊びでも面白いと思ったらなんでもありなんで。
石黒:6曲目の「ダンサーインザ野球拳」も、野球拳って若い人はあまり知らないかもしれないけど。
-いや、みなさんの世代で野球拳って知ってます?
石黒:ゲーセンに行って、ちょっと高いけど1回300円ぐらいの、野球拳に勝ったら女子が脱ぐみたいなゲームを中学生のころやってました(笑)。
-そうか、ゲームセンターなのか。
平山:もともとはテレビなんですよね。前、全然その世代じゃない若いお客さんがセガサターンの"THE野球拳スペシャル"ってゲームのソフトを持ってきて、"裕一さん、これやってください"って(笑)。
真田:ファンの方がソフトを買ってきてくれて、"え、ゲームがあったの!?"みたいな。そういう差し入れが増えましたね(笑)。
-今回、面白さというところで、歌詞のユニークさが際立ってきたと思うんですけど、そこで使う言葉やモチーフが絶妙に今のものじゃないという(笑)。
平山:それは自分たちでも思ってます(笑)。
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