ISAAC

Japanese

ISAAC

2018年05月号掲載

Member：真田修壱（Vo/Gt）石黒健晋（Gt）平山裕一（Ba/Cho）

Interviewer：山口智男

－そんな歌詞に加え、バンドとしてちゃんと芯が感じられるものになっている楽曲や演奏も大きな聴きどころになっていると思います。8曲目の「ジョーカー」はダンサブルな曲ですが、途中、トロピカル・ハウス風になるところが面白い。

真田：あのビートが使いたかったんです。あのビートを使って曲を作れないかってやっているんですけど、実はあのビート、3曲目の「アイマイミーマイン」でも使っていて（笑）。クラブで流れるような音もやっていきたいんです。ただデジタルなサウンドではなくて、俺らバンドなんで、そこはビートで表してっていう。

－その「ジョーカー」は、ちゃんとおしゃれな曲になると思うんですよね。でも、後半なぜかロック・オペラ風になる（笑）。

石黒：またか、みたいな感じですよね。

平山：やったなっていう。

真田：もう癖です。なんかやっちゃうんですよね。本来はやらなくていいんですよ。それなのにやるっていう。

－でも、そこが楽しいと。

平山：それが一番ですよ。

真田："こいつら、またやりやがった"っていう、その感じがいいんです。

－5曲目の「man in the mirror」はアーバンな曲ですが、こういう曲では真田さんのちょっとハスキーな歌声の魅力が際立ちますね。

真田：アルバムの中で一番、何もやっていない。ホントに曲っていう感じで、曲の要素に初めて俺たちが合わせました（笑）。歌詞の内容も自分の内面に問い掛けているので、真面目に歌っています。

石黒：ボケてないから曲のタイトルが唯一アルファベット表記なんでしょ？

平山：ただ他の曲に混じると、逆にそれがボケなんじゃないかって。

石黒：あぁ、真面目にやるっていうボケ。

真田：最後に"真面目！？"ってなる（笑）。そういう曲かもしれないですね。

－ラストの「#フューチャー」はアンセミックな曲で、大きな視点での応援ソングですね。

平山：俺たちなりの「We Will Rock You」（QUEEN）を作ろうと思いました。

真田：みんな、それでいいじゃんってメッセージを込めてね。

平山：勝手に俺らは聴いてくれる人たちの代表って思いがあるんですけど、ISAACを聴いてくれる若い子たちに"20代なんて、そんなもんやで"ってオヤジの小言みたいな感じでやりたかったんです（笑）。

－オヤジの小言が壮大な曲になりましたね（笑）。ところで、アルバム・タイトルはどんなところから付けたんですか？

平山：意味はありません（笑）。ないんですけど、"イノセントリードープ"って"無邪気な愚か者"って意味なんです。これは自分たちに向けているんですけど、俺たちのルーツであるエモに加え、今回はポップになれたし、聴いてくれる人と俺たちの心もどんどんポップになってきている。つまり、無邪気な愚か者のエモ・ポップスってことです。気になるのは、"ドドド"ですよね？三河弁で"ドすごい"とか、"ドうまい"とか、強調するとき、頭に"ド"がつくんですよ。それを迫ってくるような"ドドド"って音感と合わせたら面白いと思いまして。浅野いにおさんって漫画家が大好きで、浅野さんの漫画に"デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション"って作品があるんですけど、それを本屋で見たとき、"何、このタイトル！？"って思わず手に取ったんです。俺たちの作品もそんなふうに手に取ってもらいたい、なおかつ聴いてもらって"何、このバンド！？面白い！"って思ってもらえるロック・バンドになりたいと思って、みんなの頭に何か植えつけられる言葉を探した結果、こうなりました。