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INTERVIEW

Japanese

FLOWER FLOWER

2018年04月号掲載

FLOWER FLOWER

Member:yui(Vo/Gt) mafumafu(Ba)

Interviewer:石角 友香

-特定のテーマを設けずに、ということだと思うんですが、聴いたときの統一感を感じたので、なんらかのサウンド・デザインとかのテーマがあったのかな? と。

yui:そうですね。いろいろ試行錯誤はあったんですけど、『実』と同じエンジニアさんがいいなというのはあって。私もすごく楽ですし(笑)。アレンジも手伝ってくれたりもして。

mafumafu:エンジニアの井上うにさんが好き勝手に面白い音を入れてくれたりとか、yuiの声を加工してくれたりとか。

yui:歌詞を書いてきて歌ったら、さらにバンドが曲の世界観を作るし、歌詞の世界観を作るし、エンジニアさんがそれをさらに世界観として確立させてくれるので、すごくいろんな人の支えがあって今作はできていった気がします。

-今、あらゆるジャンルの先鋭的なアーティストって、エンジニアさんが5番目のメンバーのような作り方をしていますよね。

mafumafu:そうですね。エンジニアさんの立場が、海外ではサウンド・プロデューサーって肩書きのある方がほとんどですよね。

-今回は曲順も強力で、特に頭の3曲はすごく強いですね。

mafumafu:そうですね。最初にyuiが持ってきた曲順はもうちょっと大人しめというか、洋楽寄りというか、ちょっとダークな始まりで。

yui:洋楽のアルバムをめっちゃ聴いてきたので。とりあえず曲順とアルバム・タイトルを出してっていうときに5分ぐらいでパパパパってやっただけなんであれなんですけど(笑)、それを叩き台としてみんなに送って。

mafumafu:それで、ドラムのsacchanが、"俺は「命」とか「パワフル」みたいなアッパーな曲から始まる感じでやってみたいなぁ"ってことで、曲順を変えてきて。

-sacchanさんの精神性が反映されてるんですね(笑)。「命」はなかなか内容的にはシビアというかタフな曲ではありますけど、音像として出てきたときに"おっ!"と思うんですよね。単純にポスト・ロック的とかマス・ロック的とも言えない曲で。

mafumafu:もちろん、みんなポスト・ロックとかも好きなんですけど。

yui:プログレも聴いてきたし、いろんなものを通ってきた結果、やっぱり音楽が好きなんでしょうね。そういうところが繋がってるっていう感じがします。

-そしてyuiさんがそもそもの形がちょっとダサい、あまり気に入ってないとおっしゃっていた「パワフル」は、どう変身したんですか?

mafumafu:アレンジを3回ぐらい変えてるんですけど、もっと変拍子バリバリだったりしてて。

yui:やりすぎたらプログレすぎて演奏できない状態に陥ったんですよね。ポップなところが削られすぎてたから、そこをまたアレンジしてうまく戻してくれたりとかしました。

-なるほど。で、痛烈な歌詞の「コーヒー」。歌詞の内容に反してyuiさんの作る曲って自然に出てくるポップさがあると思うんですよ。ポップさを強制されるのは嫌だと思うんですけど、この曲はポップだと思います。

mafumafu:いや、最高にポップですけどね。

-今回、着地できたという感じなんですか?

yui:そうですね。書いたころは若気の至り的な感じで書いたんですけど。刺々しい歌詞だってことで、最初、過激だって言われたんですけど、でもライヴでやってるときに(この曲を)好きだって言ってくださるお客さんがいて。去年のクリスマスのライヴのときにTwitterで"何聴きたいですか?"って聞いたときに「コーヒー」って答えが意外とあって、こんなにこの曲を愛してくれてる人がいるんだったら、ぜひ作品として残したいなと思いまして。みんなあると思うんですよね、上司に理不尽な怒られ方をしたとか、そういう、心がささくれたみたいなこと。

-いろんな場所でハラスメントがありますからね。

yui:そういうことだと思うんですよね。これは音楽で縛って書いてますけど、そういうときに寄り添える曲になったらいいなと思います。みんなどこか弱いし、そういうところを自分でちゃんと優しくしてあげられるようになったらいいなと、自分でも心掛けてますね。

mafumafu:この曲もそうなんですけど、どの曲も歌詞の切り出し方がすごいというか。いろいろ気を使って歌詞を書く人もいるとは思うんですけど、"私はこう思う"みたいな素直な切り口っていうのは気持ちいいんですよね。それに結構、みんな感化されるというか。

yui:そんなそんな(照笑)。最初フラフラ(FLOWER FLOWER)を始めたときはわりと意味のないことを(歌詞に)書こうと思ってたんですけど、「あなたと太陽」とかも、洋楽だとあんまり言葉が聴こえてこない感じの歌詞みたいな。わりと自分でもそうなったなぁと思って自信満々で持っていったら、エンジニアさんが"あれ? 意外といい歌詞だからどうしよう"と。"歌が聴こえないとそれはそれでもったいないぞ"みたいになって、逆に悩ませてしまったような感じで。

mafumafu:歌い方もひたすらウィスパーみたいな感じで。これ、いつ声張るんかな? と思ったら、そのままで(笑)。