Japanese
ぐるたみん
2017年09月号掲載
Interviewer:秦 理絵
-いまはYouTubeに上がる曲がアーティストのイメージを決定づけますからね。
それがデカいですよね。最近も対バンのライヴをやってるんだけど、YouTubeに上がってない曲ばっかりやってますから。
-『GRACE』を作り終えたあと、"自分のイメージが正しく伝わっていないな"、というようなフラストレーションはあったんですか?
誰かと一緒にモノを作るときに、"チームの人間に自分のことをわかってもらうのは難しいな"、というのはありました。もちろん他人に自分のことを100パーセントわかってもらうことはできない。それは自分でもできないじゃないですか。自分も自分のことをわかってないから。だから誰でもフラストレーションはあると思うんですけど......。
-音楽っていう不確かなものを伝えるとき、そこに難しさがあったと。
そうなんですよね。『GRACE』は絶対にひとりじゃ作れない作品だったんですよ。何よりみんなで一緒に作っていくっていう制作は楽しかった。だからモノ作りのうえで誰かとタッグを組むことは大切だったけど、見せ方の部分で別の方法があったなと思うんです。
-なるほど。それで今作では、ぐるたみんというアーティストの本質を正しく伝えるために、ライヴ感のある曲をリードにしてるわけですね。
そうですね。
-いままでも曲作りの段階でライヴを意識した曲というのは多かったですか?
「GIANT KILLING」(2016年リリースのメジャー・デビュー・シングル表題曲)もそうだったし、『GRACE』に入ってる「ESCORT」とかもそうですよね。「ESCORT」では、"床を蹴りつけろ"っていうフレーズがあるんですけど、そこはライヴのときに、みんなでトントンって床を蹴るんですよ。『GRACE』ツアーのときは、ライヴが終わったあとに会場で流れるBGMも「ESCORT」だったんですけど、ずっとお客さんが床を蹴ってて、なかなか帰らないっていう(笑)。
-そのシーン想像できます。サウンド作りに関しては、どんなイメージで作っていったんですか? バキバキのシンセも曲に疾走感を与えてますが。
もともとぐるたみんの楽曲っていうのはシンセのイメージが強いんですけど、今回は昔からお世話になっている方にプログラムを作ってもらったんです。こういう派手な感じが好きなんですよね。こういう曲だとサビでよく転調をするんですけど、この曲はスケールを変えるっていう方法をとることで、テンションを上げさせてるんです。なんか、転調があんまり好きじゃなくて(笑)。わかりやすいじゃないですか。だから、そうじゃないアプローチでテンション上げようみたいなところをチャレンジしてみました。
-それが曲の爆発力になってますよね。"WAKE UP"ということで、歌詞にはライヴハウスでお客さんを煽るような言葉が多く使われていますね。
ぐるたみんには「TIME UP」(2015年リリースの『み -GLUTAMINE BEST-』収録曲)、「JUMP UP!!」(『GIANT KILLING』[初回限定盤B]収録曲)っていう、ライヴのときに盛り上がる"UPシリーズ"っていうのがあるんですよ。で、それに続く「WAKE UP」なんです。だから最初に"何UPがいいかな?"っていうのを考えてて、"GIVE UP......あ、ダメだな"とか(笑)。なので、それほど歌詞に深い意味はないんですけど、"この曲から自分のライヴが広がればいいな"っていうイメージで書いてます。ぐるたみんのライヴはすごく盛り上がるから、そのうえで、"来てくれるあなたたちをハッピーにしてあげたい"、"幸せにしてあげたい"っていうのが、いま一番メインでやりたいことなんです。
-それで歌詞の最後も"HAPPY!!"で締めくくるんですね。
これは原点回帰なんですよね。ぐるたみんはもともと"We Are HAPPY!!"っていうテーマを掲げて、"一緒にハッピーになりましょう"っていう言葉を使ってたんです。『GRACE』を作ってたときは、ただ自分が楽しくて作ってたけど、改めて"自分は何のために音楽をやってるんだろう?"って考えたときに、やっぱり応援してくれる人たちの存在に立ち返って、"幸せにしよう"って思ったから、また言い始めるようにしたんです。
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