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INTERVIEW

Japanese

TRY TRY NIICHE

2017年07月号掲載

TRY TRY NIICHE

Member:ヲクヤマ(Pf/Vo) 柴山 大樹(Gt) たなべあきら(Ba) ゆーみん(Dr/Cho)

Interviewer:蜂須賀 ちなみ

-なるほど。「溺れるなら青」もかなり挑戦が詰まった曲ですよね。

ヲクヤマ:最初にこのアルバムのために20曲ぐらい曲を作ったっていう話をしたと思うんですけど、実はそのほとんどがリード・トラック作りだったんですよ。今回はリード・トラック作りにすごく時間がかかって、締め切りの1~2週間前にようやく完成したのが「溺れるなら青」で。完成したのはギリギリだったんですけど、スタジオで作り終わった瞬間には"いけるんじゃないかな"っていう感触が結構ありましたね。『open the door』(2015年リリースの1st EP)収録の「さよならエイミー」然り、『FLOWERING』収録の「水面の果て」然り、これまでのリード・トラックにもそういう手応えがあったんですけど、そういうのが今回もあって。

-歌謡曲テイストで、今までにないタイプの曲調じゃないですか。これをリード曲にするのって、正直怖くなかったですか?

ゆーみん:私はそんなにピンときてなかったんですけど、作ってる途中でドラムのいいフレーズが浮かんできて、それをレコーディングして聴いてみて......っていうのをずっとやってたら、いいなと思えるようになって、今ではもう大好きになりました。

たなべ:僕はちょっと不安でしたね。やっぱり今どきの邦楽ロックのリード曲っていうと、どうしてもアッパーな感じのイメージがあるので、最初に聴いたときはリードっぽくないなと思って。でも、レコーディングして形になったものを客観的に聴いて、やっぱりこれが『NEWTRAL』のリード曲だなと。

ヲクヤマ:いわゆるリード・トラックっぽい曲じゃないけど、それが逆に『NEWTRAL』っていうアルバムだからこそ成立したというか。ここでまた普通なことをやってたら、それはもう"新しいピアノ・ロック"じゃないので、結果的に大きな一歩だったんじゃないかなと思いますね。

-結果的に「溺れるなら青」が2曲目に配置されることによって、この曲がアルバム全体の窓口の役割を果たしているというか、聴き進めていくと腑に落ちる部分が多いですよね。逆に言うと、それだけ変化のアルバムだということですよ。

たなべ:変化球な部分も多いアルバムなので、"今の邦楽ロックが好きな人にもちゃんと理解してもらえるのかな"、"ちゃんと聴いてくれるのかな"っていう気持ちはどうしてもありますね。楽しみと不安が半々ぐらいなんですけど、ちゃんと新しい音楽を作れているとは思うので、それを受け入れてもらえたら嬉しいなという気持ちです。

柴山:うん。いいアルバムだから、良く受け取ってもらえると信じてます。

ヲクヤマ:まぁ、"TRY TRY NIICHE、ちょっと変わったよね"っていうふうには思われると思いますけどね。

ゆーみん:でも、ビックリされたいっていうか、ビックリされたら勝ちかなって思いました。受け入れてもらえたらもちろん嬉しいですけど。

-たしかに。もともと"新しいピアノ・ロック"というところから始まったバンドなわけだから、こういうアルバムが生まれたのは、ある意味必然的だったのかもしれないです。

ヲクヤマ:うん、そうですね。前作、前々作を聴いてくれた人にはより伝わるかと思うんですけど、通して聴くと、TRY TRY NIICHEらしさを実感できるようなアルバムになってると思います。"あ、なるほど!"、"そうきたか!"と思ってもらえたら嬉しいです。