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INTERVIEW

Japanese

ヒゲドライVAN

2017年03月号掲載

ヒゲドライVAN

Member:ピコピコ/シンゴ(Vo) 社長(Gt) カズマ(Ba) 絢人(Dr)

Interviewer:岡本 貴之

前作『インターネット・ノイローゼ』で"ピコピコ系ロック"のイメージを一新するソリッドなギター・ロック・バンドとしての姿を見せたヒゲドライVAN。3月8日にリリースされるワンコイン・シングル『0831』(500枚限定)は、死をテーマに歌う「0831」と生をテーマにした「How is life」という対になる2曲で、死生観を表現したもの。"内面を曝け出す"歌詞と、これまでにないミクスチャー・ロック・サウンドは結成時からこれまでのメンバーの意識の変化がもたらしたものだ。彼らは今どんなことを考えてバンドに向かっているのだろうか。そして、フロントマン シンゴにとって音楽活動へと向かう最大のモチベーションとは!?

-今作と合わせて前作『インターネット・ノイローゼ』(2016年6月リリースのミニ・アルバム)も聴かせていただいたんですが、結成当初に聴かせてもらった作品と比べると明らかに演奏がレベルアップしてるなと思いました。バンドの結束力が高まっているのかなと。

カズマ:それはやっぱりありますね。上げ下げはあるんですけど、バンド感が上がってきているのは感じています。

シンゴ:結成時に比べたらバンド感は全然違いますね。初めは曲の作り方とかも、もともと僕がやっていたヒゲドライバーの曲をバンドでコピーするような形で進めていたのを、最近はバンドでゼロから曲を作ろうっていうのが基本になっているので。そういう意味でもバンド感は結構出始めている時期なのかなって。

-曲はずっとシンゴさんが書いているんですか?

シンゴ:基本はそうです。ただ最近はデモの段階でみんなに投げて、ああしようこうしようって作っていくやり方になってますね。

カブマ:ある程度デモがあって、みんなで録るときに話し合いながら固めてから人前で聴かせられるようにしていく流れが多いです。

絢人:録りの前にスタジオに入ってみて確認はしますけどね。

-ドラマーとしても、バンド感が上がってる実感はありますか?

絢人:機材をいっぱい買ってます(笑)。

カズマ:たしかに、機材はどんどん充実していってるよね。

絢人:みんなの機材が充実し続けていますね。もう赤字です、完全に。さっきも電車で寝そうになりながらも、ネット・ショップでペダル買いましたから。

-社長さんは、結成当初は久しぶりにバンドをやったんですよね。

社長:そうですね、勘が戻ってきました(笑)。でもやっぱり2年は必要としましたね。2014年に始めたので、2016年に『インターネット・ノイローゼ』を作ったときくらいで、個人的には高校生くらいの腕前に戻ったっていう感覚です。絢人が言ったように、機材は充実してますけど。ギターも数本買いましたから。2014年からギターだけで○万は使ったんじゃないですかね。

-えー!? 本当ですか。

カズマ:圧倒的に一番買ってる(笑)。

社長:役職的に、休日課長(ゲスの極み乙女。)よりは豪華にいきたいなと(笑)。でも本当にそれだけ、バンドに注力したくなっちゃう感じはありますね。

-『0831』は2曲入りのワンコイン・シングルですが、500枚限定にしたのってどうしてなんでしょうか。

社長:2曲なので、500円くらいがちょうどいいんじゃないかっていうイメージなんですけどね。正直、こだわりはそんなにないんですけど、ヒゲドライVANで無料配信とかライヴ限定とかいろいろやってきて、やっぱり盤がないとみんな動かないんだなっていうのが非常にわかったというか。"買った"って言わないんですよ、みんな。僕らのいる界隈はもともとアニメの方に寄りがちなんですけど、どうしてもそっち側の人たちって配信で買ったという発言をしないし、そもそも配信であまり買わないんですよね。なので、モノがないといけないんだなっていうのがあって。ワンコイン500円だったら単純に買いやすいと思いますし、それで500枚限定ならとりあえず買わなきゃっていう気持になってくれるんじゃないかなと。その気持ちを見せてくれよっていうことです。

シンゴ:曲自体の元ネタは前からあって、何かのタイミングで出したいと思って眠らせておいたのが「0831」(Track.1)なんです。シングルを切るっていう話が出たときに、良い機会だと思って。

-「0831」は歌詞を読みながら聴いたらいろいろと考えてしまいましたが、どんなことを歌った曲でしょうか。

シンゴ:ズバリ、人が死ぬ曲です(笑)。最後の"ピッピッピッピー"という心臓が停止する音でわかるとおりのストーリーです。

-前作に「余命」という曲がありましたが、繋がっているんですか?

シンゴ:そうなんですよ。わりと話が被っていて。基本的にテーマとしているのが自分の父親なんですけど、父親が亡くなったときの体験をもとにストーリーを作っている感じです。

-お亡くなりになったのが、8月31日なんでしょうか。

シンゴ:いや、そうではないんです。これはややこしくて、僕もなんで8月31日にしたのかわかってないんですけど(笑)、実は父親の誕生日が8月31日なんです。これはメンバーのみんなも知らなかったと思うんですけど。命日は6月15日で、全然違うんですよ。なのになんで誕生日に死んだ曲になっているのか、自分でもわからないんですけど、8月31日って夏休みの最後の日だから、"みんなバタバタしているから祝ってもらえないんだよ、俺"って話してたのをすごく覚えていたんです。そうか、8月31日ってそういう切ない日なのかって。そこの印象が強くて、それをテーマにしたのかなって、今になって思います。

絢人:そうだったんだ。

カズマ:もともと、「0830」の方はどこから出てきたの?

シンゴ:そうなんです、「0831」の前に「0830」という曲もあって。それはヒゲドライバーとして10年前にこっそりネットに上げてた音源なんです。それも「0831」が亡くなる日という設定にしてその前の日のお話というか。特に歌詞はないんですけど、そういう気持ちをテーマにした曲があって。そこから続編で「0831」になったというのもあります。

-「0831」の元は以前からあったとのことですが、世に出すのにちょっと考えてしまうような気持もあったんですか?

シンゴ:いや、そのあとに「余命」を作っちゃったんですよ。ストーリー的に似ているから、「0831」の方は封印しちゃっていいかなって思ってたんです。でも、みんなには聴かせていたので、次のCDをどうするかっていうときに、"「0831」っていう曲、バンドっぽいしやってみようよ"っていう話になったんです。