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INTERVIEW

Japanese

Mississippi Duck Festival

2016年09月号掲載

Mississippi Duck Festival

Member:大須賀 拓哉(Vo/Gt) 岡田 悠也(Dr/Cho) 川田 勤(Ba)

Interviewer:岡本 貴之

-そんなに喜ぶとは思わなかった(笑)。ジャケットは"傷ついても前に進むような「気持ち」や「意識」を、壁の傷や汚れと矢印で示し、フェンス(障害物)を越えて進んでいくように"という前向きな意味が込められているそうですね。

大須賀:ジャケットの見た目はオルタナっぽいですよね。すごく気に入っています。これは毎回お願いしているGiottographicaさんに曲を聴いてもらって汲み取っていただいたんです。"フェンスを越えて"とか、破れている部分や落書きされている部分も、自分たちの想いや悲しみ、痛みなどを表現してくれているんだと思っています。

-後半のTrack.6「Happy Ending」がとても心に沁みるいい曲だと思ったんですが、これはどんなことをテーマに歌っているのでしょうか。

大須賀:僕自身の実体験もあるんですけど、本当に心が通じ合っていたり誰かのことを思っていたとしても、昔はどうしたら僕自身が豊かになれるかを考えることが多かったんです。でもこの曲は、すごく感謝している人と近況を話していたときに、心の底から"この人に幸せになってもらいたいな"と思って書いた曲なんです。先にオケができていて、どういうことを歌いたいのか考えていたときに、"フィルム回る いつかの二人のよう"っていうフレーズがポンって出てきたんですよ。他の曲はわりと自分のことや内省的なことを歌っているんですけど、誰かのことを歌ってもいいのかなって思えたんです。

-もしかしたら、もっとストーリー性のある長いアルバムを作りたいと思っているんじゃないかなって思ったんですが、そこはどうですか?

大須賀:長さというところに繋がるかはわからないですけど、物語としてちゃんと一連の流れがあるひとつの作品になるコンセプト・アルバムと呼ばれるものがとても好きなので、曲として理解度は上げて聴いてもらえるようにしつつ、実はそれが集まるとひとつの物語になっているものを表現できれば、もっとパーソナルな部分を感じてもらえるのかなって思います。できることなら、Peter Gabriel時代のGENESISみたいにやりたいなと(笑)。

-リリース・ツアーのファイナル公演が10月22日渋谷STAR LOUNGEでワンマン・ライヴ"crawl into connected your mind"が行われます。"クロール"という言葉がTrack.3「Dive」の歌詞とリンクしていますね。

大須賀:"クロール"は川田君からの発信なんですけど、這ってでも前に進むとか、自分たちがどういう行動で前に進んでいるのかを表していると思っているんです。今まで受け身だった部分が、能動的になったのかなって。この"クロール"っていう言葉はお客さんに対して"届けに行きたい、本当に伝えたいことがあるから意地でも這ってでも向かって行く"という意味を込めています。意識としてもライヴのモチベーションとしても、今回のツアーの核になる言葉だと思っています。

岡田:今回は、観に来てくれる人に向けてどんどん気持ちを出して行けるように意識してライヴをやろうと思っています。

川田:僕もたくさんの人に観てもらいたいと思っているので頑張ります。それと、ワンマンだとライヴの時間が長いので、みんな身体作りをするんです。でも大須賀は加減がわからないから、足が痛くなったり、絶対怪我するんですよ。そのときに、大須賀が"万能薬のパスピン塗ると治るんだよ"って言うんですよ。"パスピン"て知ってます?

-わからないです......なんですかそれ?

川田:もう長い付き合いですけど、それを言われたときに"こいつ何言ってるんだろう?"って初めて思って。

大須賀:俺は今お前にそう思っているよ(笑)。

川田:ライヴに来たお客さんに"パスピン知ってますか?"って聞きたいと思います。

-よくわからないですが聞いてみてください(笑)。Mississippi Duck Festivalの活動としては、今後も作品を作りつつライヴでいろんな人と繋がって徐々に規模を大きくして行きたいんじゃないかと思うんですけど、これは地道にやり続けるしかないですよね。

大須賀:そうですね。最近、"たしかにわかりにくいとか、暗いとか、そういうことを言われるかもしれないけど、君たちを好きになってくれた人たちは本当に好きになってくれた人たちだから誇っていいと思うよ"って言われたんですよ。僕自身としてはとても力になる言葉ですし、これからこのバンドを続けて行くうえでのテーマになるのかなって思っています。