Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Japanese

MOLE HiLL

2016年08月号掲載

MOLE HiLL

Member:新 大作(Vo/Gt) にっぽ(Gt) tadaa(Ba) 440(Dr)

Interviewer:秦 理絵

-この曲には他のメンバーも同じように思い入れがあるんですか?

にっぽ:僕自身もこの曲に背中を押されてる部分があるんです。この曲自体に心を揺さぶるパワーがすごくあるというか。ライヴではもちろんそれぞれの曲で気持ちが入るんですけど、特に"いくぞ!"って勢いづけてくれる曲なんですね。

tadaa:ライヴではお客さんの心が動くのが目に見えてわかるんです。肌で感じるというか。サウンドもかっこよくて、ほんまにメンバー全員が一番好きな曲やと思います。

新:今回のアルバムでリアレンジしてますけど、最初はシンプルに作ったから、自分らの衝動そのままでできあがった曲っていうのもありますね。

440:"ここはこういうふうに表現しよう"とか考えながら演奏する曲もあるんですけど、この曲はそういうのがあんまりないんですよ。暗黙の了解というか。メンバーそれぞれが言葉にせんでも理解して演奏することができて、それにお客さんがめちゃくちゃ良い反応を返してくれたんです。(新)大作が言ったように、特にこの曲はお客さんとともに成長してきたし、この楽曲とともにMOLE HiLLも成長してきたので。昔から今までのMOLE HiLLを入れたアルバムを作りたいって考えたときに、この曲は絶対に外せなかったんです。

-もうひとつのリード曲「Time of your life」(Track.2)も同じように強い想いがあったんですか?

新:この曲も同じ時期に作ったんです。だから同じような話になってしまうんですけど、ライヴとともに演奏する中で成長してきた曲かなと思います。

-この曲の"一度きりの今日に「Time of your life」と/タイトルつけて"というフレーズは、何かに心がとらわれてる人を解放するようなメッセージが良いですね。

新:"Time of your life"っていうのは、"ありのままで人生を楽しもう"っていう意味なんですけど。この曲は最後にタイトルをつけましたね。

-アルバムのタイトルにも"Time"という言葉が使われているのはなぜですか?

新:タイトルはいろいろ候補があった中から決めたんですけど。僕らのライヴのMCであったり、楽曲の中には必ずと言っていいほど入ってくるのが、今この瞬間を輝かせようとか、今この瞬間しかないとか、そういう"時間"をテーマにしたことなんですね。

-たしかに、Track.1「Remake」の"重ねた時間が君を作るよ"とか、Track.4「レンズ」の"過去や未来を覗く僕の"とか、その人の過去が今と未来に繋がっている、というような曲が多いですね。

新:そうなんです。今回のアルバムはどの曲にもそういう要素が入ってるんですよ。それとさっき言ったような、今会えなくなってしまってる人たちとの思い出を繋げるアルバムにしたいっていうことで、今作のタイトルは"Time"にしたんです。

-では、最初に"Time"というテーマがあってそこに向けて曲を決めたのではなく、11曲を並べてみたら結果として"Time"という言葉が浮かび上がってきた感じ?

新:そういうことですね。

-そう考えると、今回の11曲を選ぶ作業は自分たちがどんなバンドなのかとか、自分たちらしさってなんだろうとか、そういうものを見つめ直す作業になったんじゃないですか?

新:まさにそのとおりです。今回のアルバムを作っていく中で、僕たちの音楽に対する向き合い方を考えさせられるきっかけになったんです。

440:なんで自分たちが音楽を好きなのかとか、音楽を続けられた理由はなんなのかとか、そういうことまで考えましたからね。

新:そのうえで、これからも音楽を続けていこうと思うのはなんでなのかっていうところまで、1回立ち止まって考えたんです。

440:だから今回アルバムに入れる楽曲をチョイスするのに苦労したっていうのも、自分らの本質的なものを見つけるのに苦労したからなんです。自分の中で"これが MOLE HiLLやろ"っていうものを見つける作業ですよね。そうやって自分らの根本的なところを探っていく中で核として残ったのが今回の11曲なんだと思います。

-そこで見つけたMOLE HiLLの核心、音楽を続ける意味はなんでしたか?

新:さっき言ったことと重なるけど、やっぱり一度しかない人生で、この一瞬一瞬をどれだけ輝かせることができるかどうか。自分たちも含めて、誰かの一瞬を輝かせるために音楽をやってるんやなと思います。その輝きをより大きくて魅力的なものにしたいから、自分たちはまだまだ音楽を追求していこうとしてるんだなっていうことを気づかされたんです。だから、もっと大勢の人の前でライヴをやりたいと思うのも、その景色を想像したときに、自分たちが求めてる"一瞬を輝かせよう"っていう想いがより実現できる場所だから。そのためにもっと頑張っていかなきゃいけないと思ったんです。

-今作では、サウンド・プロデュースには中ノ森BANDやPASSPO☆を手掛けている阿久津健太郎さんを迎えていますが、それはどういう意図があったんですか?

新:阿久津健太郎さんはバンドやポップスを多く扱ってこられた方なんですね。それで僕らが今までやってきたサウンドのことも理解してもらいつつ、また違う目線――J-POPとかのポップス・シーンに対する新しいアプローチも加えて僕らを見てもらえるんじゃないかなと思ったんです。そういう、より僕らの世界を広げてくれる方にお願いすることにしました。