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INTERVIEW

Japanese

ISAAC

2016年05月号掲載

ISAAC

Member:真田 修壱(Vo/Gt) 石黒 健晋(Gt) 平山 裕一(Ba/Cho) 河合 俊紀(Dr)

Interviewer:山口 智男

-そして、今回のリリースに至るわけなんですが、どんな作品にしたいと考えて準備してきたんでしょうか?

真田:これまでは自由にやらせてもらってたんですけど、自由だったがゆえにすごく勝手だったんですよ。もちろん自信もありました。それは今も変わらないし、個々のプレイのかっこよさも信じてます。ただ、どうやったらお客さんが振り向いてくれるんだろうって悩んでました。まだ見向きもされていないのに堂々としていても意味がないじゃないですか。だから、まず振り向いてもらって、"俺たちはここにいますよ。こんなことをやってますよ"ってことを知ってもらうには、どうしたらいいか考えたんです。そこで、曲を作るうえで、もっと面白い要素を加えようと思ったんです。それが今のISAACの楽曲に繋がっていて、去年、書き下ろし2曲入りのデモEPを3ヶ月置きに計4枚(※2015年3月リリースの『フィードバック / 命カラガラ』、6月リリースの『泳ぐ / ランナーズハイ』、9月リリースの『ファイヤーバード / 涙』、12月リリースの『スーパーナチュラルスーサイド / 8ビート』)出してきたんです。その4枚目に1番変化が出て......アルバムにも入ってる「スーパーナチュラルスーサイド」(Track.3)って曲なんですけど、時代と重ね合わせるような歌詞を歌ってたり、ライヴで演奏するときは振付けがあったりするんですよ。振付けなんて初めてやりましたけど、意外とそういうのが好きなお客さんは多いんですよね。

石黒:これまでは自分がかっこいいと思ってることばかり追求してきたんで、それは一旦置いておいて、お客さんが面白いと思えることを考えようと。やっと大人になれたというか、そういう目線で考えられるようになったんです。

平山:順を追うと、デモEPの1枚目を作るときは、何をしたらお客さんに見てもらえるか全然わからなかったんです。とりあえず、まずは日本語にしてみようかと。それが1枚目を作るとき、絞り出したことでした(笑)。で、2枚目を出したあと、もっと突き抜けて鮮烈な曲をお客さんに叩きつけたいと思って、前回を超えたと思える曲を作ったんですけど、社長から"「君の勇気を~」みたいな、人の背中を押す曲はもういいよ"って言われて(笑)。そうか、じゃあ今度はマクロじゃなくてミクロに行こうと。

真田:聴かせる曲を作ったんです。

石黒:それがアルバムにも入っている「ファイヤーバード」(Track.5)という、お母さんに向けて書いた曲です。でも、それでもまだ全然、楽曲はストレートでした。

-そこから「スーパーナチュラルスーサイド」になるわけですね。それにしても、ライヴで振付けを取り入れるというアイディアはどんなところから?

真田:何かリフを入れた方がいいんじゃないかって俺が言って、リフを考えたんですよ。それに対して、"振付けしたら面白いんじゃないか"って裕一が言いだして。

石黒:かっこいい曲こそ逆に崩さないと。サウンドはかっこよかったり歌は良かったりするんだけど、歌詞がとんでもないみたいな曲、最近わりと多いじゃないですか。

平山:ISAACになってから、シーンにより目を向けるようになったんですよ。だからって、まさか振付けっていうアイディアが出るとは自分でも思ってなかったです。23~24歳のころだったら鼻で笑ってたと思います。

石黒:ゲスの極み乙女。の「餅ガール」(2013年リリースの2ndミニ・アルバム『踊れないなら、ゲスになってしまえよ』収録曲)をたまたま聴いたんですよ。そしたら歌詞がぶっ飛びすぎてて。でも、これもありなんだって思ったら、今まで俺たちがやってきたことは普通の中の普通だな。もはや「餅ガール」が普通なんだから、もう何でもいいんじゃないかって。

真田:だから、どうなっていくかわからないですよ、ISAACも。

平山:原始人が火を見つけたみたいな感覚なんです(笑)。昔はライヴをやると、バンドマンっぽい男子が"あの爆音どうやって出してるんスか?"って声かけてくるっていうのが多かったんですけど、最近は老若男女、小さい子からおばさままでいて、「スーパーナチュラルスーサイド」の"フリックしてタップしてグッド。"ってところで、みんな一緒に振付けをやってくれるんですよね。

-じゃあ、その延長にあるのがTrack.1「動揺を童謡で学ぶ唄~うさぎとかめ編~」なんですね?

平山:まさにそうですね。

石黒:今回のアルバムは4枚のデモEPから5曲選んで、そこに書き下ろしの新曲を2曲加えたんですが、これがそのうちの1曲です。

真田:新曲を入れないとただの集大成になっちゃうので、2曲書き下ろしたんですよ。

石黒:1番変化が表れたのが「スーパーナチュラルスーサイド」だったんで、それを推し曲にしようかとも思ったんですけど、もっと攻めていかなきゃイカンだろうって。

真田:それで「動揺を童謡で学ぶ唄~うさぎとかめ編~」を1曲目に置いて、ミュージック・ビデオも作って1番目立つようにしたんですけど、どの曲もシングルのつもりで書いたから、実はそんなにアルバム全体のことを考えたわけではないんです。でも、並べてみると目立つ曲ってやっぱりあるんですね。それが面白おかしい曲で、みんな耳を傾けだしたんで、その結果を参考にして、もうちょっと曲を作り続けてみようと思ってます。