Japanese
セックスマシーン
2016年04月号掲載
Member:森田 剛史(Vo/Key) 近藤 潔(Gt/Key/Cho) 日野 亮(Ba/Key/Cho) ケンオガタ(Dr/Key/Cho)
Interviewer:山口 智男
-表題曲の「新世界へ」(Track.1)を始め、全3曲はどれも"旅立ち"がテーマになっていますが、それぞれに旅立ちの歌い方が違うものになっていますね。
森田:そうですね。視点が違いますね。安直なんですけど、春にリリースするんだから、旅立ちの歌にしたいと思いました。「新世界へ」は、お互いに離れていく状況下で、"でも君は大丈夫さ。信頼してるぞ"という内容になっています。歌詞を詰めていくときに、社会人だった人が"春から学校に入り直す"と言っていて、それがすごくかっこええなと思って。それで、その人が聴いたら喜ぶような内容を歌いたいと思ったんです。僕、歌詞を書くとき、"他の誰もがクソだと言っても、少なくとも、そいつだけはビンビン来るだろう"って特定の個人のことを想定して書くことがよくあるんですよ。そういう状況の人って結構おるやろし、思い起こせば、僕自身も春になって環境が変わるというときに響いた歌があって――"楽しいときは やがて去り行き/今は名残を惜しみながら"ってその曲(合唱曲「さようなら」)が小学生か中学生かのときに、すごくいいなと思ったことがあったんです。学校に入り直すという話を聞いたとき、その曲を思い浮かべて"じゃあ自分だったらどうやって別れていくのか"という考えから、今回の歌詞になりました。
-「新世界へ」はオルガンが大々的にフィーチャーされていますね?
森田:オルガンを入れたのは初めてですね。オルガンってずっと難しいと思ってたんですよ。シンセサイザーはラララって歌う代わりにそのまま入れてもさまになるんですけど、オルガンはオルガンのキュンとなるポイントってあるじゃないですか。ノスタルジックなあの感じってどうやって出すんだろうって考えてたんですけど、結局、(ハモンドオルガンの)レスリー・スピーカーの(ビブラートを変える)スイッチングは、近藤さんに任せました。近藤さん、1回で決めてたね?
近藤:はい。一切やり直してないです(笑)。
森田:コード楽器だけれど、"ビブラートでキュンとさせてどう心を掴むか"みたいな楽器だから難しいんです。ライヴでやるようになってようやくレスリーをどう使ったらいいかわかってきましたね
-曲全体のアレンジはどんなことを意識したんですか?
森田:この曲は一般的にはグランジとは呼ばないと思うんですけど、僕の中ではグランジというか、NIRVANAの、"ズンズン、バーン"ってところから最後、ポップなサビに行く展開は、今回意識しましたね。
オガタ:ああ、メリハリとか静と動ということは言ってましたね。今回は3曲とも森田君の頭の中にしっかりしたイメージがあったので、僕なりにこういう叩き方なのかなって解釈して、それを納品するという感じでした(笑)。
-Track.2「眠るまちから」は、旅立ちではありますが、残していく思いを歌っていて、結構切ないんですけど、ハネるリズムやマーチ風のドラムで、高揚するアレンジにしているところが絶妙ですね。
森田:悲しいことを悲しいまま浸る感じは聴くだけならいいんですけど、演奏していると死にたくなってくるので、昔からあまりしないようにしているんですよ(笑)。
日野:(笑)感情移入しすぎてね。
森田:強がっているわけではないんですけど、悲しい歌詞をそのままマイナー調でやったら、旅立ちの曲にはならないと思うんですよ。そういう意味では、今回の3曲は自分の中の美意識を、かくあるべしとガンガンに押し出してますね。ちなみに、この曲のソロは右チャンネルと左チャンネルでギターとシンセが別のことをやってるんですけど、それはBLACK SABBATHのTony Iommi(Gt)の真似です(笑)。
近藤:あれはギターとギターやけどな。
森田:最初のトゥトゥトゥトゥってところだけ決めて、近藤さんにギター・ソロを適当に弾いてもらって、それを1回だけ聴いて、うろ覚えのまま同じようなことを弾こうとしてズレるみたいな。たぶんTony Iommiも同じやり方だと思うんですよ(笑)。
-そういえば、今作で近藤さんはギター・ソロを含め、大活躍しているんじゃないですか?
近藤:いや、曲をちゃんと理解してたら、大概ああなると思いますよ。100人いたら80人はそう弾きますよ(笑)。
オガタ:近藤さんが弾いたんですか?
近藤:実はお母さんです。
日野:お母さんも80人のうちの1人だったんですね。
近藤:ギター・フレーズはお母さんとすり合わせました。
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