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INTERVIEW

Japanese

小南泰葉

2015年12月号掲載

小南泰葉

インタビュアー:沖 さやこ

-これまたかなり最近で(笑)。

泣いてしまって歌えなくなるのはプロとしてだめだなー......と思っているので。メジャー・デビューして4年目でボイトレって今さらな感じもしますけど、今までずっとボイトレ行く行く詐欺をしてきたので(笑)。カレーのこと考えながら歌うのもいいんですけど。

-いや、そこはカレーではない方がいいです(笑)。

そうですよね(笑)。その醜態をさらしたのが岡山のライヴで。初めての岡山でのライヴだったんですよ。お客さんいるのかな?と思ってたんですけど、私の誕生日ライヴにしか売っていない限定のTシャツを着てる子たちもたくさんいて。顔を知っているファンの子もいたりして、ずっと岡山から一生懸命遠い道のりを経てライヴに来てくれてたんや!とすごく感動して。そんな私ができることはしっかり歌うことだけなのにもかかわらず、みんなにちゃんと伝えたい最新アルバムのリード曲であるセットリストの最後の曲が全然ちゃんと歌えずに終わるという(笑)! 泣きながら歌ってるから喉の消耗もハンパじゃなくて、終わったあとも声カスカスになっちゃって......。

-やっぱりカレーじゃなくてボイトレにしましょう(笑)。LiSAさんも小南さんの楽曲がお好きだから小南さんに楽曲提供のオファーをなさって、小南さんの曲に歌詞をつけることで刺激があったと思います。そして小南さんはLiSAさんのパフォーマンスに刺激を受けて自分の改善点を見つけて。今年はそういう部分でも小南さんに変化のきっかけがあったんですね。

ああ、すごく嬉しいです......。今回私は今までやってきたことを否定しないまま、今までとは真逆のシンプルで真っ白にまっさらに、ということをやっているんです。昔出した曲も『怒怒哀楽』も大好きだし。曲作りにおいて"シンプルなメロディ""ジェットコースターにしない!""ちゃんと耳に残る言葉でないといけない"と自分にいろんな縛りを用意したうえでこのアルバムを作ったんですけど、LiSAちゃんはCDショップで流れている私の昔の曲を聴いて"かっこいい! この人に曲を書いてもらいたい!"と思ってくれて。LiSAちゃんが1年前の小南のことが好きと言ってくれたことで、私はものすごく救われたんですよね。楽曲提供のお話をいただいたときにも"LiSAちゃんが歌詞をつけやすいようにシンプルなものの方がいいですか?"と提案したら"いや、まったく考えないでください。小南泰葉そのもので遊んでください"という要望をくださって。自分の好き放題できる場所を作っていただけたことがめっちゃくちゃ嬉しくて! 本当にめちゃくちゃ感謝してます。

-今度LiSAさんが配信リリースなさる「ギフトギフト」(12月2日リリースの配信シングル『ID』収録曲)も小南さんが作曲なさっているんですよね。

そうなんです! 12月2日から配信開始やから私とリリース日も同じで。おまけにタイトルが「ギフトギフト」。私が今回のアルバムでめちゃくちゃ大事にしている曲がTrack.1「プレゼント」なんですよ。"こんな新しい音が小南にはあるよ、1秒でも早くみんなに聴かせたいよ!"と思っていたのが「プレゼント」なんです。だからどうしてもこの曲はアルバムの特等席に置いてあげたくて。その「プレゼント」と「ギフトギフト」の歌詞がリンクしたのも嬉しくて......"ああ、縁だ"と思ったんです。今年1年"縁を"と言い続けてきて、最後にこうやって報われて繋がって来年を迎えられるなって。

-「プレゼント」はとてもあたたかい曲ですよね。

私は4人兄弟なんですけど、1番下の妹が妊娠したので、小南家に初孫が生まれるんです。私は赤ちゃんを作ることにコンプレックスがあるんですけど、自分にとっては曲が我が子だから曲を子として育てていこうとずっと思っていて。今回妹が子供を産むということで、実質初めて枝分かれをして、自分の血を分けて繋げてくれたんですよね。だから妹にすごく感謝をしていて、妹にこの曲を贈りたいなと思ったんです。初めて母親になる人にも聴いて欲しいです。

-......本当に今作は"メッセージ"なんですね。今回のアルバムは小南さんの優しさが溢れた作品になっていると思います。Track.7「次の日のうた」も"誕生日の次の日"のように華やかな日のあとを歌ったものなので、そこにスポットを当てるところにも優しさを感じました。

誕生日や結婚式の日を歌った曲はこの世界にたくさん溢れてると思うんですけど、その次の日の虚しさを歌った曲はないな......と思ったから、そういう曲を書こうと思ったんです。でも実際書いたのは"東日本大震災の次の日"で。歌詞に出てくる"今日は『あれから4年』の次の日"というのは今年の3月11日の次の日のことなんです。そしたら編曲をしてくださったGKさんもそれを汲み取って"いろんなものを遅らせていこう"と言ってくれたんです。ドラムがあとから聴こえてきたり、いろんな仕掛けがあって。

-今回は特に音も小南さんのメッセージを広げてくれてますよね。

今まではギターで弾き語りしたものをアレンジャーさんに渡して、それでやりとりしながらアレンジを作っていって、方向性を作ってからギターを入れて最終的に歌入れをしてたんですけど、初めて"ギターと歌"というところに肉づけをしていく方法を取って。デモの歌やギターをそのまま使っちゃったり、オケも何もないところでガーガー歌っちゃったり。真逆にしたらどうなるかな? もしかしたら自分のメッセージ性や歌とギターが立つかな?って実験的に今までと逆にしてみたりして。

-これだけメッセージの詰まった曲たちですから、ライヴでそれを体感できる日を心待ちにしています。

3月から始まる東名阪ツアーも、このジャケットのように白をイメージしたものにする予定なんです。まっさらな状態でライヴをやれたらなと思います。すごく楽しみですね。