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INTERVIEW

Japanese

オトループ

2015年11月号掲載

オトループ

Member:纐纈 悠輔(Vo/Gt) 吹原 賢吾(Ba/Cho) 小鹿 淳(Dr/Cho)

Interviewer:山元 翔一

-小鹿さんが加入されて9月には10周年記念ライヴを開催されました。今のメンバーで初めてのワンマンでしたが、このライヴはどのようなものでしたか?

纐纈:10年と言葉で言うのは簡単なんですが、いろいろあったなっていうことを噛みしめながらステージに立って、やっぱり続けてきてよかったなってすごく思ったんです。どこかでやめていたらこのメンバーでステージに立つこともなかっただろうし。11月に『カメレオンは何も言わない』をリリースしますけど、改めてこれまでの活動を振り返るいいきっかけになったライヴだなと思いました。

-同じくらいのタイミングで、テレビ番組"バズリズム"に取り上げられてすごく反響があったそうですが。

纐纈:"バズリズム"はみんな観てくれて、声もいただいてすごく嬉しかったです。地上波は去年の"ミュージックドラゴン"に次いで2回目だったんですけど、前回よりもオトループを知ってくれている人が多いぶん反響はより大きかったですね。

-メンバーがきちんと固まり、10周年記念ライヴを成功させ、テレビでも取り上げられてきちんと反響が得られて、11月には今作『カメレオンは何も言わない』がリリースされます。バンドとしてはすごくいい波に乗っているように感じます。

吹原:纐纈がやってきたオトループの10年間をすべて知っているわけではないですが、僕は僕でミュージシャンをずっとやってきて、小鹿もいろんなバンドをやったりサポートをしたりっていう活動をそれぞれしてきたんですね。それぞれの10年があったから、何の迷いもなくこのCDを出すことができて、今のようなライヴができるんだと思います。伝えたいことや聴かせたいことがメンバーの中で僕らなりに見えていて、且つやりたいことができている瞬間の連続なのですごくいい状態だと思います。

纐纈:やりたいことが自分の中でがっちり固まってきていまして。僕は本を読むのが好きなんですけど、言葉にできないことがすごく巧い描写で表現されていたりすると、心のもやもやが晴れるようなカタルシスを感じるんですね。それを音楽を通してやりたいって思っていて。人間であれば誰しも感じるもやもやしたものを晴らしたり、みんながなかなか言葉にできない想いを歌詞にして伝えることで、聴いてくれた人の心をちょっと軽くしたりしたいって、今までで1番強く思っています。そういう意味ではオトループをやるにあたって迷いはないので、すごくいい状態で11年目を迎えられたと思っています。バンドとしてはもう突き進むだけですね。

-小鹿さんは加入されてまだ3ヶ月ということですが、すごく急展開ですね。

小鹿:サポートは3月からやっていたんですけど、最初の4~5ヶ月はすでにあるオトループの世界を表現することで精一杯で。ここ2~3ヶ月くらいはすでにある世界を表現するというよりも、内から湧いてくるエネルギーを音にぶつけて放出するみたいな自由な精神状態で演奏できるようになってきましたね。音楽を楽しめるようになってきたと言いますか。

-数ヶ月でここまで馴染めるのもすごいと思いますよ。今作を聴かせていただいて、新体制になってすぐ完成させた作品とは思えない一体感があるなと。

小鹿:加入するかどうかっていうくらいの時期は、それまでオトループを客観的に見ていただけに新曲を作っても自分がどう演奏するのか想像できなかったんです。でもレコーディングが始まってみれば、以外と何も考えずに演奏できるようになっていましたね。サポートとして一緒にツアーを回ったり、一緒に濃い時間を過ごしてきた中で自然とバンドの一員になれたのかなと思います。

-今作には、今のオトループというのが自然に落とし込まれていると。それがリスナーのもとに届けられるということになりますね。では、今作を含む音楽性について訊いていきます。オトループの歌詞は、言葉自体はまっすぐですが、ひねくれたりどこかすねた視点があるなと個人的には感じたんですね。一方で纐纈さんの歌はひたすらまっすぐで。だから多くの人の心に届いて共感を獲得できるのかなと思ったのですが、ご自身ではこの"まっすぐさ"についてどう思いますか?

纐纈:また昔の話になるんですけど、自己満で終わっていたなって思うんですね。みんなに伝わる言葉や想いを書かないと届かないっていうことを意識するようになってから、作品の反応やライヴでの一体感が変化してきたなと思います。そのあたりの意識が変わったことによって、言いにくいこともちゃんと言葉にすることに対して恥じらいがなくなったんですよね。それは作品を追うごとに強くなっていって。届けるためにちゃんと言葉にするというのは大前提ですね。そういうリスナーとの信頼関係を築けているのは自分の中で自信になっていますね。

-でもこのまっすぐさは、なかなかできることではないと思うんですよね。

纐纈:基本的にプライベートでは自分のことあまり話さないですし自分のことを話すのは苦手なんですけど、歌ではやっぱり違うんですよね。普段自分が感じることをわかってくれる人がいると嬉しいって思うんです。歌とか音楽とか言葉って人に寄り添うことができるので、そういうアーティスト・モードっていうのは自分の中にあるかもしれないですね。

-この"まっすぐさ"は他のバンドにないオトループの武器だと思います。サウンドや歌詞で極端な差別化を図るのは難しいじゃないですか? ひとつそういう武器を持っているバンドは強いんですよね。

纐纈:それ、いただきます!

-言葉がわかりやすいとか、纐纈さんの歌がまっすぐだというところ抜きにしても歌詞がすっと耳に入ってくる。それはすごく大きな強みだと思います。

纐纈:それはすごく嬉しいですね。

-何も考えなくても、何か考えていてもカットインしてくる歌詞といいますか。

纐纈:そこはすごくこだわっている点なので伝わって欲しいなと思ってやっています。

-すごく不思議に思ったんですけど、強い言葉を選ぶといった点は意識されているのでしょうか?

纐纈:すごく意識するようにしています。メロディに対する言葉の乗り方もあるじゃないですか? 無意識下で聴いていても刺さる言葉って何だろうっていうことは考えながら試行錯誤していますね。