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INTERVIEW

Japanese

FOLKS

2015年11月号掲載

FOLKS

Member:岩井 郁人(Vo/Gt/Prog/Cho) 岩井 豪利(Gt/Vo/Cho) 高橋 正嗣(Syn/Prog/Cho) 小林 禄与(Per/Syn/Gt/Cho)

Interviewer:吉羽 さおり

-今回の曲では、"何系"というイメージはあったんですか?

郁人:「夜の砂漠と月の光」は、すごくファンタジックでどこでもない場所――自分の中では砂漠の、だだっ広くて何もない空間でひとり孤独に歌っているようなイメージをしていたんです。それですごく広いリバーブをチョイスしてみたりとか。「BLUE & YELLOW」は、自分の部屋でひとりで二日酔いの中、ギターを弾いてるようなイメージでちょっと狭い空間を使ってみたり。そういうことはやっていますね。

-ああ、なるほど。そういえば、「夜の砂漠と月の光」はMVが公開されていましたが、たしか水の中で撮ってましたよね(笑)。

豪利:そうなんです、砂漠なのに(笑)。

郁人:今回のMVの監督が、北海道で"sprawl Inc."という会社を主宰している北川陽稔さんという方で。その方が北海道民でも知らないような、北海道の僻地を知っていて。

-へええ、海外のようなロケーションですよね。

郁人:そうなんですよね。あとはこの世っていうよりも、あの世のような雰囲気もあって。

豪利:周りに動物しかいないしね。シカが沼を渡ってたり。

小林:それも20頭くらいで。クマが出るから、クラクション鳴らさなきゃっていって。

郁人:1時間に1回くらい、車3台で"ブー!"って鳴らして(笑)。めちゃくちゃ大きな沼なんですけど、そこに浸かりながら撮っています。

-その静けさやファンタジックな感じが、また曲に合ってましたね。広さを感じさせながらも、どこか閉塞している感覚も味わう、こまやかなニュアンスがある美しい映像になっていて。今作はもちろん、MVを観たときに、今FOLKSがこれまでと違ったところに向かっているんだなというのが感じ取れました。

郁人:そうですね。サウンドは、歌詞の世界観の説得力を増すために必要な世界設定なんですけど。歌詞が少しずつ、内面が出ているものになっていて。

-はい。今回は特に、歌詞だけを読んでみていると、失恋でもしたのかっていうくらいエモーショナルだし、メランコリーが漂ってる(笑)。

小林:(笑)たしかに。

郁人:「BLUE & YELLOW」も「夜の砂漠と月の光」も、取り繕わずありのままの自分で勝負をしようっていうのがあるので。そのありのままの自分でいくと、ちょっとトーンが暗くなるというか――さっき大人っぽいと言っていただいたのもそうですけど、普段からライヴハウスでハジけているタイプでもないですし。

-そうですね。

郁人:衝動みたいな、煮えたぎったものはあるんだけど。そういうものが、静かに、自分の内側で燃えているというか。そういうタイプなので。ありのままに作るってなると、こうなるんですよね。

-みなさんも、トーンは近い気がします。

高橋:基本的にはみんな同じですね。

小林:つまりは根暗っていう(笑)。ポップな根暗。

豪利:そう。根は明るいんだけど、見た目が暗い。

-ちなみに今回は、「BLUE & YELLOW」と「夜の砂漠と月の光」では鶴羽宏一さんという新たなミックスの方が入っていますよね。これはどういった意図があったんですか。

郁人:今回、アートワークやMV、音作りにしても、北海道のクリエイターとやりたいなという思いがありました。今までは北海道の街とか、自分たちの住んでいる街の風景を、みんなに知って欲しかったんですけど。今回はもっと深い、クリエイターに注目して欲しいっていう気持ちがあって。鶴羽さんは、専門学校で講師もやっていて、"HIT STUDIO"という北海道の音をずっと作ってくれているスタジオの方なんです。今回そういう方と共同でミックスをしたんです。

-初めて組むに当たっては、こうして欲しいというオーダーもしたんですか。

郁人:実は鶴羽さんは昔から、それこそ北海道の音を作っている人だから、Galileo Galileiの時代からずっとやっているんです。なので意思の疎通もできているし、似ているんですよね。鶴羽さんも、暗い(笑)。

高橋:(笑)

郁人:っていうのは冗談ですけど。

小林:むちゃくちゃ熱いよね。

豪利:無理難題も面白がってやってくれるんですよ。

郁人:話のトーンは僕らと同じテンションなんですけど(笑)。淡々と、お互いに話をしているんだけど、でもめっちゃ興奮してるのがわかるっていう。北海道民っぽいんですよね、そういうところが。