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INTERVIEW

Japanese

1000say

2015年10月号掲載

1000say

Member:MAN(Vo/Gt) API(Vo/Ba)

Interviewer:白崎 未穂

今年、結成10周年を迎えた男女ツイン・ヴォーカルのエレクトロ・ロック・サウンドを奏でる1000say(ア・サウザンド・セイ)。フランス・パリ等で開催している"JAPAN EXPO"出演という経験を経た彼らが、4年ぶりにリリースする待望の2ndフル・アルバム『BABYLON』は、発展と荒廃を繰り返す近未来都市をコンセプトに制作。ネガティヴな未来を描くことで"希望"を持ち続けることを思い出させてくれる今作について、MAN(Vo/Gt)とAPI(Vo/Ba)に 訊いた。

-Skream!初登場にして、今年2015年で結成10年を迎えたということで、今日までのことを少し聞かせてください。2005年ごろ現在のメンバーが揃ったとのことですが、どのような経緯で現在のメンバーになったのでしょうか。

MAN:僕がもともと、3ピース・メロコア・バンドをやっていて、ライヴ活動もしていたんですけど、メンバーが借金を作ったりなんだりして(笑)。あとから入ってきたのがAPI(Vo/Ba)なんですけど、入った当初は純粋にベーシストとして加入してもらいました。1000sayは現在、男女ツイン・ヴォーカルをメインにして楽曲を制作してるんですけど。当時は僕がメインでごく稀にAPIがコーラスをとるスタイルでやってたんです。

-1000sayが今のエレクトロな路線になったのはなぜですか?

MAN:当時いわゆるメロコア・シーンの中で、挫折感を感じていて。だんだん自分の中の作りたいものが、メロディック・パンクの枠組みでは、表現しきれなくなってきたんです。より音に広がりがあるものを作っていきたいということで、シンセサイザーのMICHELLE(Syn)が入って、前任のドラマーは、掛け持ちしてた他のバンドが忙しくなったので脱退しました。最後にドラマーのNONが加入して、今の体制になっています。

-"1000say"(ア・サウザンド・セイ)という名前の由来は?

MAN:メロコア時代もそうだし今もそうですけど、僕らの楽曲の多くはどちらかというと、歌詞が短くて重要なセンテンスをひとつひとつ置いていくような楽曲なので、人によっては言葉足らずに感じる人もいるかと思います。例えば、"悲しい"という感覚と"寂しい"という感覚は似てるけど明確に違う感情だと思うんですよね。きっとその"悲しい"と"寂しい"の間にはいくつか段階があって、寂しい10パーセントと悲しい90パーセントみたいな割合もあるだろうし、さらに細かい言語化されていない感情みたいなものを表現できるのが音楽だなって思っています。それこそ自分が10代のころは、何を歌っているかわからないけど洋楽を聴いて本気で涙が流れることもありました。それはきっとその音に宿っている感情が自分の心へダイレクトに届いたからだろうなと思っていたので、そういう部分に音楽の可能性を感じていました。なので、"音が1000の感情を伝えていく"という意味を込めて、"1000say"って名づけました。

-そして、1000sayを語るには外せない2011年~2014年の間、毎年フランス(パリ)などで開催されている"JAPAN EXPO"に毎年出演していたそうですが、これはどういった経緯で出演することになったのでしょうか。

MAN:もともと自分たちが1stミニ・アルバム『STARGAZER ORCHESTRA』(2008年リリース)を全国流通させてもらえるようになって、フランスのテレビ局から"1000sayのミュージック・ビデオを放送したいので、ベーカム(BETACAM)で送ってください"っていうようなメールが突然届いたり"俺はフランス人だ。君たちのCDをなんとかして手に入れたんだ。いつかフランスに来てくれ"ってメールが2008年ぐらいからよく届くようになったりしていたんですね。正直言うとそれまでフランスに特別な思い入れってなくて、DAFT PUNKとか好きなアーティストはいましたけど、どちらかといえばアメリカやイギリスの方が興味あったし。ただ、要所要所でフランス人とコンタクトをとる機会があって、"自分たちにマッチするものがあるのかもしれない"って薄々思っていました。そんなときにリスペクトしている日本のアーティストたちが、フランスの"JAPAN EXPO"というフェスに出演してるらしいっていろんなニュースで知って、自分たちもそこに出れないかなと思って、飛び込みで音源を送ったんです。

-今度は逆に?

MAN:そうですね。ホームページで募集ページが小さくあったので、そこにメールを送ったら2011年の出演が決まりました。

-実際にフランスへ行ってみてどうでした?

MAN:気負って行ってみたんですけど、自分たちのバンド人生ていうか、もっと言えば人生そのものの中で忘れられない光景というか。体育館みたいな会場に僕らを観るために2,000~3,000くらいのオーディエンスが集まっていました。僕たちの音源は、フランスで流通してないんですけど、YouTubeもあるんでフランス人がみんな僕たちの楽曲をチェックして日本語の歌詞を覚えてきてくれてるんですよ。サビになるとその場にいるフランス人が日本語で大合唱。2011年の初出演したときにそんなことが起こったんです。ものすごく感動しましたね。フランスが大好きになりました(笑)。

-初出演でそんなことが起こるだなんてすごいですね。ちなみにフランス以外の海外でライヴをしたことは?

MAN:"JAPAN EXPO"はフランス以外にベルギーやアメリカでも開催してるので、そこでもやらせていただきました。それとは別で、現地のイベンターからパリ市内のライヴハウスでプレイしないかと誘われたので2本だけ向こうのライヴハウスでやらせてもらいました。1本は、その日出演する予定のバンドがキャンセルになって、当日の夕方4時ごろにワンマン・ライヴに切り替わりました(笑)。フランス在住の日本人で女優と歌手をやられているそうで、その方と2マンって話だったんです。日本の方なので安心して行ったんですけど、現場についたらキャンセルになってて......(笑)。

API:しかも理由を聞いてもイベンターはフランス語なのでよくわからないんですよ。とにかくキャンセルでしたね(笑)。

MAN:ただ、向こうのライヴハウスって、日本っぽいライヴハウスもあれば、海外特有のレストランと並列してあるような大きなライヴハウスもあるんですけど、1発目のライヴはレストラン・スタイルのライヴハウスでした。普通に食事を楽しみにきている人たちもいる中でのライヴだったのですごく賑わった雰囲気で、それこそ白髪のスーツを着た紳士がナイフとフォークで食事をしている中で演奏しました。最後の方はその白髪の紳士が上半身裸で踊ってて(笑)。なんていうんですかね、ベルギーに行ったときも思ったんですけど、普通のバーで、防音設備もなんにもないところで普通にフルセットで演奏やってたりとか。そういった意味では音楽と生活の距離が近いなっていう感じはしました。

-すごく素敵な体験をされてきたんですね。

MAN:ボーナス・ステージみたいな感じでした(笑)。日本で僕らが何千人規模の前でやることってほとんどないですけど、向こうでそういったステージに立てたことはすごくいい経験だったなって思います。大きなステージでの見せ方や盛り上げ方を自分たちで実感しながら、掴んでいったっていうのは本当によかったです。