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INTERVIEW

Japanese

MOP of HEAD

2015年07月号掲載

MOP of HEAD

メンバー:George (Machine) Kikuchi (Gt) Hitomi (Ba) Satoshi (Dr)

インタビュアー:山口 智男

-これまで人力ドラムンベースとか和製PRODIGYとかと言われてきましたが、今回のアルバム『Vitalize』を聴かせてもらったら、そういう要素もありつつ、そのふたつの言葉に収まりきるようなサウンドではないですよね?

George:最初から幅は広かったですね。僕が曲を作るんですけど、曲を作るときはできるだけかけ離れた曲を作るように意識しています。ビートが1番大きな要素になると思うんですけど、例えばBPM140の曲を作ったら、次は110にしようって。それぐらい変えていく。メンバーもアプローチはそうだと思います。前の曲とは同じことはやりたくないタイプなんで、今回、曲順に困るアルバムになりましたね。曲順は正直、誰かに任せても良かった。とにかく1曲ずつ投げていくってイメージで。昔のアルバムだったら流れがあってっていうのがあったと思うんですけど、今の時代、1曲ずつ買うって聴き方も選択肢としてあるから、曲順はそんなに意識しなかった。

-全曲シングル・カットできるぐらいのつもりで?

George:そうですね。ただ、これはシングルにしちゃいけないって渋すぎる曲もありますけどね(笑)。

-これまで活動してきてバンドにとって転機になった出来事ってありました?

George:1番は"FUJI ROCK FESTIVAL"に出たことかな。2011年に前夜祭に出演させてもらって、翌年、普通に出られたんですよ。フジロックに出たいと思ってバンドをやっていたところもあるんですよ。Kikuchiと僕は2006年に遊びにいって、これは相当楽しいぞ、目指すならここだろうって。実際、あんなにたくさんの人の前で演奏したのも初めてで。そこからいろいろあって、今があるんですけど、今回のアルバムが転機になるかもしれないですね。バンドを取りまく状況を含めいろいろ変わったんですよ。そういう意味では、後々振り返ったとき、今の時期が1番大事だったんじゃないかということになると思うんですけど、今回のアルバムを作り始める直前に、いわゆる大人の事情がバンドにのしかかってきて、このままバンドを続けていくのは大変だって状況に初めて直面したんです。そこで、今回のアルバムをリリースする動きになるきっかけも含め、気合いを入れて心機一転やっていこうと思うタイミングだったんです。それでタイトルも『Vitalize』もなんです。

-そういうアルバムを作るにあたって、サウンドの方向性はどんなふうに考えたんですか?

George:括りとして、ダンス・ミュージックとかダンス・ロックとかクラブ・ミュージックと呼ばれることが多いんですけど、僕としては、今、世間で流行っているEDMに対して、そうじゃないダンス・ミュージックを提示したかった。ものすごくあやふやだと思うんですよ。今のダンス・ミュージックとかダンス・ロックとかって。例えば、レコ屋でやっている"踊るロック"っていうものが僕が知っているものと違ってきている。ダンスとロックの融合って、THE STONE ROSESとかHAPPY MONDAYSとか、いわゆるマッドチェスターがバンドという意味での走りで、その後、PRIMAL SCREAMがAndrew Weatherallと組んで『Screamadelica』を作ったあたりから本格化したという認識があったんですけど、それが崩れてきてるというか、僕からすると、"え、それで踊れるの?!"っていうのが最近多くて。そういう意味で、ダンスとロックの融合の正解をひとつ出したかったんです。

-とは言え、マッドチェスターや『Screamadelica』のサウンドを再現した作品ではないですよね?

George:何が違うかっていうと、生楽器でやっているところ。クラブ・ミュージックをやろうとすると、ギターって絶対入らない。THE CHEMICAL BROTHERSの2ndアルバムってブレイクビーツなのにギターやベースの音が結構入っているんです。サンプリングかもしれないんですけど、それに近いというか、ギター、ベース、生ドラムも料理の仕方によっては全然、ダンス・ミュージックにできる。それと、アシッド系のものよりはアッパー系のものにしたかったっていうのも強かったですね。バンドにとって、歪んだギターがひとつのキーポイントだと思ってるんです。その意味では、Kikuchiのリフが確実に時代感をなくしていっていますね。

Kikuchi:レコーディングのとき、異物感を出せって言われて、だいぶ悩みましたね。今回、心から苦しみました。最終的に楽しく終われたんで良かったんですけど(笑)。結局、僕が埋めるシンセと生楽器の間の幅って広いんです。ギターの帯域ってギターでしか出せないところもあるんで、幅が広くて、やることが多い分、正解を出すのに時間がかかりました。

-Georgeさんからリクエストはないんですか?

George:かっこいいリフ弾いてねとしか言わない。でも、それでしかない。かっこ良ければいいんで。

Kikuchi:それが1番難しい(笑)。

George:逆に、僕はそう言われた方が楽なんですけど、それと同じようにKikuchiに言ってしまうと、彼はちゃんとしているんで、"とは言っても情報量少なすぎでしょ"ってところから始まって。でも、彼がおかしくなっていく様を見てるのが良くて、ギターがどんどん良くなっていくんですよ(笑)。

Kikuchi:結果、いい作品になったんでね、ホント良かったです(笑)。