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INTERVIEW

Japanese

The Flickers

2015年01月号掲載

The Flickers

メンバー:安島 裕輔 (Vo/Gt/Syn) 堀内 祥太郎 (Ba) 本吉“Nico”弘樹 (Dr)

インタビュアー:山口 智男

いきなり"2014年は、いいことはいっこもなかった"という答えが返ってきたときはドキッとしたが、エレクトロなサウンドを打ち出しながらも根っこにはやはりパンクがあるということだろう。内省的とも冷徹とも言える現状認識と逆境をばねに制作に打ち込んできた成果がいよいよ実を結ぼうとしている。昨年12月にニュー・シングル「techno kids」を配信リリースした3人組、The Flickers。新曲に込めた想いに加え、今春リリース予定のニュー・アルバムについても話を聞いた。

-2014年を振り返って、どんな1年だったと感じますか?

堀内:フェスにもいろいろ出られたし、10月にはワンマン・ライヴもあったし、いろいろ動いた1年でした。でも、満足は全然してないし、やれることはまだまだいっぱいあると思います。

安島:一生懸命やってきたという自負はちゃんとあるんですけど、でも、満足ってどこまでいっても得られるものではないかもしれないけど、満足したってことは全然ないし、正直、良かったことはいっこもないです。

-え、いっこもない?

安島:はい。でも、一生懸命やったとは思います。もちろん、ファンやお世話になってるスタッフに対しては感謝という気持ちしかないですけど、だからって自分たちを許せる現状ではないですね。そういうふうに言ってしまうと、表面的にはネガティヴに聞こえるかもしれないけど、それが物作りや前に進むモチベーションになっていたとは思います。曲を作るときも、守るものはないという気持ちで臨めたから、自分の心がやりたいことに純粋に取り組めました。わかりやすく、ひどい言葉を使えば、やけくそだったかもしれないですけど(笑)。

堀内:やけくそにはなってないですけどね(笑)。ただ、作品を作りながら行き詰まった時の1歩目になる瞬発力って、3人で意見をぶつけあうと生まれることもあるのかなという気はしました。

本吉:振り返ってみると、これまでは気を遣いながら作品を作っていたんじゃないかって。それが今回は、本当に自分のやりたいことをやると心に決めて、他のふたりとコミュニケーションをちゃんと取りながら進めたと思います。

-気を遣っていたというのは?

本吉:自分を出しきれてなかったんじゃないかなって。遠慮ってほどではないんですけど、ひょっとしたら自分を抑えすぎて、結果、言われたことしかやってなかったのかなって思ったので、メジャー・デビューしたことをきっかけに、仕切り直しじゃないですけど気持ちを一旦切り替えて。本当に音楽を楽しみたいと思いながら今回は新曲にしろ、アルバムにしろ、自分をもっと出せたらと思って取り組んでました。

-10月のワンマン・ライヴでは、その時点ではまだ発表前の新曲も含め、新旧のレパートリー28曲を演奏しましたね?

安島:いろいろなことがうまくいってないと感じていた時期だったんですけど、やる以上は僕たちを支持してくれる人たちや会場に来てくれる人たちに真摯に向き合って、全力でやりたいと思ったんです。そのうえで、いろいろなことを清算して、新しい自分たちに向かっていきたかったんですよ。もしかしたら、もう古い曲はこれを機にやらないかもしれない。だから、その日集まってくれる人たちに今までの自分たちを全部見せておきたいと思ったんです。

-そのワンマン・ライヴでも"新しいアルバムは頑張って作った。いい曲がいっぱい入っている"と言っていましたね。アルバムを作るにあたっては、どんな作品にしたいと考えていたんですか?

安島:僕はロックなアルバムだと思ってます。僕たちは社会的な立場で音楽をやってるわけでも、音楽ができるから音楽をやってるわけでもなくて、本当にどうしようもない、ダメな人間である自分たちに残された生きる道が、楽器を手にして自分を表現することだったんですよ。それも周りのミュージシャンとは違って、僕は機械の力を使わないと音楽が作れない。もともとの経緯はいろいろあるんですけど、このバンドの音楽は機械があって、人間3人がそれと一緒に演奏してるものなんですけど、それが普通のロック・バンドのスタンダードかと言ったら、そうではない。それも全部、ちゃんと物語があって、この音楽の形はすごく僕たちらしいと思うんです。クズの集まりが機械の力を使いながら音を出して、すごく鬱々とした歌詞を叫んでる。でも、そこにはポジティヴな姿勢が欲しいからダンサブルなビートも使う。暗い歌詞を叫んでることが多いけど、そうしなきゃやってられないし、叫ぶためにはギターの音量を上げるしかないんですよね。僕の中では爆音や音数の多さはひとつの正義なんです。音が大きいというだけで、僕は泣けるんですね。それぐらいの音が必要だったんですよ。その爆音の中でいくら叫んだって、ギターのアンプに人間の声が勝てるはずないのに、聴こえるんだか聴こえないんだかわからないけど、それでも叫んでるっていうのはすごく僕は自然なロックだなって思うんですよ。オルタナティヴですよね。

-それはこのバンドを始めたときから根底にあるもので、新しいアルバムでも変わらないってことですよね?

安島:今まで作った中ではすごく自分たちっぽい。最新作って常にそういうものかもしれないけど、でも、僕は新作が1番好きです。