Japanese
The Flickers
2014年06月号掲載
Writer 天野 史彬
クラブ・ミュージックにしろ、ロックンロールにしろ、踊れる音楽、つまり"ダンス・ミュージック"とは、本質的に極めて快楽的、享楽的なものである。むしろそうでなければならない。ではなぜに人は、いつの時代も快楽的、享楽的なダンス・ミュージックを求めるのか?そう問われれば、簡単かつ乱暴に言ってしまえば、それはいつの時代も人は"踊らなきゃやってられない"からである。人は本当に心から嬉しい時や楽しい時、わざわざ身体を動かしに音楽が鳴っている場所を探し求めたりなんて、意外としないものである。僕らが心からダンス・ミュージックを求める時、それはいつだって、傷つき、疲れ果て、叫び出したくてもそれができなくて、頭の中はクソみたいな考えでいっぱいで、もう仕事やら生活やら時間やら自意識やら、この身を縛りつけるあらゆる鎖から解き放たれたくてしょうがない時だ。僕らはただの一時だけでも、この世界から離脱しようと幻想を追いかけて逃避を夢見て、何もかも上手くいかないと知りながら、それでも今日も踊る、踊る、踊る―――。
The Flickersは、ダンス・ミュージックに宿る狂気を本来的に、その血に宿しているバンドである。彼らの音楽はダンス・ロックとして、リスナーを踊らせるための快楽的なグルーヴとアンセミックなメロディを実に機能的に融合させているが、そのアグレッシヴで煌びやかなサウンドの奥には、常に世界と自分との軋轢に身悶えし自問自答を繰り返すようなディープな内省がある。彼らのルーツにはNEW ORDERをはじめとする80年代ニュー・ウェーヴがあり、THE STROKESをはじめとする00年代型ロックンロールがあるが、なぜNEW ORDERは、前身バンドであるJOY DIVISIONのヴォーカリストだったIan Curtisの死という闇をその存在の根底に抱えながらも、どこまでもロマンティックでハイなダンス・ミュージックへと傾倒していったのか?あるいはなぜTHE STROKESは、前年にリリースされたRADIOHEADの『Kid A』によってロックの存在意義すら覆された土壌の上、しかも9.11のニューヨーク同時多発テロと奇しくも同年という、ロック・シーン的にも時代的にも虚無と混沌の中に突入していた2001年に軽快なロックンロールを鳴らしてみせたのか?――その答えをThe Flickersは知っているし、そうした先達たちと同質の"踊ること"に対する鋭い嗅覚を彼らは持っている。それは、音楽に乗せて身体を動かすことによって自分自身の心の内側と、そして時代そのものと対話を繰り返しながら、そこにある暗闇を切り裂こうとするどこまでも切実でシリアスな本能であり、それこそが、"踊らなきゃやってられない"という突き抜けた答えへと僕らリスナーを導くダンス・ミュージックの本質なのだ。
The Flickersはこの度リリースされる4曲入りEP『AT FIRST LIGHT』でメジャー・デビューを果たす。爆発力のある真骨頂のダンス・ロック「midnight express」、ヘッドフォンを通じて自分の脳内と宇宙を無理やり接続してしまったようなベッドルーム・テクノ「drive me lunatic」、少年のようなピュアネスを感じさせる「in my headroom」、そしてレイヴィなメロディに乗せて歌われる"爆音で掻き鳴らして/今日を揺らして/存在を掻き鳴らして/運命を揺らす"という、The Flickersがダンス・ロックを鳴らす、そこに込められた想いをステートメントするような言葉が印象的な「detonation」。インディーズ時代から彼らが見せてきたあらゆる側面を凝縮した、まさに純度100パーセントのThe Flickersがこの4曲には詰まっている。この作品を聴けば、安島裕輔(Vo/Gt/Syn)の脳内に広がる密室的で偏狭的な世界――― それは混沌とし、殺伐とし、怒りと痛みがあって、だからこそ美しくピュアでもあるだろう――― を強く実感することができるし、それと同時に、どうしようもなく溢れてくる音の快感に肉体は刺激される。目からは涙を流し、頭は混乱しながら、それでも身体は踊り出す、そんな"踊らなきゃやってられない"僕らのためのダンス・ミュージックが、ここにはある。
The Flickers『AT FIRST LIGHT』
[ONECIRCLE]
2014.6.4 ON SALE

【初回限定盤】CD+DVD
CTCD-20000/B ¥1,800(税別)
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【通常盤】CD
CTCD-20001 ¥1,200(税別)
[amazon] [TOWER RECORDS] [HMV]
【収録内容】
Disc-1 CD
1. midnight express
2. drive me lunatic
3. in my head room
4. detonation
Disc-2 DVD ※初回版のみ
2014/03/02 The Flickers presents "SUMMER OF LOVE" @ 代官山UNIT
1. black light
2. supersonic
3. non-fiction
4. orange sunshine distortion
5. lovender
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