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INTERVIEW

Japanese

potekomuzin

2014年10月号掲載

potekomuzin

Member:ズキスズキ (Vo/Gt) マツイヒロキ (Ba) ダーヤマ(山田) (Dr)

Interviewer:奥村 小雪

-スズキさんが素材を提示して、それに3人でアレンジを加えていく感じなんですか?

スズキ:アレンジは、スタジオで3人がやりたいようにやってますね。

マツイ:形に固執しないと思います。"先週こういう風にしたから、今週もその続きをやろう"じゃなくて、1回それぞれ持ち帰るんですよ。ちょっとピンと来ないからもう1度解体したり。

スズキ:そうですね。ここはこうしたかったけど、"あっ、そのフレーズ入れる?"みたいなのがあったら、それに合わせてアレンジし直したり......器用なんだか不器用なんだかよく分かんないですけど(笑)。

-そのやりかたで3人の意見を刷り合わせるのって大変じゃないんですか?

マツイ:やりたいことを共通して意識してたら、それほど大変なことじゃないですね。それぞれやりたいことがあって、ぶつかり合うとバランスを取るのが難しいと思うんですけど、そうじゃないので。曲作りの上で衝突したことは1回もないと思います。

-なるほど。新作『check e.p.』には、先ほど少し話にでてきたベルペンの五十嵐さんが、「まてんろう(こがらしmix)」、「タイミングOK(こがらしmix)」の2曲のリミックスで参加されてますね。リミックス音源を収録するというのは今回が初の試みだと思うんですが、これにはどういう経緯が?

スズキ:1998年にL'Arc-en-Cielがリミックスをカップリングで入れ始めたんですけど、僕、リミックス大好きだったんですよ。yukihiro(Dr)さんのリミックス集も買ったりして。自分の曲を新鮮に感じられる手段として、リミックスを依頼しようと思って。それで、"彼にだったら間違いねえだろ"って(五十嵐さんに)依頼して、聴いたら間違いなかったので。

-「まてんろう(こがらしmix)」はゲーム・ミュージックっぽくて、作品にインパクトを与えてるなって思いました。

マツイ:聴いた瞬間に爆笑しましたね(笑)。天才だなと思って。

-今作は制作陣も豪華ですよね。まず、レコーディング・エンジニアはジョゼやプラグラムハッチ、集団パラリラなどを手掛ける石川泰隆さんが担当されてて。

マツイ:2ndアルバム『効率のいいあきらめかた』から"一緒にやりませんか?"とお話を頂いて。付き合いは1年半~2年くらいですけど、石川さんは基本的にバンドのやりたいことを中心に添えてくれるエンジニアさんなので、やりやすいです。意図を汲み取ってくれるので、ミックスとかの段階で音のなんとなくのイメージを具現化させるのが早かった。

スズキ:だから、あんまり音楽面でのコミュニケーションはとってないです。録る前に"こういうの"って伝えただけで。本当それだけでミックスとかもやってくれて、"そうそうこれこれ"って(笑)。

-マスタリングにはゆらゆら帝国やOGRE YOU ASSHOLEの作品で知られる中村宗一郎さんを起用されてますね。中村さんも2ndアルバムから一緒に制作されてるんですよね?

スズキ:そうですね、家が近所なんですよ。もとからOGRE YOU ASSHOLEとかゆらゆら帝国とか大好きだし。物事を独特な目線でズバッと切り削ぐというか、すごい面白いかたなんで(笑)。

-レコーディングにおいてこだわった部分などは?

スズキ:楽曲のオケというか、ギター、ベース、ドラムを一緒に録るんですけど、テイクを重ねたくないんですよね。1回やって終わりっていうのが理想なんですけど、1曲だけ何回も"これじゃない"って重ねて録った曲があって。そのこだわりを次作に持っていければなーと。やっぱ(重ねると)機械的というか、音が全然違うじゃないですか。ちょっとしたずれとか違和感とかに魅力を感じますもん。それが上手い具合に引き出せなかった部分が1曲だけありますね。

マツイ:ミスを直さないんですよ。それが面白くって。"別に3分ある曲の中の、1秒ぐらいそういうのが味付けとしてあってもいいだろ"っていう捉えかたなんですよ。サクッとやって自然に出たものがOKみたいな風になれば、1番いいですけど。

スズキ:気楽にやったものが1番自然な仕上がりになりますし、今作でもそういうところをこだわりましたね。

マツイ:僕個人的には、今回の楽曲はベース・ラインの作り方をちょっと変えたんですよね。前作『問題児はつらいよ』までは、わりと難しいことをやろうとしてたんですけど、よりシンプルなフレーズをこだわってつくったっていうのはありますね。

ダーヤマ:僕もスズキ君の言う通り、1曲苦戦したっていうのが......そのときの自分の気持ち的にも抱え込んでた部分があって、純粋に力を抜いて楽しむっていうことが出し切れなかったので、次のアルバムとかレコーディングとかに生かせたらなあと。

マツイ:そういう気持ちの面も今作にはすごい出てて。今までのアルバムに比べたら1番エモーショナルだと思うんですよね。そのエモさはすごい気に入ってます。人間臭さを1番感じる作品です。

-アートワークもお馴染みの、ど藤田さんが手掛けられてますね。

スズキ:僕の同級生のイラストレーターなんですけど。独特というか、変人ですよ(笑)。